三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 税金・税法
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消費税免税事業者からの仕入れ その2

2018年09月13日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

消費税の免税事業者との間で
行われた取引の経理処理に関し
知人から質問を受けたという話の
続きを今回はさせていただきます。

前回は触りの部分を書いただけでしたが、
一番肝心な点は、例えば物品を買った場合に、
その相手が課税事業者か免税事業者かを
確認して処理を変えるというような方法は
あまり現実的ではないということになります。

つまり、例えば近所の店で540円の文具を
事務用品として購入してきたような場合に、
それが税込み価格なのか税抜きなのかを
区別することは通常は行いません。

では、どうするべきなのでしょうか。

端的に言えば、購入した側は消費税の
基本原則に則って処理をすればいいのです。

ケース別に処理を書いたのが、下の仕訳例です。



購入した側の処理は相手が課税でも免税でも
特に扱いは変わらず同一の処理を行います。


ここで、免税事業者からの購入につき、
売却側・購入側がともに法人であり
法人税率が20%であると仮定して、
税金がどうなるのかを考えてみましょう。

売却側は売上が増えた40円分の税金8円を
国に多く納めますが、その一方で購入側は
本来であれば存在しない仮払消費税等40円を
自身が期末に納付する消費税額から差し引くので、
国の税収は差額の32円だけ減少します。

仮に免税事業者が事務用品を500円で
売却していれば売却側に差は出ませんが、
その場合でも購入側がその仕入れを
消費税課税対象外としていない以上、
仮払消費税37円が発生し、その分だけ
期末に購入側が納付する消費税が減ります。

事務用品費も500円から463円になるので
差額分(消費税分)の利益が生じますから、
そこに税が37×20%≒7円課せられますが、
国の税収は差額の30円減少します。

つまり、どちらにしても国が損をして、
売却側もしくは購入側の法人が
得をするという構造になるわけです。


租税法の原則の1つに「課税の衡平」がありますが、
そこから考えてもこれは変な話になりますよね。

しかし、消費税が直接税ではなくて間接税であり、
かつ免税事業者という制度を持つ以上は、
これは避けられない計算構造の欠陥なのです。

これだけパソコンが世の中に普及して、
帳簿・家計簿を楽に作成できるソフトも、
有料・無料含めて様々に存在する今では、
「事務負担の軽減」を理由に免税事業者制度を
設けていることの合理性・妥当性は
ほとんど無くなっているのかもしれませんが……

カテゴリ : 税金・税法
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

消費税免税事業者からの仕入れ その1

2018年08月31日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今から8年近く前の2010年9月
まだ消費税率が5%だった頃ですが、
消費税の、いわゆる「免税点」について
簡単に説明をさせていただきました。

そこについて、先日、知人からちょっとした
質問を受けることがありましたので、
今回はその話をさせていただこくことにします。

消費税は日本国内で行われる消費活動に対し
課せられる税金ですので税額を負担するのは
最終的にその物品を使い、サービスを享受する
個々の消費者ということになります。

ですので、例えば私達がコンビニで買い物をすれば
消費税込みの料金を支払うことになるということから、
その点はご理解していただけることと思います。

そのように私達が店舗に払った消費税については、
ざっくりと説明をするならば個々の店舗が
顧客から預かった形で処理を行っており、
決算期ごとにそれを合計して国に納めています。

このように担税者と納税者が別になる税金を
間接税というのですが、これは余談ですね。

消費税法を読んでみると「日本国内で」
「事業者が事業として」「対価を得て行った」
「資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供」
には消費税が課されるとなっていて、
ここに規定されたような売上のある事業者が
上記のように消費税を納付することになります。

消費税の導入は平成元年ですけれども、
その当時に議論されていたことの1つに
個人商店などの小規模事業者・零細事業者に
消費税の計算と納付を強制するのは
事務負担が増えて大変なのではないか、
という話があって、それへの対策として
設けられた規定が免税事業者でした。

