三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 税金・税法
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法人は、期末時価評価

2020年02月07日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

以前に、改正により仮想通貨の
法定評価方法が総平均法になった、
ということを紹介しましたけれども、
今回は法人の改正をご紹介します。

といっても、話はそんなに難しくありません。

ごく簡潔に要約して言うならば、仮想通貨でも
売買目的有価証券等と同じように期末時点で
時価評価をして差損益を認識することが
法人については必須になったのです。

ただし、ご存じの方も多いことと思いますが
今現在世の中にはとても多くの種類の
仮想通貨が存在してるのが実態です。

その全てにまで時価評価が必要なのか。

例えば非常にマイナーで所有者数もわずかであり
流通量も少ないような仮想通貨の場合にまで
時価評価を求めるというのは、実際問題として
あまりリアリティーのある取扱いとは言えません。

そこで法人税法第61条第2項は期末時点で
時価評価をしなければいけない仮想通貨は
「活発な市場が存在する仮想通貨」であって
「政令で定めるもの」に該当するものに限る
という規定を設けて、この問題を回避しています。

では、ここでいう政令とは何を指すのでしょうか。

それが法人税法施行令第118条の7であり、
ここには、時価評価をする仮想通貨の条件が
次の3つの要件を満たすものと規定されています。

<法人税法施行令第118条第2項>
法第六十一条第二項(短期売買商品等の譲渡損益及び時価評価損益)に規定する政令で定めるものは、内国法人が有する仮想通貨のうち次に掲げる要件の全てに該当するものとする。
一 継続的に売買の価格(他の仮想通貨との交換の比率(次条第四号において「交換比率」という。)を含む。以下この条及び次条第三号において「売買価格等」という。)の公表がされ、かつ、その公表がされる売買価格等がその仮想通貨の売買の価格又は交換の比率の決定に重要な影響を与えているものであること。
二 継続的に前号の売買価格等の公表がされるために十分な数量及び頻度で取引が行われていること。
三 次に掲げる要件のいずれかに該当すること。
イ 第一号の売買価格等の公表が当該内国法人以外の者によりされていること。
ロ 前号の取引が主として当該内国法人により自己の計算において行われた取引でないこと。


ビットコインやイーサリアム等、メジャーなものが
該当すると考えておけばひとまず間違いでは
無いと思いますけれども、分かりにくいですよね。

bitFlyer 等の大手取引所が扱っているかどうかが
判断の目安になるかなと個人的には思っています。

次の問題として、時価評価をしなければならない
仮想通貨を期末に保有している場合において、
では、一体どこから時価を引っ張ってくるのか、
どう規定されているのかということがあります。

これを規定するのは、法人税法施行令118条の8。

ちょっと長い条文なので引用は割愛しますけれど、
要は、公表されている価格を用いるのが基本です。

とはいえ、仮想通貨というものは各取引所ごとに
異なる単価が使われているのが実情であって、
ここに海外の取引所も含めると、その差額は
案外と馬鹿に出来ないものとなってきます。

自分が保有する仮想通貨をどこかの取引所に
預け入れているというような場合には、
その取引所が公表している価格を使えば
いいのでしょうけれども、売買には取引所を
使っているけれども保有する仮想通貨を
預け入れたりはしていない、つまり、
自分のPCやスマホにウォレットを作って
そこで仮想通貨を保有しているような場合は、
では、どこから時価を引っ張るべきなのでしょう?

この疑問への回答は、あるいは国税庁HPを
調べまくればどこかにあるかもしれませんが、
現時点でまだ私は確認できていません。

何だか、色々と揉め事の題材になりそうです。

この改正は平成31年4月1日以後に終了する
事業年度、すなわち今年の3月末決算の
法人から適用されることとなっています。

待ったなしの状態なのですが、
実務上の疑問がいっぱいあって、
正直なところ、どうなってしまうのか
不安以外感じないのが実情です。

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令和元年分確定申告の時期がやってきました

2020年01月25日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

気が付けばもう目の前に
令和元年(平成31年分)の
確定申告時期が迫ってきました。

申告書の受付開始は税目によって異なっており、
贈与税については2月3日(月)から、
所得税・個人消費税は2月17日(月)から、
それぞれ始まることとなっております。

