三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 税金・税法
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源泉税の徴収と「租税条約」 その1

2019年04月18日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

例えば日本とアメリカとの間で
著作権などの使用であったり
人的役務の提供などが行われる
取引を考えてみましょう。

二国間の取引において課税上問題になるのは
その収益がどちらの国に帰属するのかです。

つまり、俗な言い方をしてしまうのであれば、
その取引の結果として生じる金銭に対して
どちらの国が税金を得るのかといことですね。

アメリカの著作権を日本で使うケースだと
その使用料から利益を手にするのは米国人、
しかしながらその著作権が使われた場所
すなわち利益が生じた場所は日本です。

そういった点を踏まえて考えてみると、
どちらの国にもこの所得に対して課税する
もっともな理屈がつくことが分かります。

ここで双方の主張が対立してしまって
お互いに一歩も引かないようになっては、
議論が感情的になってしまう恐れもあり
どちらにとっても良いことはありません。

その利害調整を行う必要があります。

とはいえこれは国家間の問題ですから
一方の国家が一方的に課税を決めたら
それこそ大変な事態になりかねません。

そこでルールとして決められたのが
「使用地主義」という原則的な取扱いで、
これにより二国間取引においては
権利などの使用地の属する国が
その対価から源泉所得税という形で
一定の税金を得ることになります。

日本における源泉徴収税率は20%で、
復興特別所得税を含めれば20.42%。

相手国、つまり支払を受ける者の属する
国は利益や売上に対して税額を算出し、
そこから使用地国で徴収された税金を
例えば「外国税額控除」のような形で
減額するという流れとなるわけです。

さて、原則はそのような形であるとしても、
それと違う取扱いを望む国もあるわけで、
当然そのような場合には原則と異なる
個別の取扱いを定める必要がでてきます。

そこで、両者によって協議が行われます。

つまり、国と国との正式な取り決めである
二国間条約が締結されることになるわけです。

税金に関する条約ですので「租税条約」、
正式には「所得に対する租税に関する
二重課税の回避及び脱税の防止のために
締結される条約」という名前になります。

その結果、例えばどういったことになるのかは、
また次回にご説明させていただきます。

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テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

源泉税納付書の書き方

2019年04月11日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

いよいよ来月から元号が変わり、
新しい令和元年が始まりますが、
今回の改元を受けて税務では、
例えば源泉所得税の納付書について
どのように和暦を書くのかという話が
色々と言われていたりしました。

この件は、国税庁が既にホームページで
どのような取扱い・書き方にするべきかを
公開していますので、ここでも紹介します。

まずは、下の表をごらんください。



基本的に5月1日以降は「平成31年」ではなくて
「令和1年」という扱いになるのですけれども、
「年度」に関してだけは来年3月31日になるまで
「平成31年度」になるというようになっています。

ただ、これだけではピンと来ないでしょうから、
国税庁作成のリーフレットについても
以下にリンクを設定させていただきます。



画像をクリックしていただければPDF版の
リーフレットが別画面で立ち上がりますが、
こちらだと具体的な画像で説明されており、
かなり分かりやすいのではないかと思います。

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4倍だそうです。

2019年03月17日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

平成25年度改正で相続税の基礎控除が
それ以前の6割に引き下げられましたのは、
皆さんわりとご存知の事だろうと思います。

実際の適用は平成27年1月1日以降に発生した
相続からだったので、改正から4年とちょっとが
経過したということになるわけですけれども、
相続税の基礎控除というのがどういうものなのか
知りたいという人は過去のエントリのここここ
読んでいただければ大丈夫かと思います。

相続税の非課税限度額であった基礎控除額が
この時の改正で一気に4割減となったのですから、
これは変更事項としてはかなり大きなものでした。

国税当局としては税収増が目的の1つです。

さて、実は2ヶ月程前に東京国税局管内での
相続税申告件数等の発表があったのですけれど、
そこで出てきた申告実績値が国税当局の狙いが
的中したということを如実に示していました。

