三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 税金・税法

相続税評価額の算出方法 その4

2017年11月15日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

前回の 「その3」 において簡単ながら、
相続税と贈与税における 「宅地」 の
評価方法の基本を説明しましたが、
今回は、そんな 「宅地」 の中の一部に
摘要される特例の話をしたいと思います。

正式名称は租税特別措置法第69条の4、
「小規模宅地等についての相続税の
課税価格の計算の特例」というものです。

一般に、「小規模宅地の特例」とか「小規模」と
省略されて呼ばれることも多いこの特例は、
特定の用途に供されている 「宅地」 については
一定の要件を満たすならば、一定の面積まで
その評価額の減額を認めるのが、その内容。

その要件について説明をしようとすると
それだけで3回はエントリを使わなければ
ならないくらいの量になってしまいますので、
申し訳ないながらそこは割愛するとして……

ここで言うところの 「小規模宅地等」 については、
以下に掲げる4つの種類となります。

① 「特定居住用宅地等」
② 「特定事業用宅地等」
③ 「貸付事業用宅地等」
④ 「特定同族会社事業用宅地等」


その名前で何となく分かるかもしれませんが、
要は被相続人の遺族の生活の維持などを
目的として、被相続人が居住していた宅地や
その事業のように供していた宅地については、
後を引き継ぐ人が取得している場合に
相続税の評価額が減額されるのです。

ちなみにその減額幅は限度面積の範囲内で、
①、②、④ が80%、③が50%となっています。

つまり、例えば前回の「その3」で説明した方法で
路線価から計算した評価額が5,000万円の
宅地が ① の「特定居住用宅地等」に該当して、
かつ限度面積の範囲内であった場合には、
相続税計算上の評価額は以下のようになるのです。

5,000万円×(1-80%)=1,000万円

この差は、大きいですよね。

仮に同じ土地に賃貸アパートを建てて
家賃収入を立てているような場合は、
「貸付事業用宅地等」に該当しますので、
その評価額は次の金額です。

5,000万円×(1-50%)=2,500万円

これでも、2,500万円も評価額が下がるので
相続税額もかなり下がるだろうということが、
お分かりいただけるのではないでしょうか。

相続財産に「宅地」があるような場合には、
この「小規模」の適用ができるかどうか、
適用対象となる「宅地」が複数ある時には、
限度面積の規定が存在しているのでその全てに
「小規模」を摘要することが不可能であれば、
どの「宅地」をどのように選択するのかが
税額を低く抑える為には重要となってきます。

なお、この特例について、私が割愛した詳細を
知りたいという人は、ひとまず、国税庁HP
下記のページをご覧になってみてください。

タックスアンサー No.4124

ただ、ケースによっては結構複雑な計算を
要することもあるので、相続税の対策を考える、
あるいは相続が発生したというような場合は必ず、
当事務所他、専門家へのご相談をお勧めします。


なお、確か6月の頭頃だったと思うのですが、
富裕層の地主を相手にして相続税対策の為に
地方銀行や信用金庫がアパートローンを融資して、
更地に賃貸住宅を建てるという動きが過熱気味に
なってしまっているというニュースを見ました。

その結果、各地に入居者のまるで入らない
賃貸物件が増えてきているのだそうです。

借金をして不採算物件を手に入れたようなもので、
設定した家賃の引き下げを余儀なくされたり、
当初見込んだ家賃収入と資金運用が達成できず
結局その物件を損を覚悟で処分したり、
それでも借金額に足りない分は他の資産を
売却して穴埋めをせざるを得なくなったり、
といったようなケースも発生しているのだとか。

金融機関側にすれば、例えローン返済が
焦げ付いてしまったとしても土地が担保だったり、
上記のように他の資産を持っていたりするので、
不良債権化する恐れが少ないようなのですが……

