三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 税金・税法

G20で気になったこと

2018年04月07日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

アルゼンチンのブエノスアイレスで
先月の半ばに開催されていた
G20財務相・中央銀行総裁会議では
幾つか面白い議論が行われました。

例えばその1つが、仮想通貨の取扱い。

発表された共同声明では仮想通貨が
マネーロンダリングなどの手段として
使われていることへの危惧が示されて、
交換業者への免許・登録制の導入や
顧客の本人確認の徹底が進められることに
なったようなのですけれども、それは既に
日本では行われていることですよね。

取引業者の免許・登録制は現時点ではまだ
全てが完了しているわけではありませんが、
日本の仮想通貨市場管理体制は実は
かなり進んでいるとも言われていることを
改めて思い出すことになったニュースでした。

なお、それでもコインチェックのような問題が
起きてしまうのは仮想通貨の性質故の事で、
だからこそG20でも仮想「通貨」ではなく
「暗号資産」であるとされたわけです。

つまり決済手段としての「通貨」ではなくて、
少なくとも現段階では「価値のある情報」という
取扱いをすると決まったことになるでしょうか。

仮想通貨に係る税法はまだまだこれから
整備されて行かなければならないわけですが、
今回のG20の共同声明がそこに与える影響は
大きいのではなかろうかと思われます。

もう1つ、今回のG20で目についたのが、
ネット通販等の電子商取引(EC)への課税。

これまでは恒久的施設の所在地でなければ
その国でどれだけ売上を稼いでいようとも
課税することはできなかったわけですけれども、
今後は、恒久的施設の有無に係わらず、
売上の発生した国ごとに課税できるように
新たなるルールを設ける予定とのことです。

海外サーバーからのデータダウンロード等が
これに該当することになるでしょうけれども、
こちらも先の展開を注視しなければなりません。

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仮想通貨による給与等支払

2018年03月10日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

昨年末あたりに、給与の一部を現金ではなくて
仮想通貨にて支払う制度を導入することにした
企業のことがニュースになっていましたよね。

例えば、仮想通貨取引所のザイフを運営している
テックビューロ㈱ や、IT関係の大手企業である
GMOインターネット㈱ などがそれなのですが、
仮想通貨の現状、投機対象になっているだけで
本来あるべき支払手段としての色合いはまだまだ
ほとんど感じられないというような様子を見るに、
今の段階でこれは随分と思い切ったなと感じます。

労働基準法第24条第1項は賃金の支払について
全額が通貨によらなければならないとしていますが、
労使の合意その他一定の要件を満たす場合には
通貨以外の、いわゆる現物給与の形式でも
これを認めるということにはなっています。

仮想通貨という名前には「通貨」という言葉が
入っていますが、これが本来の意味での「通貨」には
該当しないというのは皆さんご存知の通りです。

この件について書いた2月5日の『税務通信』記事によると
仮想通貨で賃金を支払う GMOインターネット㈱ は、
「ビットコインによる支払いに本人の同意を得ていることと、
ビットコインによる支払額を給与から控除し、
その控除分をビットコインの購入に充てていること、
といったことを理由として、法的な問題はないと説明」
しているということらしいのですけれど……

労働基準法について語るのはプロではないので
ここではやめておくことにしますけれども、
うーん、それって、もらう側にすればどうなんでしょうね。

ちなみに、賃金の一部を仮想通貨で支払った場合、
あるいはデザイン料や原稿料などを支払った場合にも
これを支払う側には源泉徴収義務がありますので、
源泉税を控除した残額を支払わなければなりません。

ただ、仮想通貨は24時間絶えず相場が動くので、
源泉税を算出するにあたっては、一体全体、
いつの時点のレートを採用すればいいのかという
問題がここで発生することになるわけですけれど、
これについては、給与や報酬の確定日における
市場の取引化価額などから合理的に算出した額を
使うことになるのではないかと記事は書いていました。

「合理的」 といえば聞こえはいいですけれど
実際にはどのレートを検査員に使うべきなのか、
取引所によって価格も異なるわけですし、
この辺りはまだまだ詰めていかねばならないでしょう。