それによると、改正による基礎控除引下げの結果、
相続税の課税価格(税率を乗じる前の評価額の合計)が
1億円以下の申告が何と4倍になったとのこと。

増えることはあっても減りはしないとは思ってましたし、
かなりの件数増となるだろうと予想もしていましたが、
4倍という数字は結構なインパクトを有するものであり、
まさしく課税当局の狙い通りだったと言えるでしょう。

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残り1週間です

2019年03月08日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

平成30年分の確定申告、
所得税と贈与税の提出期限は
1週間後の来週金曜日、
15日となっています。

この段階でまだ何にも手を付けていない
というような人はさすがにいらっしゃらないと
私としても思っていますけれども、
例えば必要な計算・集計はしたけれども
まだ申告書を作ってはいないという人は、
あるいは、いらっしゃるのでしょうか。

期限後の申告となってしまうと、
例えば青色申告控除などの点で色々と
ペナルティとなるものが出てきますし、
その他にもマイナス要素が多いので、
申告をしなければいけないのだけれども
まだ税務署に提出をしていないという人は、
忘れず、15日までに申告をしてください。

国税庁HPの平成30年分確定申告特集ページなら、
24時間いつでも申告書を作成することができます。



作成した申告書は郵送提出も可能です。

提出期限日の消印があれば期限内扱いなので、
極端な話15日の深夜23時59分までに
本局の窓口で消印を押してもらえれば、
期限内申告ということになります。

なお、宅急便や小包については、
この発信主義は適用されないので、
必ず郵便または信書便で送ってください。

受領している、していない、という点で
水掛け論の争いになることを防ぐ為に、
必ず「控」を返信用封筒と共に同封して
送ることを強くお勧めいたします。


また、この申告手続きにおいて算出された税金の
納付期限はそれぞれの申告期限と同じなので、
贈与税・所得税3月15日(金)
個人消費税4月1日(月)までに、
国に対して納付しなければならなりません。

お忘れのないよう、お願いいたします。

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消費税と地方消費税(その2)

2019年01月26日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

昨年の12月11日のエントリで
我々が消費税と読んでいるものが
実は2種類に分けられるという話をしました。

すなわち、「消費税」と「地方消費税」です。

現行の消費税率である8%と今年の10月になって
10%に増税された後の軽減税率の8%では
同じ8%であっても大きな違いがあると
いうことを、予告通りに説明します。

端的にいえば、消費税の計算方法により、
両者に違いが生じることになるのです。

例えば1,000円の品物を購入したとして、
これに課せられる消費税等の合計額
1,080円を最初に納付税額として算出して、
しかる後にこれを消費税と地方消費税に
按分していくという計算方法であるならば、
納付する税額の合計は80円で変わりません。

しかし、実際に消費税の税額計算をする際に
行われるのは、次のような手順になります。

最初に税抜金額に国税である消費税の税率を
乗じることで納めるべき税額を計算したのち、
その消費税(国税)の税額(100円未満切捨)と
地方消費税(地方税)との比率を用いて
納めるべき地方消費税の納付税額を算出します。

現在の税率は 国:地方=6.3:1.7 になっているので、
算式としては、税抜の対価の額に一度 6.3/100 を
乗じることで算出された税額(100円未満切捨)に
17/63 を乗じて地方消費税を算出するわけです。

これが故に、納付税額の差異が生じるのです。

具体例を用いて、従来の8%と軽減税率の8%で
計算とその結果の納付税額がどう変わるのかを
示してみると分かりやすくご理解いただけるでしょう。

算出税額の違いを分かりやすくするために、
ここでは敢えて綺麗な数字は使わずに
1,166,400円(税込)という課税標準を
用いることで説明をしたいと思います。

<対価額の8%相当額>
1,166,400×8/108=86,400

<従来の8%の場合>
(国税)
1,166,400×6.3/108≒68,000(100未満切捨)
(地方税)
68,000×1.7÷6.3≒18,300(100未満切捨)
(納付税額)
68,000+18,300=86,300

<軽減税率の8%の場合>
(国税)
1,166,400×6.24/108≒67,300(100未満切捨)
(地方税)
67,300×1.76÷6.24≒18,900(100未満切捨)
(納付税額)
67,300+18,900=86,200