なお、免税事業者になるかどうかの判定は
年間の売上高がいくらになるかで行います。

消費税法の制定当時は3,000万円でしたが、
平成16年4月1日の改正消費税法施行から
1,000万円に引き下げられて現在に至ります。

言い換えれば、消費税課税の対象となる
課税売上が年間で総額1,000万円を
超えた場合には、その事業者は消費税の
納税義務があるということになるわけです。

この時に事業者が納めることになる税額は
これも税率が5%の時なのが恐縮ですが、
2010年9月2日のエントリーで書いています。

図なども使って分かりやすく説明したつもりなので、
よろしかったらリンク先に移動してご一読ください。

さて、そのように小規模な事業者については
消費税の納税義務が免除されるわけですが、
では、例えば私達が何らかの買い物をする際に
相手が消費税の納税義務者か免税義務者かを
都度確認するようなことをしているでしょうか。

おそらく、そんなことはしていないという人が
ほぼ100%になるのではないかと思います。

いちいちそれを聞くのは煩雑ですし
質問に答えてくれるかも不明であり、
相手に気を悪くされる可能性もあります。

そんな面倒は、わざわざ負いたくないですよね。

なお、私が知人から質問を受けたのは、
課税事業者からの仕入と免税事業者からでは
何らかの方法で処理を変えなければ
いけないのではないかということでした。

今回は基本的な取扱い部分の説明だけで
長くなってしまったのでここまでにしますが、
次回は、より踏み込んだことを書こうと思います。

すぐには無理ですがなるべく早く公開しますので、
それまで、お待ちいただければ幸いです。

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特別受益と特別寄与

2018年07月18日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今回は相続における遺産承継の
財産の相続分を考える際の
ちょっと特殊な事例となるものを2つ、
簡単に説明したいと思います。

まず最初は、「特別受益」。

特別受益とは、相続が発生した場合において
被相続人の生前に特に利益を受けていた
相続人がいるケースで、利益を受けた相続人と
利益を受けていない相続人とが公平になるよう
相続財産の配分を調整する制度をいいます。

2015年5月に「相続税の税額計算」と題した
エントリーで説明させていただいたように、
相続人の相続分は、一旦、相続により取得する
財産の価額を合計し、それを分割して求めます。

この計算において、被相続人の生前において
特定の相続人が被相続人から多額の贈与を
受けていることが分かったとしたならば、
その特別な贈与により取得した財産の価額は
相続税の課税標準の合計額に加算されます。

この、特別な贈与で財産を取得していたことを
相続税法では「特別受益」と呼んでいます。

もともと、相続発生前3年間に発生した贈与は
その贈与財産を相続財産に加算することは
以前のエントリーで説明させていただきました。

特別受益はこの規定とは別枠のものであり、
加算される期間は想像開始前3年間と限らず
5年前、10年前の贈与であったとしても
それが特定受益と認められた場合には
相続財産に加算して総額の計算を行います。

つまり、その分の相続分を相続開始よりも前に
既に受け取っていたという扱いになるわけです。

具体的な計算例を挙げてみます。

相続人が配偶者と長男、次男の3人であり、
相続財産が4,000万円、長男は以前に
事業用資産として1,000万円を贈与された、
というようなケースを想定してみます。

この場合、長男が受け取った1,000万円が
特定受益とされなければ具体的な相続分は
配偶者...4,000×1/2=2,000万円
長男・次男...4,000×1/4=1,000万円

ということになりますが、特定受益とされれば
配偶者...(4,000+1,000)×1/2=2,500万円
長男...(4,000+1,000)×1/4 - 1,000=250万円
次男...(4,000+1,000)×1/4=1,250万円

という計算が行われることになります。

それぞれの金額が大きく変わったことが
お分かりいただけるでしょうか。

特別受益に該当するかしないかというのは
争いのもとにもなる事項だといえますから、
その判定は素人判断で行うのではなく
必ず専門家に相談するようにお願いします。


「特別受益」に続くもう1つが「特別寄与」。

これは、共同相続人の中に、被相続人が
財産を維持・増加させることに対して
特別の貢献をしたと認められる者がいれば、
相続財産の総額からその相当額を控除して
具体的な相続分の計算を行うことになります。

例えば相続人が長男と息子の2人であり、
相続財産が1,000万円だというケースで
長男に特別寄与が500万円あるとします。

この場合の相続分は、兄弟それぞれに
1,000万円の半分の500万円ではなく、
長男...(1,000-500)×1/2+500=750万円
次男...(1,000-500)×1/2=250万円

という計算式が用いられることになるのです。


以上、財産相続分の2つの特殊な計算に
関する簡単な説明をさせていただきました。

特別受益も特別寄与も、ここでご説明したように
規定としては存在しているものなのですけれど、
実際に適用させるには少しハードルが高くて
争いごとになりかねないものであることは、
最後にご承知おきいただきたいと思います。