国税庁のホームページでは例年通り
確定申告特集ページが開設されていますし、
ネットで申告書を作れる作成コーナーは、
今ではかなり使いやすくなっています。



収入・支出の集計が完了している事業主様や
所得が給与とちょっとした副収入だけでしたら、
その作成コーナーをご利用いただくだけで、
しっかりとした申告書を作成できると思います。

また、完成した申告書はカラープリンターで
印刷したものをそのまま提出することができます。

仕事などもあるから自分は平日に税務署に
提出に行ったりすることはできないという方は、
郵送で提出するという方法もありますので、
そこはご安心ください(当日消印有効)。

ただし、郵送の場合には「控え」を返却してもらう為に、
宛名を記入して切手を貼付済みの
返信用封筒を同封するのをお忘れなく。

税務署の収受印の押された「控え」を手元に置くことは、
先々に税務署から問い合わせが来た場合などにおいて
証拠書類となるものを残しておくという意味からも
非常に重要なことだと言えますから、
「控え」は欠かさずもらうようにしておいてください。

提出受付はまだ始まっていませんが、
確定申告及び収入・支出について疑問点、
確認したいことなどがある場合は、
お早めにお住まいの管轄税務署に
ご質問されるのが良いと思います。

私の勤務先の宮内会計事務所においても、
いつでもご相談を受け付けておりますので、
よろしかったら、お気軽にご連絡ください。

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加算税

2020年01月08日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

毎年、税金関係での事件が何件か報じられます。

一見すると納めるべき税金を納めていなかった
という点で、どれも同じようなものに思えて、
結局の悪意を持った脱税なんだろうと
感じられてしまうものですが、実際にはそれぞれ
事情は異なるので一概に評することはできません。

うっかりミスなのか、国税との見解の相違か、
あるいは本当に悪意ある脱税行為なのか、
その理由はいずれにせよ、本来納めるべきだった
税を期限までに納めなかったことは同じです。

ですので、遅延利息的な意味のある延滞税は
どのような形のものであっても課されます。

また、納付漏れの原因によっては
追加して納める税金に割合を乗じる形で
罰金(ペナルディー)としての性格の有る
加算税が課されることがあります。

財務省HPも加算税を「申告義務が適正に
履行されない場合に課されるもの」であって
「一種の行政制裁的な」ものとしています。

加算税には4つの種類があり、それぞれに
異なる課税要件や割合等の一覧表を、
前述した財務省HPから一部抜粋して
表にしたので、それを下記に貼り付けます。



これ等、「過少申告加算税」、「無申告加算税」、
「不納付加算税」、「重加算税」は同時に
適用されるものではなくて、その要件によって
どれが適用されるか(あるいは不適用か)が
決まっていくものであり、ここには書いていない
注意点その他の事項もありますので、詳しくは
税理士などの専門家にお問い合わせください。

なお、これ等の加算税に延滞税はかかりません。

また延滞税も加算税も会計上の費用にはなっても
税法上の損金にはならないのですけれども、
延滞の利子や罰金までもが、税額計算における
損金に算入されて課税所得を減額させるというのは
普通に考えてもおおかしな話だというのは、
納得していただけるのではないでしょうか。

以上、今回は加算税に関する概要について
かなりざっくりと説明してみましたけれども、
何より大事なのは、加算税が課されるような
状況にはならないということになります。

当然、脱税行為は論外であるとして、
納税予想額も含めた期中の決算予想や
資金繰り計画の作成は重要でしょう。

資金的にどうしても払えないというような
状況はもちろんあるでしょうけれども、
事前に対策をしていれば何とかなった
というような場合にまで、上記のような
高い割合の加算税を支払うことになるのは、
どう考えても避けるべきですよね。

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不動産の相続税評価に関する問題

2019年12月23日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

判決が確定したわけでもないので、現段階では
書かずにおこうと思っていた事件があるのですが、
どうやら一部新聞で報じられたりもしたらしいので
ここで簡単に説明をさせていただくことにします。

以前にもここで書いたように、宅地や建物に関する
相続税・贈与税の評価をする時には基本的に
路線価や固定資産税評価額を用いて算出します。

これは、相続税法にそういう規定があるのではなく、
実は法律ではなく、法令の文言をどう解釈するか、
どう運用するかという国税庁の考えを示した
法令解釈通達の1つである財産評価基本通達で、
どういった資産はどう評価するのかということが
かなり細かく具体的に定められています。

「法律」ではないにせよ、課税する側の国税庁が
評価方法の基準を提示したものであることには
変わりがないので、実務的にはこの通達に従って
財産の評価をするのが通常のこととなっています。