それって、倫理的にはどうなんでしょうね。

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相続税評価額の算出方法 その3

2017年10月30日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

前回の「その2」で予告した通り
今回は不動産の中の「宅地」につき、
相続税(贈与税)の評価方法を
簡単に説明したいと思います。

まず、「宅地」の評価には大きく分けて
2種類あるということを知ってください。

少しだけ専門的な言い方をするのであれば
「市街地的形態を形成する地域にある宅地」と
「それ以外の宅地」ということになるのですが、
つまり「市街地の宅地」と、「そうではない宅地」、
ということだと思っていただいてもいいでしょう。


さて、不動産の価格などを考えようとした際に、
皆さんもよく「路線価」という言葉を聞くと思います。

これは前者の「市街地の宅地」を評価する際に
使われるものになるのですけれども、ここで、
これについての国税庁の説明を引用してみましょう。

「路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示しています。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。 」


つまり、それぞれの道ごとに平米あたりの単価が
設定されているので、そこに面している宅地は、
実際の面積にその路線価を乗じることで
その相続税(贈与税)の評価額を算出するのです。

複数の道路に面した土地の場合には一定の基準で
正面となる道路を選択して、その路線価をメインに
側方となった道路や裏面となった道路については
正面の平米単価に補正を加える形で調整しますし、
真四角では無い、特殊な形の不整形地だったり
傾斜地などについても補正が加えられます。

この辺り、細かい数値や計算規定を書きだすと
切りが無いので割愛させていただきますけれど、
使い勝手の良い「宅地」は評価額が高く、
悪い「宅地」はその逆に安くなるとお考えください。


そして、後者の「市街地以外の宅地」では、
そもそもこれ等の土地は「路線価」が
設定されていないような場所なので、
建物の時と同様に「固定資産税評価額」を
その評価額の算出にあたって使用します。

ただし、建物のように常に1を乗じるのではなく、
その住所によってそれぞれ設定されている
別々の倍率を乗じることになりますので、
その点はお間違えの無いようにお願いします。


このように、「宅地」についてはその分類ごとに
「路線価方式」と「倍率方式」の2つの方式の
いずれかを用いて評価額が算出されます。

以上、はなはだ簡単ではありましたが、
宅地の評価方法についての説明でした。

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相続税評価額の算出方法 その2

2017年10月12日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

相続税における財産評価方法、
その第2回となる今回のエントリでは
おそらく皆さんの興味も大きいだろう
土地や建物の不動産関係について
採り上げようと思います。

まず財産評価が簡単な建物から。

相続税・贈与税の計算上、建物については、
以下の算式でその評価額を算出します。

「固定資産税評価額×1」

「固定資産税評価額」は、大体4月~5月に物件所在の
各自治体から納付書などと共に郵送されてくる
「固定資産税課税明細書」に記載されているのですが、
ここで注意していただきたいのは、同明細書に記載の
「固定資産税課税標準額」と混同をしないこと。

後者は、軽減対象部分の計算が加味されている為、
財産としての建物そのものの価値を示す
「固定資産税評価額」とは異なってくるのです。

なお明細書が見当たらない場合は、
役場で固定資産台帳を閲覧するか
「固定資産評価証明書」を取得することで
評価額を知ることはできます。

貸家の場合はこの評価額に一定の
調整を加えてその金額を減額させるなど、
その他、細かいことを言うと色々とありますが、
とりあえず建物については上記の式が
用いられるということを覚えておいてください。


続いて、土地です。

登記上は、土地の使用状況すなわち地目は
23種ありますが、相続税・贈与税の財産評価では
これを「宅地」「農地」「山林」「原野」「牧場」「池沼」
「鉱泉地」「雑種地」の8種に分類しています。

その上で、それぞれにそれぞれの計算方法を規定、
それを使って算出した金額を相続税・贈与税の
課税価格として用いることになるわけです。

この内、皆さんが一番興味があるのは「宅地」でしょう。

1つ1つを細かく説明して行っても仕方がないですし、
このブログでは今後、「宅地」についての評価方法を
書いて行きたいと思っているのですけれども、
それを書きだすとかなり長くなってしまうでしょうから、
ちょっと短いのですけれども今回のエントリは
この辺りで終わりとさせていただこうと思います。