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連れ子の養子縁組と相続権

2018年06月06日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

相続税に関するエントリを前回
書いてから、気が付いて見たならば
随分と日数が開いてしまいました。

ちなみに、相続税関係の話題だと、ここ何回かは
相続税や贈与税の課税価額を構成する
財産の評価方法の話ばかりをしていました。

資産税関係の説明をさせていただくに際し、
その資産がどのような財産評価を受けるのかは、
相続発生後の財産分割協議のみならず
納付税額の計算上も大切なことですから。

そんな中、お久し振りの相続税話となる今回は
財産評価ではなく、相続人の判定に係る話です。

以前に「「相続」と「遺贈」」と題して
基本的なことは既に書いているのですが、
改めてここで説明させていただくと、
法定相続人は「配偶者」と「血族相続人」の
2種類からなり、さらに「血族相続人」は
「子」「父母や祖父母など」「兄弟姉妹」という
3つの段階に区分することができます。

「子」がいなければ「父母や祖父母」、
それもいなければ「兄弟姉妹」というように
相続人となる者は変わっていくのですが、
「子」については注意すべき点があります。

それが、結婚した相手に既に子供がいた場合、
いわゆる連れ子がいるというケースになります。

相続権の有無では血縁が重視されますので、
結婚の結果として家族になったとしても、
血の繋がりが存在しない連れ子には
どんなに実の親子のように仲良くなっても
残念ながら相続権は発生しないのです。

つまり、何もしないままだと自分が死んだ後に
自分の財産を譲り渡していくことができません。

そのような事態になってしまうことを回避したい、
配偶者の連れ子にも自分の財産を相続して
引き継いでいってもらいたい、と考えるなら、
採るべき手段は1つ、養子縁組です。

ちなみに養子には2種類がありますが、これは、
特別養子縁組でなくて普通養子縁組でOKです。

そうすれば連れ子との間に法的な血縁ができて
自分に何かがあった時に財産を承継できる
相続人に連れ子がなることができるのです。

なお養子については、この日に書いたように
幾つかの制限があるので、注意が必要です。

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「特例事業承継税制」特集ページ

2018年05月20日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

企業数的からも雇用者数的から考えても、
日本経済は一部大手企業だけではなく
多くの中小企業が支えているのだと
言ってしまっても過言ではありません。

そんな中小企業が抱えている悩みの一つが
後継者の育成や不存在なわけですけれども、
いやいや、ウチは後継ぎ候補が決まっているから
その点は大丈夫だよとおっしゃる会社様でも、
どうしても発生するのが、株式の引継ぎ問題です。

日本の中小企業は代表者とその関係者が
自社株のほとんどを所有している同族会社が多く、
つまり会社オーナー=代表者というケースが
一般的といってもいいのではないでしょうか。

つまりこの場合、会社を引き継ぐという事は
単に登記をしてその会社の代表者になるという
それだけに止まらず、発行済みの株式をも
前経営者から新しい後継者に引き継ぐことも
併せて考えなければならないこととなります。

特に、業績が好調で黒字を毎年出しているような
優良な中小企業ほど1株当たりの評価額が高く、
その株式を時期後継者に贈与するにせよ
相続させるにせよ、そこがネックになってきます。

つまり、後継者が株の取得と共に負担することになる
贈与税や相続税の税額がかなり高額になるのです。

そんな税金は払えないから会社は継げない。

そういう判断をする人が出てきてしまうのも仕方なく、
しかしそれではせっかく業績の良い会社がなくなり、
かつ、そこで働いていた人たちが失職するという
国としても歓迎せざる結果を招いてしまいます。

そこで一定の要件を満たす贈与や相続であれば
その株式に係る税額(の一部)を納税猶予し、
さらに一定の要件を満たした場合には
最終的に免除までしてしまおうというものが、
事業承継税制と呼ばれる制度でした。

しかし、これは実際には諸々使いにくい内容で、
ここで詳細は書きませんけれども制度だけあって
利用者がほとんどいないという状態でした。

しかしながら、さすがにこれはイカン、ということで
期限付きの時限立法ではあるのですけれども、
従来の一般的事業承継税制を選択する場合の
ネック、リスクとされていたことのほぼ全てを
解消したものが、特例事業承継税制です。