で、冒頭に書いた裁判の話になるのですけれど、
実は今年8月の東京地方裁判所判決で、
財産評価基本通達によって評価を行った不動産の
評価額が税務署により増額された処分を
不服として納税者が起こした訴訟において、
納税者敗訴の判決が出されたのです。

国税庁の主張は、納税者の算出した評価額は
実際の時価とは著しく乖離しているものであり、
相続税の負担を不当に低くするものだというもの。

財産評価基本通達には、こういう時の為に
定められた「第6項」というものが存在します。

<財産評価基本通達 第6項>
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。


今回の事件において国税庁は、この定めを
更正処分の根拠として主張しており、
東京地方裁判所はそれを認めたのです。

なる程、時価よりもずっと低い評価額での
相続税申告を認めてしまっているようでは
「課税の公平」が達成されませんから、
租税正義を達成する為の二本柱の一つ、
租税公平主義が満たされないことになります。

資産家を優遇するような法の運用は
許されないという考え方そのものは、
基本的には正しいと言えるでしょう。

ただ問題になるのは、今回の判決が
今後の相続税・贈与税の実務に対して
及ぼす影響であり、今回の判決を契機に
財産評価基本通達第6項が頻繁に
適用されるようになると課税当局の
恣意性がそこに入ってこないかと
いうことが危惧されることです。

この財産評価基本通達第6項は
「伝家の宝刀」とも呼ばれており、
納税者の行ったあらゆる財産評価を
これ1つで否定して課税当局の
いいように変えられる危険性があります。

納税者側が控訴したので、最終的な結論は
まだ出ていない事件ではあるのですけれど、
最終的な確定判決がどうなるにせよ
地裁でこういう判決が出されたことを考えれば、
財産評価基本通達第6項の適用に関する
明確な基準を設けることは喫緊の課題であり、
通達の見直しも含めて広く議論されるべきです。

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法定評価方法は、総平均法

2019年12月10日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

2019年もあとわずかですから、
うかうかしているとあっという間に
確定申告の時期がやってきます。

来年の話をすると鬼に笑われますけれども、
今回は令和元年の法改正を受けて
2020年2月~3月の確定申告において
特に気を付けるべきと考えられる点を
説明しておきたいと思います。

租税法というのは例年結構な改正があって、
とりわけそれまでに無かった新しい商品や
取引形態が生まれた時にはかなり大きな、
抜本的な改正が行われることがあります。

最近でいうと仮想通貨関係の取り扱いが
これに当たると言えるのではないでしょうか。

仮想通貨は従来の租税法や会計基準の
考え方に馴染まない新しいものであったので、
新たな基準、新たな税法的取り扱いが
ここ数年かけて検討されてきていて、
それが決まるまでは暫定的な取扱いが
されてきていたというのがこれまででした。

しかし、ようやくその状態も解消されて、
令和元年改正で仮想通貨に関する計算も
ようやく定まってきたというとことです。

今回は所得税の流れの話になりますので、
売買などの差損益を算出する為に重要な
原価部分の計算方法が令和元年改正で
2019年分の所得計算から変わったという
ことについて、簡単に説明していきます。

改正前の仮想通貨は、有価証券と同様に
購入等が行われるごとに手持ちのものの
平均を算出していく移動平均法による
評価方法が原則とされていました。

しかし、秒単位で、小数点以下の単位での
取引が行われる仮想通貨に対して
移動平均法の採用は全く現実的ではなく、
あるいは苦労をしてい移動平均で評価を
行った人もいらっしゃるかもしれませんが、
実際には、特例として認められていた
総平均法(年間購入額の平均による評価)で
売買損益などを計算した人がほとんど
だったのではないかと思われます。

その声が課税当局に届いていたのか、
令和元年の改正で仮想通貨に関する
法定評価方法は総平均法に変更されました。

つまり、2019年中に行った取引で生じた
差損益については総平均法で算出した
原価と売却額等を比較することで
計算を行わなければならないのです。

既に移動平均法でここまでの取引を
記録してきているので来年の申告も
できればそのままやりたいという人は、
「所得税の仮想通関評価方法の届出書」
を税務署に提出しなければなりません。

なお、総平均法と移動平均法のどちらを
採用するのかという評価方法の選択は、
仮想通貨の種類ごとに届出ることに
なってて、ビットコインならビットコイン、
イーサリアムならイーサリアム、
リップルならリップルというような感じで、
個別に評価方法を記載することになります。