受け取った仮想通貨の、相場変動に係る所得計算に
ついては12月13日のエントリをご参照ください。

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国税局の電商チーム

2018年02月09日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

一般の方ではご存じでない人も
多いかもしれませんけれども
平成13年から全国の国税局には
電子商取引専門調査チーム(電商チーム)が
設置されていて、電子商取引に関する
情報収集や調査を行っています。

これについて、5日発行の『税務通信』に
記事が載っていたのでその内容を紹介します。

彼等が情報収集と調査の対象とするのは
電子商取引事業者等となっていて、
「電子商取引」と言葉にするとわずか5文字ですが、
この概念の含む範囲はかなり広いですよね。

オンライン書店や動画配信等いわゆるECサイトが
まっさきに頭に浮かんでくると思いますけれども、
そういう法人が行うようなものだけではありません。

個人で行う取引では例えばヤフオクやメルカリ等の
ネットオークションやフリマでの物品販売での利益や
アフィリエイトによる収入とか、LINEスタンプの販売、
最近話題になっているところでは仮想通貨の売買も
ここでいう「電子商取引」の範疇に入ってきます。

個人が得たフリマや仮想通貨売却益その他については
確定申告をしなければならないことになっていますが、
まもなく始まる申告期間中にどれだけの人が
しっかりと申告書を提出するかは不明です。

ただ、どうせ税務署は把握などできないさと
高を括って申告をしないままに済ませていると、
この電商チームが行うかもしれない実施調査で
それなりの所得を得てるのにもかかわらず
無申告であることを把握され決定処分が行われ、
本税だけでは済まずに、かない高い利率の
無申告加算税等も課される可能性があります。

この情報収集にあたって国税庁は第三者からの
情報提供を依頼することができるのですが、
これは任意で行われるものとはいえ、
例えば国税局から直接情報提供を依頼されて
どれだけの事業者それを拒否するか考えると……

アフィリエイト業者、オークション運営業者、
仮想通貨取引所やプロバイダといったところから
自分の行った取引の情報が提供されるとしたら。

国税庁は気付くまいと安易に考えているのは
非常に危険なことではないかと思いますよね。

もっともそういうことを真剣に考えて初めて
「これは確定申告をしなければいけないのでは」
と思うのはそもそもが心得違いというものであり、
基本的に、個人でやったことでも取引で利益が出たら
所得として申告をしなければならないというのが
基本だというのが租税の基本とお考え下さい。

例外がないわけではありませんけれども、
大原則は 「利益課税」 ということです。

昨年中に申告が必要となりそうな利益を得た方、
そして自分がそのような利益を得ているのかどうか
はっきりと理解していない(把握していない)ような方、
できれば早めに税務署もしくは専門家にご相談を
されることを強くお勧めさせていただきます。

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配偶者の居住に係る民法改正案

2018年01月22日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

先週のことになるのですが、ネットのニュースで
法相の諮問機関の法制審議会部会が取りまとめた
相続税法見直しに係る民法改正案を受けて、
今日から始まる通常国会で審議することを
法務省が方針として固めたという記事を見ました。

具体的には相続が発生した場合において
死亡した被相続人の配偶者が相続の発生時に
居住していた建物にそのまま住み続けることができる
「配偶者居住権」の新設をしようということのよう。

配偶者居住権は譲渡や売買ができるものではなく、
原則、その配偶者が亡くなるまで行使することができ、
平均余命などを基に算出されることで、高齢であるほど
評価が安くなることが想定されているそうです。

この居住権による土地建物の評価額は
現行の財産評価基本通達による評価よりも安く、
例えば法定相続分による遺産分割を行う場合に
配偶者が現住土地建物以外にも現金などの財産に
より多くの取り分を得ることができることが期待されます。

要は、残された配偶者の生活の維持が目的ですね。

配偶者への相続については既に様々な優遇が
相続税法でなされているのですけれども、
それだけでは不十分なところがあるというように
法制審議会と法相は判断したということなのでしょう。

その他にも、婚姻期間20年以上の夫婦の場合に
居住用不動産の生前贈与が行われていれば
その不動産は原則として遺産分割の計算対象にしない、
相続人以外の被相続人の親族(相続人の妻など)が
被相続人の介護をしていたよなケースにおいては
一定の要件を満たせば相続人に金銭の要求が
できるようにする、などの改正案が挙げられていました。