この税制の具体的な内容についてはまた
エントリーを改めて書かせていただきますけれど、
事務所の公式サイトに特集ページを開設したので、
今回はそれを紹介させていただきます。

以下にリンク設定をしたバナーを貼っておきました。

よろしければこのバナーをクリックして、
ざっとした全容をお読みになってみてください。

そしてこの興味を持たれたならば、是非、
この税制に関する質問や相談その他を
お気軽に当事務所にお問い合わせください。


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G20で気になったこと

2018年04月07日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

アルゼンチンのブエノスアイレスで
先月の半ばに開催されていた
G20財務相・中央銀行総裁会議では
幾つか面白い議論が行われました。

例えばその1つが、仮想通貨の取扱い。

発表された共同声明では仮想通貨が
マネーロンダリングなどの手段として
使われていることへの危惧が示されて、
交換業者への免許・登録制の導入や
顧客の本人確認の徹底が進められることに
なったようなのですけれども、それは既に
日本では行われていることですよね。

取引業者の免許・登録制は現時点ではまだ
全てが完了しているわけではありませんが、
日本の仮想通貨市場管理体制は実は
かなり進んでいるとも言われていることを
改めて思い出すことになったニュースでした。

なお、それでもコインチェックのような問題が
起きてしまうのは仮想通貨の性質故の事で、
だからこそG20でも仮想「通貨」ではなく
「暗号資産」であるとされたわけです。

つまり決済手段としての「通貨」ではなくて、
少なくとも現段階では「価値のある情報」という
取扱いをすると決まったことになるでしょうか。

仮想通貨に係る税法はまだまだこれから
整備されて行かなければならないわけですが、
今回のG20の共同声明がそこに与える影響は
大きいのではなかろうかと思われます。

もう1つ、今回のG20で目についたのが、
ネット通販等の電子商取引(EC)への課税。

これまでは恒久的施設の所在地でなければ
その国でどれだけ売上を稼いでいようとも
課税することはできなかったわけですけれども、
今後は、恒久的施設の有無に係わらず、
売上の発生した国ごとに課税できるように
新たなるルールを設ける予定とのことです。

海外サーバーからのデータダウンロード等が
これに該当することになるでしょうけれども、
こちらも先の展開を注視しなければなりません。

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仮想通貨による給与等支払

2018年03月10日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

昨年末あたりに、給与の一部を現金ではなくて
仮想通貨にて支払う制度を導入することにした
企業のことがニュースになっていましたよね。

例えば、仮想通貨取引所のザイフを運営している
テックビューロ㈱ や、IT関係の大手企業である
GMOインターネット㈱ などがそれなのですが、
仮想通貨の現状、投機対象になっているだけで
本来あるべき支払手段としての色合いはまだまだ
ほとんど感じられないというような様子を見るに、
今の段階でこれは随分と思い切ったなと感じます。

労働基準法第24条第1項は賃金の支払について
全額が通貨によらなければならないとしていますが、
労使の合意その他一定の要件を満たす場合には
通貨以外の、いわゆる現物給与の形式でも
これを認めるということにはなっています。

仮想通貨という名前には「通貨」という言葉が
入っていますが、これが本来の意味での「通貨」には
該当しないというのは皆さんご存知の通りです。

この件について書いた2月5日の『税務通信』記事によると
仮想通貨で賃金を支払う GMOインターネット㈱ は、
「ビットコインによる支払いに本人の同意を得ていることと、
ビットコインによる支払額を給与から控除し、
その控除分をビットコインの購入に充てていること、
といったことを理由として、法的な問題はないと説明」
しているということらしいのですけれど……

労働基準法について語るのはプロではないので
ここではやめておくことにしますけれども、
うーん、それって、もらう側にすればどうなんでしょうね。

ちなみに、賃金の一部を仮想通貨で支払った場合、
あるいはデザイン料や原稿料などを支払った場合にも
これを支払う側には源泉徴収義務がありますので、
源泉税を控除した残額を支払わなければなりません。

ただ、仮想通貨は24時間絶えず相場が動くので、
源泉税を算出するにあたっては、一体全体、
いつの時点のレートを採用すればいいのかという
問題がここで発生することになるわけですけれど、
これについては、給与や報酬の確定日における
市場の取引化価額などから合理的に算出した額を
使うことになるのではないかと記事は書いていました。