次回「相続税評価額の算出方法 その3」では、
「宅地」の評価方法をざっと説明いたします。

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相続税評価額の算出方法 その1

2017年08月25日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

団塊の世代も次々と引退して行く昨今、
そろそろ自分が亡くなったとした時の
相続について考え出しているという人は
意外と大勢いらっしゃることと思います。

その場合、気になってくるのはやはり、
相続税額がどれくらいになるのか、ですよね。

以前にも何回かに分けて書きましたが、
相続税額というのは、その亡くなった方が
どれくらいの財産を所有していたのかと、
それを受け継ぐ人が何人いるのか、
亡くなった方とどういう関係なのか、
といったようなことにより、大きく変わります。

そこで今回は、断続的ではありますが何回かで、
相続財産の評価がどのように行われるのかを
ごく簡単に説明して行きたいと思います。

まず、はっきりとしていてすぐに分かるのは
やはり現金、預貯金等になるでしょうか。

これは、被相続人が亡くなったその日の
残高が即ち相続税を計算する際の
財産評価額になると思っていただいて、
まず基本的には間違いがありません。

ただ、預貯金については利息というものがあります。

利息の計上日当日に亡くなったのであれば
話はシンプルですけれども、現実はそんなに
区切りよくは行ってくれないものですよね。

利息というのは一定の期間に対応して
発生してくるものですから亡くなった日が
その計算期間の末尾でない限りは
まだ預金に受け入れられていない未収の
既経過利息というものが存在します。

相続税、贈与税の財産評価においては、
この既経過利息の事も考慮して、
預貯金の評価額に含めなければなりません。

その際に使用されるのは約定利率もしくは
中途解約利率で、計算は日割りで行います。

ただし、利息が支払われた際に徴収される
源泉所得税に相当する額については、
この既経過利息を認識する際にも
これを差し引いた残高を用います。

また、普通預金、通常預金で既経過利息の額が
少額である場合には重要性が少ない為、
既経過利息の金額を認識する必要はありません。


以上、相続税などの資産評価方法についての
第1回目、現金・預貯金についてでした。

第2回はいつかはまだ分かりませんけれども、
できるだけ早くにお送りしたいとは思いますので、
それまでお待ちいただければ幸いです。

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ビットコインの分裂/分岐

2017年07月20日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

先月の頭から1か月くらいをかけて
4回+1回で説明をしてきた
ビットコインについて、大きな動きがありました。

以前から噂されていた8月1日の「ビットコインの分裂」。

「分裂」ではなくて、もう少しニュアンスとしては穏やかな
「分岐」という表記も使われていますけれども、
これは要するに、以前のエントリでビットコインというのが
ネット上で分散されている「元帳」であると書いた、
その「元帳」が記入の途中で2つ以上に分かれてしまう、
そういうことなのだと考えていただけばいいかと思います。

ビットコインが使っているブロックチェーン技術というのは
基本、運営ルールの変更などで複数の「元帳」が
できてしまったとしても結局それぞれは統合されて
残るのは1つの「元帳」だけになるというものでした。

しかし、8月1日に発生が予想されているのは、
ビットコインが発明されて以来初めてと言われる
運用ルールの大規模な分岐だということ。

それ故に、今回別れた「元帳」は統合されること無く
そのまま分岐されたまま、それぞれに別の
独立された「元帳」として管理が進んでいくという
ことになるだろうとされているのですけれど……

それぞれのルールを支持する層の対立を
調停する中央管理者がそもそも存在しない、
というビットコインの大きな特徴の1つが
裏目に出た部分も、あるのかもしれません。

この辺りの経緯は、少し専門的な内容ですが、
「bitcoin news(ビットコインニュース)」の
以下のコラムにかなり丁寧に書かれていますので、
興味があるという方は貼り付けたURLのリンク先を
読んでみるというのもいいかもしれません。