提出期限や経過措置等の話もありますので、
詳しくは最寄りの税務署か税理士事務所等に
なるべく早めにお問い合わせ、ご質問を
されることを強くお勧めさせていただきます。

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「みなし役員」、ご存じですか

2019年11月25日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

法人が支給する給与は大きく
2つの種類に分類することができ、
それぞれ税法上の取り扱いが
異なっていることはご存じだという
人も多いのではないかと思います。

そう、役員給与(報酬)と、従業員給与です。

どちらも所得税法上の給与所得に該当し、
毎月の支給額から源泉徴収された
所得税を年末調整で清算する形で
税金を納めている点では同じです。

ではこの両者はどのように違うのか。

会社法及び税法上で一番大きな違いは
その支給額の決定権限がどこにあるのか
という点にあると言うことができるでしょう。

従業員に対して支給する給与の金額は
その企業の経営者が判断するものであり、
従業員の働きに応じその企業の内部で、
任意に設定・変更されるものです。

一方、役員に対する給与についても
従業員と同じ様なことを許容してしまうと、
決定権を持つ経営者が自らの給与を
任意に決めるのは、いわゆるお手盛りになり、
税金を逃れるべく利益調整の手段として
自由に増減できることになってしまいます。

役員というのはそもそも、企業の経営を
その持ち主である株主から委託されて
いる存在なわけですから、その給与について
決定権を有するのも当然、株主になります。

つまり、株主が各事業年度ごとに役員への
経営委託の対価を決定するのですが、
その決定の場は当然、株主総会になります。

即ち役員給与が改定されるのは年に1回、
定時株主総会の時と決められており、
税務上も基本的に役員給与の変更は
このタイミングしか認められておらず、
それ以外は1年間ずっと定額であることが
求められます(定期同額給与と言います)。

この定期同額給与については細かい話が
いくつかありますが、今回はそこは割愛。

基本、同額である部分を超える金額を
支給した場合には税務上の損金には
ならないと考えていだければいいでしょう。

従業員給与の増減が企業の任意となっており
原則的な取扱いとしてその支給額の全額が
法人税法上の損金として認められるのとは
その点が大きく異なっているわけです。

ただ、ここで1点、中小企業、特に同族企業で
気をつけておかなければならないものとして、
「みなし役員」という概念が挙げられます。

役員として選任され登記された者でなければ
形式的には役員には該当しないのですけれども、
租税法上、形式的に役員にならないとしても
実質的に役員とみなされるケースがあるのです。

この「みなし役員」に該当した場合、租税法上の
取扱いは形式的な役員と同じになりますから、
その給与も定期同額給与でなければなりません。

つまり、株主総会を経て定められた支給額を
1年間定額で続けることが原則になるのです。

この「みなし役員」に該当する要件なのですが、
大まかに言えば、「顧問、相談役その他これ等に
類するような者(使用人以外の者)で経営に
従事していると認められる者」であったり、
「同族会社の使用人で特定の株主グループに属し
5%超の株式を有している者」が該当します。

後者の「特定の株主グループ」についてはひとまず、
中心的な同族株主グループだと考えていただけば、
大筋では間違っていません(詳しいことは税理士等、
専門家にお尋ねいただくことをお勧めします)。

「みなし役員」の該当を見落としていた結果、
社長の親族の方に支給した賞与の全額が
損金算入を否認された事例というのも
調査事例でわりと聞く話だったりもしますから、
一度、確認を行われてもいいかもしれません。

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食用に供さない場合の会計処理

2019年11月10日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

10月の消費税改正により導入された
軽減税率は食品表示法に定める
食品(酒類を除く)と、定期購読の新聞
(週2回以上発行のものに限り、
電子版は定期契約であっても除く)が
対象になるという規定になっています。

うちは対象になるようなものは売っていないから
あまり関係が無いと思っている方であっても、
経費の点で、例えば残業食事代だったり、
来客用のお茶の購入だったりというところで、
軽減税率の対象となるような食品を
購入されていることは、よくあることでしょう。

軽減税率導入は低所得者の負担軽減が目的で
だからこそ日々の暮らしに直結する食料品が
その主たる対象になっているのですけれども、
では、購入した食料品を飲食以外の用途で
使用した場合の取扱いはどうなるのでしょうか。