民法は、時効や敷金関係等で120年ぶりといわれる
大改正が行われたばかりですけれども、
相続分野での大幅見直しも40年ぶりだとのこと。

民法が認めることになる配偶者居住権と
相続税法の小規模宅地等の関係がどうなるか、
など、この記事だけだと分からないことも多くて、
その辺りは今後、注視する必要がありそうですね。

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相続税評価額の算出方法 その6

2018年01月10日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今回は、以前予告したとおりに、
非上場株式の相続税評価の
方法を説明したいと思います。

細かい計算方法を書こうと思えば書けますが、
それをやりだすとやみくもに長くなりますし、
読んでいて面白くないと思いますので、
概要を書くにとどめておくことをお許しください。

まず、非上場株式の評価方法には
大きく2つあるということを説明します。

「原則的評価方法」「特例的評価方法」です。


「原則的評価方法」はその名の通りに
原則的に用いられる方法であり、
会社の規模等によって更に3つの方法、
「純資産価額方式」「類似業種批准方式」
「併用方式」のいずれかを用います。

株式の価値として一般に言われている
「総資産額」から「総負債額」を差し引いた
残りの金額である「純資産の部」の金額を
発行済み株式総数で割った金額が
その会社の株式の価値であるという考えは、
このうちの「純資産価額方式」にあたります。

「類似業種批准方式」は評価対象の会社と
同じ種類の事業を営んでいる上場会社の
株価、配当金額、利益金額などの要素を
使って非上場会社の株価を求める方法。

「併用方式」は上記2つで算出される価額を
一定の比率で合算する方法になります。


「特例的評価方式」は原則的な方法が
適用されない株主に使われる計算方法であり、
評価対象となった会社が行う株主配当の額を
基にした「配当還元方式」で株価を算出します。


では、上記2つの評価方式のうちのどちらが
適用されるかの判定はどう行うのでしょうか。

ここも細かく説明しだすと長くなるのですが、
おおざっぱに、「同族株主等」であれば原則、
「同族株主等以外」であれば特例を用います。

前者は会社の支配を目的として株を保有する株主、
後者は支配できるほどの持株比率の無い株主です。

支配目的であれば、その株式の評価額は当然、
会社本来の価値を示すものを用いるべきですから、
原則的な方式を使って算出することになります。

一方、支配権を有さない株主がその株式を
保有する目的が何かを考えてみると、
実際は「つきあい」その他、色々な事情が絡んで
保有せざるを得ない状況になっていたりもしますが、
財産評価上はざっくりと「配当の支払を受ける為」に
保有しているものと判断されて特例的方法、
即ち「配当還元方式」を使って算出されます。


これ以外にも、開業3年以内の会社である場合や
総資産のうちに土地等が占める割合の高い場合など
一定の要件に該当する場合には特別な計算式を用いて
株式の評価額を算出することが規定されています。


自分が「同族株主等」に該当するか否か、
どの種類の評価方法が適用されることになるのか、
保有株式の評価額がいくらになるのかといったことは、
できればプロにご相談いただいた方がいいでしょう。

当事務所でも相続関係のご相談は可能なので、
どうぞお気軽にご連絡、ご相談ください。

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仮想通貨と所得計算

2017年12月13日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

来年の話をすると鬼が笑うと言いますが、
さすがにこの時期になっていれば
鬼が笑うことも無いのではないでしょうか。

さて、そんな2017年12月の頭に国税庁が
ビットコイン等の仮想通貨の売却・使用に関する
差損益などの計算方法を具体的に取りまとめた
「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」
という Q&A集 を公開したことが話題になっていました。

明らかに、確定申告の時期が近付いたことを
念頭に置いての発表だろうなと思われますね。

ビットコインについてはここでも数度にわたり
解説をしていて、私も大いに興味があるのですが、
年末で時間も確保できず、この Q&A について
詳しく解説をする余裕が無くて申し訳ありません。