「「ビットコイン分裂」の真相と深層」 山﨑大輔

日本国内の仮想通貨交換業者の団体である
日本仮想通貨事業者協会(JCBA)は
この動きを受けて対策を練っていたのですが、
結局、各仮想通貨取引所がその時期において
営業を続けた場合に起こり得る混乱を回避すべく、
8月1日午前0時よりビットコインに関する
受け入れ及び引出に関連する取引を全面的に
停止とすることを7月18日に発表しました。

そのリリース画面のスクリーンショットを貼ります。


8月1日に予期されるビットコイン分岐危機に向けた対応について

こちらもリンクを設定しておきましたので、
よろしければご一読いただければと思います。

ここで停止されるのはあくまでビットコインに
関係するサービスの受付だけであって、
それ以外の仮想通貨などのサービスは
通常通りに営業されているとのこと。

また、この取引受付の停止がいつまで続くかは
明確にされていませんが、仮に混乱が収まり
取引が再開された時に、保有していたビットコインの
データが無事に新しい「元帳」に引き継がれて
いた場合にはその引出の依頼には可能な限り
応じる予定だとアナウンスされていますけれども、
一方で、コインの売買を継続しない可能性も
残されることには留意してほしいともされています。

損を承知で、いま現在保有しているビットコインを
円などの法定通貨もしくは他の仮想通貨に換えるか、
それともリスクを承知でそのまま保持し続けるか、
そこの判断は自己責任ということになりますが、
難しい判断を迫られることになっていますね。

ただ、私は個人的には、仮想通貨事業者協会の
「顧客資産を可能な限り保護するために」
今回の措置を採ることを選んだという姿勢には、
全面的に賛成であり、支持したいと思っています。

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BTCに関する個人的、感覚的な認識 補足

2017年07月06日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

資金決済法や消費税法の改正など、
ようやく法的な整備が始まったかと
興味深く状況を見させていただいている、
ビットコイン(BTC)を始めとする仮想通貨に
関するあれこれにつき私が理解している内容を
先月、4回に分けてここに採り上げました。

その際に書き漏らしていたことを今回は、
簡単に書いておきたいと思います。

改正資金決済法を受けて消費税法上、
仮想通貨の売買は「支払手段」の譲渡として
消費税及び地方消費税の非課税取引となりました。

その改正を踏まえた上で、ではBTC 等について
会計基準がどうなっているのかというと……

今年4月18日に企業会計基準委員会が発表した
審議事項に関するペーパーを読んだ限りでは、
速やかに基準を作成する必要を認めつつも、
仮想通貨に関しては国際的な会計基準も
まだ存在しないことから継続して検討すべき
課題だという位置付けにとどまっているようです。

一応、この7月か8月には議論の叩き台となるような
公開草案を公表したいとされていましたが、
進捗具合は今、どうなっているのでしょうか。

いずれにしても最終的にはどこかで
きちんとした基準が出るでしょうけれど、
現時点で実務的には、BS上に取得原価で
表示しておくしかないかなという感じで、
相場の変化による損益はこれを売却した時に
認識すればいいのだろう、と思えます。

ここで気になるのが売却時の原価ですが、
ここは有価証券がそうしているように
移動平均法を使って1BTC あたりの単価を
計算するというのが無難な処理でしょう。

BTCにはレバレッジをかけての取引もありますが、
そこは通常のFXや先物の処理に準じて
仕訳を切っておけばいいのではないでしょうか。

期末に時価評価をすべきかどうかについては、
税法上「支払手段」として扱われるのであれば
必要が無いようにも思えますけれども、
市場が存在し、換金することが可能であるという
BTC の性格を考えれば時価評価を
しなければいけないような気もしてきます。