例えば、彫金の世界では銅合金を研磨した際、
酸化を防ぐ保護膜を表面に作るという目的で
大根のおろし汁を使うことがあるといいます。

つまり、近所のスーパーで買った大根を
食用以外に供するというわけです。

今回の冒頭において簡単に確認したように、
生活に直結する食事の為の材料購入だから
一般税率よりも低い軽減税率を適用させる、
というのが基本的な考え方となるわけです。

消費税は担税者である一般消費者から
販売事業者が税金を売上代金と共に預かって、
それをまとめて税務署に納付するという
いわゆる間接税の制度を採用していますから、
理屈から言えば消費者が食用に供するからこそ
軽減税率が適用されるとも考えることができ、
ならば、最終消費者が食用以外の用途に
使った場合は10%になるとも言えそうです。

例えば、国税庁が公表しているQ&Aには、
同じ「かぼちゃの種」を購入した場合でも、
それが食用として販売されていれば8%、
栽培用として販売されていれば10%で
処理を行う旨が記載されていたりします。

しかし、今回例示したケースにおいて、
大根を販売したスーパーがレジにおいて
そこまでを逐一確認していくというのは、
実際問題として、ほぼ不可能な話ですよね。

ならば、購入した側の経費の会計処理だけでも
10%で処理をすればいいのかというと、
納付する側(販売した側)は8%分の消費税しか
預かっていない(すなわち、納付しない)ので、
これもおかしな話になってしまいます。

実は、ここについては、法令解釈通達において、
購入した側でどのように会計処理をすべきかの、
正しい取扱いが明確に示されているのです。

「消費税の軽減税率制度に関する取扱通達2」
の注書き部分を、以下に引用してみます。

(注)人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した食品が、購入者により他の用途に供されたとしても、当該食品の譲渡は改正法附則第34条第1項第1号に掲げる「飲食料品の譲渡」に該当する。


法律の文章なので分かりにくいかもしれませんが、
要するに、買った人が結果的にどのように使おうと、
飲食料品の売買については軽減税率が適用され、
消費税は8%として計算(処理)されることになります。

つまり、今回の事例における大根の購入については、
8%の経費(仕入)として処理するのが正しいのです。

「かぼちゃの種」の事例の場合は、栽培用と食用で
明らかにパッケージ等が異なっているでしょうし、
レジの段階で明確に区別がされているはずですから、
今回の大根の件と一緒にしてはいけないでしょう。

以上、軽減税率絡みのちょっとした話でした。

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財産分与と不動産

2019年10月20日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

最近はとうとう実施に移された
消費税の改正(10%への増税)につき、
注意すべきこと等を書いてきました。

今回は、それとはちょっと目先を変えてみて、
離婚に伴う財産分与の話をしたいと思います。

何らかの事情により夫婦が離婚をする時に
婚姻期間中に形成された財産を分けるのが
財産分与と呼ばれる手続なわけですが、
その財産に対し贈与税が課せられるかというと、
夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障
のために行われるのが財産分与ですので、
そこに贈与税がかかることはありません。

ただし、分与された財産の比率が多過ぎた時や
離婚が贈与・相続税を逃れる為に行われたと
見なされた場合は話が別になってきます。

さらに、離婚による財産分与で土地建物といって
不動産を取得するような場合もあるでしょうが、
そのような時には財産分与をした人の側に対して
譲渡所得の課税が行われるのは要注意です。

この譲渡収入の金額はいくらになるのかというと、
譲渡、すなわち財産分与が行われたその時の
土地や建物の時価が該当することになります。

ここで財産分与をした人の側から考えると、
自分が住んでいた譲渡をしたというような
扱いになるわけですから、居住用財産の譲渡に
関する特別控除(3,000万円)の規定が
適用されるだろうと思われるかもしれません。

ところが、夫婦関係にある者どうしの譲渡には、
3,000万円控除の規定は適用されないのです。

つまり、離婚成立前に行った不動産の財産分与で
譲渡課税を受ける場合には、3,000万円を
差し引かない譲渡の利益全額に対して
譲渡所得税が課せられるということになります。

これを回避するに方法は実は単純です。

つまり、「夫婦関係にある」場合に特別控除が
摘要されなくなってしまうというのであれば、
夫婦関係が解除されてから譲渡=財産分与が
行われればいいということになりますよね。