とりあえず今回は、その概要を書きたいと思います。

<仮想通貨の売却>
自身の持つ仮想通貨を売却(日本円に換金)したら、
その取得価額と売却額の差が所得となります。

<仮想通貨を使った商品購入>
購入した商品の価額と支払いに使った仮想通貨の
取得価額との差額が所得金額となります。

<他の仮想通貨の購入>
購入した時点での、その購入した仮想通貨の時価と、
支払った仮想通貨の取得価額との差額が所得金額です。

<仮想通貨の取得価額>
仮想通貨の種類ごとに、購入時の時価(日本円換算)を
使って移動平均法により算出するのが原則ですが、
継続適用を要件として、総平均法の利用も可能です。

<仮想通貨の分裂・分岐>
分裂・分岐時には、新たな仮想通貨に取引相場がなく
つまり経済的価値が存在していなかったということで、
取得の時点での所得の認識は行われません。
これを売却等した場合に所得が生じますが、
この場合の取得価額は、0円ということになります。

<所得区分と損益通算>
営んでいる個人事業に関係する経済行為で発生して
事業所得として判断される場合を除いて、
雑所得として取扱われることになり、生じた損失を
他の所得と通算(相殺)することはできません。

<マイニングによる所得>
マイニングにより取得した時点での仮想通貨の時価から
要した費用を差し引いた残額が所得金額となります。
この場合、取得した仮想通貨については取得時の時価が
その取得価額となって移動平均計算の対象となります。

<仮想通貨の証拠金取引>
現在の制度上、申告分離課税制度は適用されないので
総合課税として確定申告を行う必要があります。


仮想通貨についての現時点での税法上の取扱いは
この Q&A の発表で一定部分明らかになりましたが、
では、会計上の取扱いはどうなっているのでしょうか。

企業会計基準委員会は、12月6日付で仮想通貨に関する
会計基準の当面の素案を公表、平成30円2月6日まで
意見・コメントを募集(原則、電子メール)しています。

こちらは、私もまだ読めていないのですが……

「実務対応報告公開草案第53号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」

「コメントの募集及び公開草案の概要」

ざっと見た感じ法人が所有する仮想通貨について
期末時点で時価評価を求めているのが目につきます。

年始にかけて熟読したいと思います。

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相続税評価額の算出方法 その5

2017年12月07日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

相続税・贈与税の計算における
財産評価の方法(=評価額)について
これまでに現預金と不動産の計算方法を
簡単に説明してきましたけれども、
今回は有価証券、特に株式に係る
評価方法の説明をしたいと思います。

まず、株式を大きく2つに分類します。

上場株式(公開株式)と非上場株式であり、
それぞれに評価方法が異なります。

この内、前者の上場株式については
おそらく私が改めて説明するまでもなく
どういう評価方法をするのかは
お分かりいただけると思います。

そう、基本的には、相続人が亡くなった日の
(贈与の場合は贈与が行われた日の)
市場における終値が評価額となるのです。

仮にその日が休日等だったような場合は
取引が行われていないことになりますので、
最も近い日の終値で評価することになり、
例えば、その日が土曜なら前日金曜、
日曜ならば翌日の月曜、3連休の中日等なら
連休前日と連休翌日の2日分の終値を
平均した金額を以て評価を行います。

先に私は「基本的に」と書きましたが、
そこには当然そう書いた理由があります。

上記の方法で求めた終値が以下の3つの内
一番低い金額よりも高い場合には
その低い金額を使うという規定があるのです。

1) 課税月の終値の平均額
2) 課税月の前月の終値の平均額
3) 課税時期の前々月の終値の平均額

言い換えるなら、4つの金額の中で
一番低い金額と言ってもいいでしょう。

なお、評価対象となる株式に権利落などの
事情がある場合には評価額に一定の修正を
加えることになっていますが、話が複雑に
なってしまうのでここでは割愛させていただきます。

これが、上場株式に関する原則的評価方法です。


少し短めのエントリになりましたが、今回は、
切りが良いのでここで終わりにしたいと思います。

年末年始で仕事が何かと立て込んでいますから、
こういう真面目な話を書いているような余裕が
なかなか無いのですが、次回は、なるべく早めに
非上場株式の評価の話をさせていただきます。