この辺りは、今後、国税庁側がどうしてくるのか、
法人税法や所得税法がどう改正されるのか、
それ次第だというのが正直なところです。

以上、すっかり書き忘れてしまっていた
BTC に関する会計処理の話でした。

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BTCに関する個人的、感覚的な認識 4

2017年06月24日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

資金決済法の改正を受けて、
ビットコイン(BTC)を始めとする
仮想通貨の消費税上の扱いが
「支払手段」として非課税となる旨の
改正が行われたということは、
前回の記事で書かせていただきました。

つまり、世の中は仮想通貨の決済手段としての
特性、有効性に注目して動いているのでしょうか。

ここで、三菱東京UFJ銀行が独自の仮想通貨
MUFGコインの発行を考えているという
ニュースを思い出す人もいるかもしれませんが、
あれはこれとはまた少し事情が違うようなので、
単純に一括りにしてはいけないかもしれません。

さて、そのように決済手段としての側面に
脚光が当たりつつあるように思える BTC ですが、
一方で、今の時点において最も熱いのは、
BTC の価格が非固定で変動幅が大きいことから
生じている投機対象としての側面でしょう。

4月1日施行の資金決済法の改正で
仮想通貨取引所が届出制になったことにより、
国内での BTC 取引の安心性・信頼性が増し、
また、2010年の東京オリンピックに向けて
インバウンドの旅行者を取り込んで行こうとして
BTC での決済ができるようになっていく
会社、店舗も増えて行くだろうと推測できます。

即ち BTC にはこれから大きな成長が
見込まれる、期待されるということです。

そのような分野に資金が流入して行くというのは
経済の動きとしてはまっとうで理解できることであり、
結果として BTC の価格は上昇傾向となって、
それが更なる投機マネーの流入を呼ぶことになる。

しばしば広告やコラム等で仮想通貨を使った
資金運用で大きな利益をなどというような
誘い文句を目にすることがありますけれども、
法律的には「支払手段」ということになったとして、
現実にはまだまだ「投機手段」というような
色合いが濃いのが BTC 等の仮想通貨でしょう。

資金決済法の改正はその傾向を後押しした、
と言ってしまうこともできるかもしれません。

2014年のマウントゴックス社の破綻以来
冷え込んでしまっていた日本での BTC 熱は
昨年くらいからまた再燃していますしね。

そのマウントゴックス事件で損なわれたのは
あくまで仮想通貨取引所への信頼なのであって
BTC の信頼性そのものが損なわれたわけでは
無いと考えれば、改正資金決済法が取引所を
届出制にして規制の網をかけたことによって
同様の問題が発生するリスクが低下したならば、
資金投入を躊躇させる1つの大きな要因が
取り除かれたということにもなりますよね。

そうやって取引市場が活性化していく中で、
仮想通貨というものの持つ可能性に期待して
交換レートの相場が上昇傾向にあるというのは
理解できない話では無いのですけれども、
本質的には仮想通貨は「支払手段」なのだと
いうことを前提にするとしたら現在の投機主体の
状況は望ましいとは言えなさそうですが……

ただ、この動きはいつまでも続きはしない
という見方をしている人も多くいらっしゃいますし、
この辺りは素人の私には何とも言えません。

BTC はそもそもその発行量に上限がありますし、
市場の健全な調整力というものを信じるならば、
価格はやがて適正値といえる一定の水準で
落ち着くようになるはずだということになるでしょう。

それは、おそらく全世界的な意味で。

そうして相場がひとたび安定してしまえば BTC の
投資・投機対象としての魅力は低下するでしょうし、
平行して決済方法としての利用が増えれば、
そこで初めて BTC は「支払手段」になったのだと
言えるのではないかというのが、私の感じていること。


以上、BTC を始めとする仮想通貨について
現時点で私が思っていること感じていること等を
4回に分けて書いてきたわけですけれども、
なにぶん自分の中でまとまっていないところも多く、
内容には、未整理で意味の分かりにくい
箇所もいくつもあったかもしれません。