「合理的」 といえば聞こえはいいですけれど
実際にはどのレートを検査員に使うべきなのか、
取引所によって価格も異なるわけですし、
この辺りはまだまだ詰めていかねばならないでしょう。

受け取った仮想通貨の、相場変動に係る所得計算に
ついては12月13日のエントリをご参照ください。

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国税局の電商チーム

2018年02月09日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

一般の方ではご存じでない人も
多いかもしれませんけれども
平成13年から全国の国税局には
電子商取引専門調査チーム(電商チーム)が
設置されていて、電子商取引に関する
情報収集や調査を行っています。

これについて、5日発行の『税務通信』に
記事が載っていたのでその内容を紹介します。

彼等が情報収集と調査の対象とするのは
電子商取引事業者等となっていて、
「電子商取引」と言葉にするとわずか5文字ですが、
この概念の含む範囲はかなり広いですよね。

オンライン書店や動画配信等いわゆるECサイトが
まっさきに頭に浮かんでくると思いますけれども、
そういう法人が行うようなものだけではありません。

個人で行う取引では例えばヤフオクやメルカリ等の
ネットオークションやフリマでの物品販売での利益や
アフィリエイトによる収入とか、LINEスタンプの販売、
最近話題になっているところでは仮想通貨の売買も
ここでいう「電子商取引」の範疇に入ってきます。

個人が得たフリマや仮想通貨売却益その他については
確定申告をしなければならないことになっていますが、
まもなく始まる申告期間中にどれだけの人が
しっかりと申告書を提出するかは不明です。

ただ、どうせ税務署は把握などできないさと
高を括って申告をしないままに済ませていると、
この電商チームが行うかもしれない実施調査で
それなりの所得を得てるのにもかかわらず
無申告であることを把握され決定処分が行われ、
本税だけでは済まずに、かない高い利率の
無申告加算税等も課される可能性があります。

この情報収集にあたって国税庁は第三者からの
情報提供を依頼することができるのですが、
これは任意で行われるものとはいえ、
例えば国税局から直接情報提供を依頼されて
どれだけの事業者それを拒否するか考えると……

アフィリエイト業者、オークション運営業者、
仮想通貨取引所やプロバイダといったところから
自分の行った取引の情報が提供されるとしたら。

国税庁は気付くまいと安易に考えているのは
非常に危険なことではないかと思いますよね。

もっともそういうことを真剣に考えて初めて
「これは確定申告をしなければいけないのでは」
と思うのはそもそもが心得違いというものであり、
基本的に、個人でやったことでも取引で利益が出たら
所得として申告をしなければならないというのが
基本だというのが租税の基本とお考え下さい。

例外がないわけではありませんけれども、
大原則は 「利益課税」 ということです。

昨年中に申告が必要となりそうな利益を得た方、
そして自分がそのような利益を得ているのかどうか
はっきりと理解していない(把握していない)ような方、
できれば早めに税務署もしくは専門家にご相談を
されることを強くお勧めさせていただきます。

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配偶者の居住に係る民法改正案

2018年01月22日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

先週のことになるのですが、ネットのニュースで
法相の諮問機関の法制審議会部会が取りまとめた
相続税法見直しに係る民法改正案を受けて、
今日から始まる通常国会で審議することを
法務省が方針として固めたという記事を見ました。

具体的には相続が発生した場合において
死亡した被相続人の配偶者が相続の発生時に
居住していた建物にそのまま住み続けることができる
「配偶者居住権」の新設をしようということのよう。

配偶者居住権は譲渡や売買ができるものではなく、
原則、その配偶者が亡くなるまで行使することができ、
平均余命などを基に算出されることで、高齢であるほど
評価が安くなることが想定されているそうです。

この居住権による土地建物の評価額は
現行の財産評価基本通達による評価よりも安く、
例えば法定相続分による遺産分割を行う場合に
配偶者が現住土地建物以外にも現金などの財産に
より多くの取り分を得ることができることが期待されます。

要は、残された配偶者の生活の維持が目的ですね。

配偶者への相続については既に様々な優遇が
相続税法でなされているのですけれども、
それだけでは不十分なところがあるというように
法制審議会と法相は判断したということなのでしょう。