つまり、夫婦関係が法的に解消されればいい、
すなわち離婚がしっかりと成立した後に
財産分与を行うという流れにするのであれば、
3,000万円の特別控除は問題なく
適用を受けられることになるわけです。

内容的には非常にシンプルな話ですけれど
なにげに影響が非常に大きなことなので、
記憶のどこかに留めておくようにしてください。

もちろん、離婚なんて事態が起きなければ
こんなことを考える必要はありませんけれど。

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消費税率変更から1週間

2019年10月08日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

消費税の税率が8%から10%に
増えてから、今日で1週間ほどが
経過したことになりますよね。

増税前の駆け込み需要があったり無かったり、
一般消費者から税を預かる側の事業者も
レジその他の対応が済んでいるかいないかの
ハード&ソフトの両面であいまいさも
残ったままの導入となりましたよね。

10月から税率が変わるということ自体は
随分前からはっきりしていたことでしたが、
何だかんだで結局は対応が遅れている
事業者が多いというのが実状でしょう。

請求書の書式の切り替えの遅れについては
移行期間の経過措置なども存在しますから、
そこまで致命傷にはならないと思われます。

しかし、税率変更と軽減税率導入に関する
会計処理の変更については消費税の
納付額の算出に直結するものであるだけに
待ったなしで正確な処理をすることが
求められるのは間違いがありません。

自身の売上が通常税率か軽減税率かも
まだはっきりと把握していないようなケースも
ニュース等を見ていると多いようなのですが、
これは国税庁が詳しすぎるくらいに細かい
Q&Aをネット上で公開していたりしますので、
そちらを随時ご確認いただくのもいいでしょう。

顧問契約をしている税理士がいる場合には
その先生に既に説明を受けているから、
一応理解しているという人もいると思います。

であればここで問題になるのは仕入や経費の
消費税の処理の方が多いかもしれません。

最終的に適格請求書等が導入されて
日本版インボイス方式が確立されたなら、
領収証やレシートに記載された消費税額が
全てということになってくるのでしょうけれど、
当面はこちら側でその取引に係る消費税が
課税か非課税か、10%か8%かということを
確認していかなければならないことも多そう。

ここの処理を間違えて、本来10%のものを
8%で計算してしまったような場合には
消費税の納付税額が少なくなってしまいます。

消費税をターゲットにした税務調査も
今後は増えていきそうなことを考えると、
ここでつまらない突っ込みを受けることは
避けておきたいところですよね。

特に現金払いをしたレシート類を見ながら
会計ソフトにデータ入力をしている場合は、
ついつい調子よく勢いで入れてしまいがちで、
そのような時はうっかり8%の取引を10%で
売ってしまうことも頻出しそうですから、
注意に注意を重ねて行く必要があると思います。

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台風15号等の被害への国税庁の対応

2019年09月15日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

9月8日の夜から10日にかけて関東に上陸した
台風15号は甚大な被害を各所にもたらしましたが、
その状況が徐々に明らかになってくるにつけ、
被害額の大きさ、深刻さが問題になってきました。

被害にあわれた方は、この先どうするのか等、
まだまだ検討も付かないかと思いますが、
国税庁の側では、災害により損失を受けた場合の
各種の特例を受けられる可能性があるとして、
最寄りの税務署への相談を呼び掛けています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r1/0019009-039/index.htm

リンク先である 「災害関連情報」ページには、
以下のような内容の案内が掲載されています。

1) 期限内に申告・納税等をできない場合の
  「災害による申告、納付等の期限延長申請」
2) 財産に相当な損失を受けた場合の
  「納税の猶予」
3)住宅や家財などに損害を受けた場合の
  「所得税及び復興特別所得税の
   全部または一部の軽減」
4) 災害等の生じた日の属する課税期間からの
  消費税等 簡易課税制度の適用または不適用

これ等の特例は何をしなくても適用されるという
ようなものではなくて、納税者の側からの
申告作業が必要であることが通常なので、
個人・法人を問わず、どういう特例が使えるのか、
その適用を受けるにはどういった手続きが
必要になるのかということを落ち着いたところで
税務署に問い合わせされることをお勧めします。

顧問契約されている税理士がある場合には、
そちらにご相談されるのもいいと思います。

カテゴリ : 税金・税法
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

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武蔵野市吉祥寺にある税理士事務所、宮内会計事務所に勤める税理士の卵のブログです。
仕事やプライベートを通じて思ったことなどを綴っています。


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