その反省もありつつ、この仮想通貨に関する問題は
今後も興味を持って色々と調べる予定なので、
何かお知らせしたいこと、説明したいことがあれば、
随時、このブログに書いて行きたいと思っています。

最後に、過去3回分のエントリーへのリンクを
参考までにということで下に貼っておきます。

BTCに関する個人的、感覚的な認識 1

BTCに関する個人的、感覚的な認識 2

BTCに関する個人的、感覚的な認識 3


ただ、以前にも書いたように、これ等はあくまでも
金融的なこと、投機関係のことを専門としない
門外漢な私が自分の知識内で思った、感じたことを
書いてみた文章ですので、その内容には
誤りが含まれている可能性が否定できません。

気になったところは、より専門性の高いサイト等で
確認をしていただけますことをお願いいたします。

それを踏まえてお読みいただければ、幸いです。

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BTCに関する個人的、感覚的な認識 3

2017年06月16日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

これまでここここの2回に分けて
ビットコイン(BTC)の大きな特徴として
もっぱら語られている3つの項目、
中央管理者が不存在であること、
決済時の手数料が格安(無料)なこと、
発行上限枚数が決められていること、
を簡単に説明してきました。

もちろん、あの短い文章だけでBTCについて
しっかりとした説明ができたとは言いませんが、
システム的なことをいつまでも書いていても
仕方がないので、話を進めたいと思います。

会計や税法での BTC の扱いを考えるには、
そもそも BTC がどのようなものだと
分類されるのかが問題となってきます。

BTC については「通貨」であるという説に始まり、
「自由通貨」だったり「有価証券」だったり、
「銀行預金相当」という考え方もあって
どれが正解ということがはっきりと言いかねる
というのが正直なところではあるのですが……

ここで1つ大きなヒントになるであろうと思えるのが、
今年の7月1日以後に行われる取引から
適用される消費税法の改正内容になるでしょう。

従来の仮想通貨の売買は消費税の課税対象、
つまり消費税のかかる取引とされていましたから、
そこから想像するに、課税当局側としては
BTC を始めとする仮想通貨は価値ある資産であり
「通貨」や「銀行預金」と同様の課税対象外取引では
無いと考えていたということになります。

それが、7月1日からは非課税の扱いに変わるのです。

消費税法における非課税取引については
2012年の2月にこのブログでも説明していますが、
① 「国内において」
② 「事業者が事業として」
③ 「対価を得て」
④ 「行われた資産の譲渡等」

という4要件に該当するものは消費税が課税され、
社会福祉政策的な目的や、そもそもの消費税の
考え方に合わないからという理由で限定的に
非課税となる項目が挙げられる構造になっています。

その限定列挙項目のうち、では BTC は一体
どれに該当するのだと言えるのでしょうか。

これはそれぞれの項目を検討して行くだけでも
幾つかのパターンが思いつくわけですけれども、
昨年12月(今年の4月施行)の資金決済法の改正で
仮想通貨は支払い手段の1つであるとなったことを
考えて行くと、正解はどうなんだろうな、と思うわけです。

そこで、財務省のHP を調べてみました。

今年の3月31日に公布された政令のうち、
「消費税法施行令の一部を改正する政令」
これに該当することになりますね。

その「要綱」と「新旧対照表」へのリンクを貼ります。

要綱 (PDF

新旧対照表 (PDF


このうちの要綱を読んでみると、今回の改正が
「資金決済に関する法律」(資金決済法)の改正を
受けて行われたことがはっきりと書いてあります。

ちなみに、G7各国で仮想通貨に消費税を
課しているのが日本だけであるということも
改正の背景にはあるのではないかという話も
数ヶ所で書かれているのを見たのですけれど、
ここについては、まだ裏は取っていないので
そこの判断は保留とさせていただいておきます。