その他にも、婚姻期間20年以上の夫婦の場合に
居住用不動産の生前贈与が行われていれば
その不動産は原則として遺産分割の計算対象にしない、
相続人以外の被相続人の親族(相続人の妻など)が
被相続人の介護をしていたよなケースにおいては
一定の要件を満たせば相続人に金銭の要求が
できるようにする、などの改正案が挙げられていました。

民法は、時効や敷金関係等で120年ぶりといわれる
大改正が行われたばかりですけれども、
相続分野での大幅見直しも40年ぶりだとのこと。

民法が認めることになる配偶者居住権と
相続税法の小規模宅地等の関係がどうなるか、
など、この記事だけだと分からないことも多くて、
その辺りは今後、注視する必要がありそうですね。

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相続税評価額の算出方法 その6

2018年01月10日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今回は、以前予告したとおりに、
非上場株式の相続税評価の
方法を説明したいと思います。

細かい計算方法を書こうと思えば書けますが、
それをやりだすとやみくもに長くなりますし、
読んでいて面白くないと思いますので、
概要を書くにとどめておくことをお許しください。

まず、非上場株式の評価方法には
大きく2つあるということを説明します。

「原則的評価方法」「特例的評価方法」です。


「原則的評価方法」はその名の通りに
原則的に用いられる方法であり、
会社の規模等によって更に3つの方法、
「純資産価額方式」「類似業種批准方式」
「併用方式」のいずれかを用います。

株式の価値として一般に言われている
「総資産額」から「総負債額」を差し引いた
残りの金額である「純資産の部」の金額を
発行済み株式総数で割った金額が
その会社の株式の価値であるという考えは、
このうちの「純資産価額方式」にあたります。

「類似業種批准方式」は評価対象の会社と
同じ種類の事業を営んでいる上場会社の
株価、配当金額、利益金額などの要素を
使って非上場会社の株価を求める方法。

「併用方式」は上記2つで算出される価額を
一定の比率で合算する方法になります。


「特例的評価方式」は原則的な方法が
適用されない株主に使われる計算方法であり、
評価対象となった会社が行う株主配当の額を
基にした「配当還元方式」で株価を算出します。


では、上記2つの評価方式のうちのどちらが
適用されるかの判定はどう行うのでしょうか。

ここも細かく説明しだすと長くなるのですが、
おおざっぱに、「同族株主等」であれば原則、
「同族株主等以外」であれば特例を用います。

前者は会社の支配を目的として株を保有する株主、
後者は支配できるほどの持株比率の無い株主です。

支配目的であれば、その株式の評価額は当然、
会社本来の価値を示すものを用いるべきですから、
原則的な方式を使って算出することになります。

一方、支配権を有さない株主がその株式を
保有する目的が何かを考えてみると、
実際は「つきあい」その他、色々な事情が絡んで
保有せざるを得ない状況になっていたりもしますが、
財産評価上はざっくりと「配当の支払を受ける為」に
保有しているものと判断されて特例的方法、
即ち「配当還元方式」を使って算出されます。


これ以外にも、開業3年以内の会社である場合や
総資産のうちに土地等が占める割合の高い場合など
一定の要件に該当する場合には特別な計算式を用いて
株式の評価額を算出することが規定されています。


自分が「同族株主等」に該当するか否か、
どの種類の評価方法が適用されることになるのか、
保有株式の評価額がいくらになるのかといったことは、
できればプロにご相談いただいた方がいいでしょう。

当事務所でも相続関係のご相談は可能なので、
どうぞお気軽にご連絡、ご相談ください。

カテゴリ : 税金・税法
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税務行政に関する企画・立案。国税局・税務署の指導監督省庁です。


国税庁タックスアンサー

各種税金の仕組みや届出書、様式の説明、用語解説や各地の税務相談室の案内を記した国税庁サイト内のコーナーです。キーワード検索もできます。


内閣府

Topページの下部に、政府税制調査会のページへのリンクがあります。そこに掲載されている議事録などから、今後の税制改正の動向を知ることができます。


国税不服審判所

国税に関する法律に基づく処分に係る審査請求について裁決を行い、納税者の正当な権利利益の救済を図る機関です。ネット上で判例集が利用できます。



宮内会計事務所

吉祥寺にある税理士事務所。私の勤務先です。

(別サイト)

上記勤務先の、新規起業者向けの特別サイトです。



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