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相続税評価額の算出方法 その4

2017年11月15日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

前回の 「その3」 において簡単ながら、
相続税と贈与税における 「宅地」 の
評価方法の基本を説明しましたが、
今回は、そんな 「宅地」 の中の一部に
摘要される特例の話をしたいと思います。

正式名称は租税特別措置法第69条の4、
「小規模宅地等についての相続税の
課税価格の計算の特例」というものです。

一般に、「小規模宅地の特例」とか「小規模」と
省略されて呼ばれることも多いこの特例は、
特定の用途に供されている 「宅地」 については
一定の要件を満たすならば、一定の面積まで
その評価額の減額を認めるのが、その内容。

その要件について説明をしようとすると
それだけで3回はエントリを使わなければ
ならないくらいの量になってしまいますので、
申し訳ないながらそこは割愛するとして……

ここで言うところの 「小規模宅地等」 については、
以下に掲げる4つの種類となります。

① 「特定居住用宅地等」
② 「特定事業用宅地等」
③ 「貸付事業用宅地等」
④ 「特定同族会社事業用宅地等」


その名前で何となく分かるかもしれませんが、
要は被相続人の遺族の生活の維持などを
目的として、被相続人が居住していた宅地や
その事業のように供していた宅地については、
後を引き継ぐ人が取得している場合に
相続税の評価額が減額されるのです。

ちなみにその減額幅は限度面積の範囲内で、
①、②、④ が80%、③が50%となっています。

つまり、例えば前回の「その3」で説明した方法で
路線価から計算した評価額が5,000万円の
宅地が ① の「特定居住用宅地等」に該当して、
かつ限度面積の範囲内であった場合には、
相続税計算上の評価額は以下のようになるのです。

5,000万円×(1-80%)=1,000万円

この差は、大きいですよね。

仮に同じ土地に賃貸アパートを建てて
家賃収入を立てているような場合は、
「貸付事業用宅地等」に該当しますので、
その評価額は次の金額です。

5,000万円×(1-50%)=2,500万円

これでも、2,500万円も評価額が下がるので
相続税額もかなり下がるだろうということが、
お分かりいただけるのではないでしょうか。

相続財産に「宅地」があるような場合には、
この「小規模」の適用ができるかどうか、
適用対象となる「宅地」が複数ある時には、
限度面積の規定が存在しているのでその全てに
「小規模」を摘要することが不可能であれば、
どの「宅地」をどのように選択するのかが
税額を低く抑える為には重要となってきます。

なお、この特例について、私が割愛した詳細を
知りたいという人は、ひとまず、国税庁HP
下記のページをご覧になってみてください。

タックスアンサー No.4124

ただ、ケースによっては結構複雑な計算を
要することもあるので、相続税の対策を考える、
あるいは相続が発生したというような場合は必ず、
当事務所他、専門家へのご相談をお勧めします。


なお、確か6月の頭頃だったと思うのですが、
富裕層の地主を相手にして相続税対策の為に
地方銀行や信用金庫がアパートローンを融資して、
更地に賃貸住宅を建てるという動きが過熱気味に
なってしまっているというニュースを見ました。

その結果、各地に入居者のまるで入らない
賃貸物件が増えてきているのだそうです。

借金をして不採算物件を手に入れたようなもので、
設定した家賃の引き下げを余儀なくされたり、
当初見込んだ家賃収入と資金運用が達成できず
結局その物件を損を覚悟で処分したり、
それでも借金額に足りない分は他の資産を
売却して穴埋めをせざるを得なくなったり、
といったようなケースも発生しているのだとか。

金融機関側にすれば、例えローン返済が
焦げ付いてしまったとしても土地が担保だったり、
上記のように他の資産を持っていたりするので、
不良債権化する恐れが少ないようなのですが……

それって、倫理的にはどうなんでしょうね。

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相続税評価額の算出方法 その3

2017年10月30日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

前回の「その2」で予告した通り
今回は不動産の中の「宅地」につき、
相続税(贈与税)の評価方法を
簡単に説明したいと思います。

まず、「宅地」の評価には大きく分けて
2種類あるということを知ってください。

少しだけ専門的な言い方をするのであれば
「市街地的形態を形成する地域にある宅地」と
「それ以外の宅地」ということになるのですが、
つまり「市街地の宅地」と、「そうではない宅地」、
ということだと思っていただいてもいいでしょう。