さて、ここで注目すべきなのは、改正後の施行令で
仮想通貨に関する規定が挿入された箇所が
「支払手段その他これに類するもの」であるということ。

やはり、「支払手段」 という扱いなのですね。

まあ、今回の改正に至る流れから考えても、
それが一番無理のないところだと言えるでしょう。

これはあくまでも消費税法上の規程ですけれども、
今後、これが例えば法人税法や所得税法、
相続税法などにも影響を及ぼしていくだろうな、
というのは想像に難くないところです。

例えば法人の事業年度終了の時点において
時価評価をするべきなのかどうかという疑問。

そして、そもそも複数存在している取引所が
それぞれの価格設定をしている仮想通貨の
「時価」 はどう求めるべきなのかという疑問。

後者については、相続や贈与が発生した時の
財産評価をどうすべきかということにも通じます。

今後の法改正の動向に注目せねばなりません。

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BTCに関する個人的、感覚的な認識 2

2017年06月10日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

ビットコイン(BTC)の特徴に
発行、管理している事業者が
存在していないということを
先日に書きましたけれども、
補足して説明するならばそれは、
特定のサーバーやサイトが運営主体と
なっているわけではないということです。

では、BTCで行われた取引は一体全体
どこにどうやって管理・記録されるのか。

ここで使われるのが、データベースを
ネット上で分散処理するシステムである
ブロックチェーンと呼ばれる技術です。

細かいことはさておき単純化して言うと、
これは、遡及的な改変ができない記録を
時系列順に積み重ねていくというもので
改竄が困難で安全性が高いとされています。

言い換えれば、2者間で行われた BTC に関する
全ての取引を検証可能な形で記録する「元帳」です。

「元帳」という表現が分かりにくいかもしれないので
敢えて誤解を恐れずに言い換えるとしたならば、
「小遣い帳」的なものと思ってもいいかもしれません。

そしてこのネット上でオープンにされている
元帳こそがつまりBTCの管理台帳で、
ここに、どのアカウントがいくらのBTCを所有し、
いつ、どこからどこにBTCが移転されたかが
随時記録されていくというわけです。

全世界のネット端末が一斉にダウンして
そのデータが致命的に破損でもしない限りは、
BTC も、そのブロックチェーンも、失われない、
ということだと私は解釈していますが、
その認識は大筋間違っていない、はず。

なお、ここでのアカウントの所有者に関しては
秘密鍵によって暗号化されていますので、
その「元帳」がオープンにされているからといって
個人情報の特定などはできないとされています。

逆にオープンにされていることは改竄などの
不正行為が行いにくいことを意味しますから、
むしろ BTC の安全性にプラスであると言えます。


さて、BTC については、送金時の手数料について、
格安であるとか無料であるとか言われています。

この辺はきちんと説明しようとすると長くなりますし、
ちょっとややこしい話にもなってしまうので
ここでは割愛させていただくことにします。

BTC を使った送金の手数料をいくらに設定するかは、
実は完全に個人の任意となっているのですが、
簡単に言えば、手数料の多い取引から優先して
承認されていくのが通常なので、これを無料にすると
実際の送金が行われるまでに日数がかかることが多い、
ということだけ認識していただけば、いいと思います。

改正資金決済法に定められた登録をおこなった
仮想通貨取引所(交換所)においては、
最初から最低送金手数料を設定しているところも
多いようですが、これは取引所の取り分もあるでしょう。


BTC の特徴として、ここまでの2つに加えてもう1つ、
そのコインの量に最初から上限が2,100万枚と
定められているということが、挙げられます。

計算上は2140年ごろに上限に達するようですが、
特定の者が任意に、恣意的に流通量を調整できない、
つまり相場の操作、介入をすることができない
ということは、中央銀行などの発行する法定通貨との
かなり大きな違いであると言っていいでしょう。