さて、不動産の価格などを考えようとした際に、
皆さんもよく「路線価」という言葉を聞くと思います。

これは前者の「市街地の宅地」を評価する際に
使われるものになるのですけれども、ここで、
これについての国税庁の説明を引用してみましょう。

「路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示しています。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。 」


つまり、それぞれの道ごとに平米あたりの単価が
設定されているので、そこに面している宅地は、
実際の面積にその路線価を乗じることで
その相続税(贈与税)の評価額を算出するのです。

複数の道路に面した土地の場合には一定の基準で
正面となる道路を選択して、その路線価をメインに
側方となった道路や裏面となった道路については
正面の平米単価に補正を加える形で調整しますし、
真四角では無い、特殊な形の不整形地だったり
傾斜地などについても補正が加えられます。

この辺り、細かい数値や計算規定を書きだすと
切りが無いので割愛させていただきますけれど、
使い勝手の良い「宅地」は評価額が高く、
悪い「宅地」はその逆に安くなるとお考えください。


そして、後者の「市街地以外の宅地」では、
そもそもこれ等の土地は「路線価」が
設定されていないような場所なので、
建物の時と同様に「固定資産税評価額」を
その評価額の算出にあたって使用します。

ただし、建物のように常に1を乗じるのではなく、
その住所によってそれぞれ設定されている
別々の倍率を乗じることになりますので、
その点はお間違えの無いようにお願いします。


このように、「宅地」についてはその分類ごとに
「路線価方式」と「倍率方式」の2つの方式の
いずれかを用いて評価額が算出されます。

以上、はなはだ簡単ではありましたが、
宅地の評価方法についての説明でした。

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相続税評価額の算出方法 その2

2017年10月12日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

相続税における財産評価方法、
その第2回となる今回のエントリでは
おそらく皆さんの興味も大きいだろう
土地や建物の不動産関係について
採り上げようと思います。

まず財産評価が簡単な建物から。

相続税・贈与税の計算上、建物については、
以下の算式でその評価額を算出します。

「固定資産税評価額×1」

「固定資産税評価額」は、大体4月~5月に物件所在の
各自治体から納付書などと共に郵送されてくる
「固定資産税課税明細書」に記載されているのですが、
ここで注意していただきたいのは、同明細書に記載の
「固定資産税課税標準額」と混同をしないこと。

後者は、軽減対象部分の計算が加味されている為、
財産としての建物そのものの価値を示す
「固定資産税評価額」とは異なってくるのです。

なお明細書が見当たらない場合は、
役場で固定資産台帳を閲覧するか
「固定資産評価証明書」を取得することで
評価額を知ることはできます。

貸家の場合はこの評価額に一定の
調整を加えてその金額を減額させるなど、
その他、細かいことを言うと色々とありますが、
とりあえず建物については上記の式が
用いられるということを覚えておいてください。


続いて、土地です。

登記上は、土地の使用状況すなわち地目は
23種ありますが、相続税・贈与税の財産評価では
これを「宅地」「農地」「山林」「原野」「牧場」「池沼」
「鉱泉地」「雑種地」の8種に分類しています。

その上で、それぞれにそれぞれの計算方法を規定、
それを使って算出した金額を相続税・贈与税の
課税価格として用いることになるわけです。

この内、皆さんが一番興味があるのは「宅地」でしょう。

1つ1つを細かく説明して行っても仕方がないですし、
このブログでは今後、「宅地」についての評価方法を
書いて行きたいと思っているのですけれども、
それを書きだすとかなり長くなってしまうでしょうから、
ちょっと短いのですけれども今回のエントリは
この辺りで終わりとさせていただこうと思います。

次回「相続税評価額の算出方法 その3」では、
「宅地」の評価方法をざっと説明いたします。

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吉祥寺にある税理士事務所。私の勤務先です。

(別サイト)

上記勤務先の、新規起業者向けの特別サイトです。



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