以上、非常にざっくりとしたものではありますけれども、
2回に分けて BTC についてよく言われている
3つの大きな特徴について書いてみました。

次回以降は、BTC と会計や税法について
ちょっとだけ考えてみたいと思います。

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BTCに関する個人的、感覚的な認識 1

2017年06月02日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

先月末に、改正資金決済法の施行を
受ける形でLCCのピーチがその決済に
ビットコイン(以下、BTC)を全面導入する
という話をこのブログに書いたことがあります。

その際に私は、仮想通貨、特にその資金流入量の
約9割近くをも占有しているBTCについて、
その特徴などを書くことは専門家では無いので
避けておきたい旨を書いたのですけれども、
それでも説明をしてほしいという声がありましたので、
私の知っている範囲で、簡単に書いてみることにします。

ただし、予防線を張るようで申し訳ありませんが、
あくまでも金融的なこと、投機関係のことを専門としない
門外漢が自分の知識内で書くことに過ぎませんので、
今回の記述内容には誤りが含まれる可能性があります。

ここを読んで興味を持ったという人は、
より詳しく丁寧に、かつ正確な解説をしている
専門家のサイト等を参照してください。

また、記載内容にある誤りを発見された場合は、
コメント等で教えていただけましたら助かります。

まず、BTCというものの持つ大きな特徴としては、
先にも書いたように、中央銀行などが発行している
通常の通貨ではない存在だというだけではなく、
発行などを管理をしている特定の者が
もともと存在しない、ということがあります。

そもそも2008年にネット上に発表した論文で
BTCの基礎概念を提唱しその開発をした
サトシ・ナカモトという人物の正体も謎であり、
本名では無くて偽名であろうと言われていますし、
この人こそがナカモトだろうと言われた人物や、
近年では自分こそがナカモトであると名乗り出た人も
いるのですけれども、未だ確定的ではないようです。

BTC の誕生に一番寄与したのは誰かと言われれば
このナカモトなる人物だということになるでしょうが、
彼もあくまで提唱者であり初期開発者の1人なだけで
実際の管理に責任を負っているわけではありません。

そしてまた、BTC は現実のマテリアルとしての
貨幣や紙幣を持たないデータだけの存在なので、
実際に手に取って確認できるようなものである、
というような裏付けも持っていないことになります。

ナカモトの提唱した内容に従って開発され
運用が始められることとなったBTCは、
言ってみれば、その運用や利用に関わっている
多くの人々がネット上で共有している価値観、
とでも言うべきものだというのが私が現時点で
感覚的に思っていることになります。

その価値観を共有する人の絶対数が増えれば、
それだけ BTC に対する価値の裏付けが増え、
その所有や利用に対するリスクが軽減する。

BTC とはそういう存在だという私のこの認識が
即ち正解だということでは決して無くて、
あくまでも個人的、私的な印象論ですから、
ここは、色々と人によって異論があるでしょう。

ただし、BTC についてはそこに係る人の全員が
その価値を信じそれを共有しているからこそ
取引が成り立つということは、疑いはないと思えます。

その価値認識が、決済手段としてのBTCなのか
投資・投機対象としてのBTCなのかというのは、
まだまだ現在は後者の方がほとんどであって、
その意味では「仮想通貨」というよりは
株式やデリバティブ商品に投資をするのと
類似のものであるというようにも言えるでしょう。

ならば BTC は「共有された価値観」というよりは、
むしろ「価値のある情報」という資産なのだと
いう解釈も成り立ちますし、実際、そういう説を
支持されている方も多くいらっしゃるようです。

この、BTC とはそもそもどういうものなのか、
という論点は、その課税上の取扱いを
考える際にも重要になってくることになります。

ちょっと文章が長くなってしまったので、
その他の BTC の持つ特徴その他の話は
また日を改めて書かせていただくことにして、
今回は、ここで終わりとさせていただきます。

カテゴリ : 税金・税法
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

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