納付税額が明らかに異なっていることが
お分かりいただけるのではないかと思います。

これで何が面倒になるのかという話ですが、
消費税の納税義務者が会計ソフトを使って
申告書を作成し納付をしているのであれば、
区分の処理を間違えるようなことさえなければ、
会計処理と税額計算だけでに限定すれば
さほどややこしくはならないかもしれません。

ただ、税理士試験の受験生が手計算で税額を
算出しなければならないような場合は別です。

正直、底意地の悪い問題を作ろうと思えば
いくらでも捻くれた設問ができる状況であり、
これから消費税を受けようとする受験生には
頑張ってくださいとしか言えません。


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消費税と地方消費税(その1)

2018年12月11日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

来年の10月には消費税率が10%に
引き上げられると同時に軽減税率が
一部の物品に対して適用されるように
なることがほぼ確定的ですが……

増税前から続いているリース契約や
長期の建設工事などに関しては
5%から8%になった時と同様の
経過措置が適用されるでしょうから、
増税後は同じ8%でも厳密に言えば
2種類の8%が存在することになります。

それだけであれば話はシンプルなのですが……

実はこの2つ、表面的には「8%」という数字に
全く違いがないように見えていながらも、
実際の税額計算上は、かなり違うのです。

その違いを理解するためにはまず最初に
世間一般でいう「消費税」が実は2種類の
税金からなっているものであるということを
ご理解いただかなければなりません。

といって、話はそんなに難しくはありません。

要するに、私達が普段負担している消費税には
国税部分と地方税部分が存在しているのです。

平成元年の導入時に3%の税率だった時代は
全てが国税だったのですけれども平成9年に
5%になった時点で増税部分の半分、
すなわち1%については地方消費税として
地方自治体の財政に回されることになりました。

つまり、私達が日常で使ってる「消費税」は実は
消費税と地方消費税からなっているのです。

税理士や会計士、国税職員などがしばしば
「消費税等」という言葉を使っているのは、
実はそういう事情があってのことなのですね。

当初は5%に対する1%、すなわち全体の20%
という割合だった地方消費税は、その後税率が
平成26年に8%となった時には21.25%の
1.7%となり、来年の増税時にもその割合を
22%に増やすことが既に決まっています。

地方消費税の割合が段々と増えていくのは
社会保障費の増加と密接に関係していて、
要するに少子高齢化社会の進行と共に
年金や高齢者医療、介護の費用負担が
地方自治体に重くのしかかってきているという
実情を反映した結果であるといえるでしょう。

で、そんな事情が存在していることを受けて、
来年10月の改正前後で消費税総額に占める
地方消費税の割合は変わりますから、
税率変更後の8%とその前の8%とでは
地方消費税のパーセントが違っています。

経過措置による8%は平成26年改正時のまま
地方消費税は1.7%なのですけれども、
来年10月以降の軽減税率8%の場合は
地方消費税のパーセントは1.76%になります。

これを一覧表としてまとめてみたのが、下の図です。

図の上にカーソルを合わせてクリックしていただくと
別ウィンドウが開いて拡大表示されますので、
是非一度ご覧になっていただければと思います。

なお、合計したら8%なのが同じであるならば
結局なにも変わらないのではないかと
思われる人もいらっしゃるかもしれませんけれど、
それは実はそうでもなかったりするのです。

とはいえ少しばかり話が長くなってしまいましたので、
その辺りのことはまた別の機会に説明いたします。


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未婚の一人親への寡婦(夫)控除

2018年11月19日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

ニュースによれば、政府・与党が2019年度の
税制改正で所得税法の寡婦(夫)控除を
未婚の一人親に対しても適用させることで
調整に入ったということらしいです。

もともとの寡婦控除はその名前の通りに
配偶者と死別したか配偶者の生死が不明であるか、
離婚後再婚をしていないような納税者で、かつ、
扶養親族か生計を一にする子がいる人や
合計所得金額500万円以下の人に適用されます。

寡夫控除は配偶者と死別したか生死が不明で、
離婚後再婚をしていないような納税者で、
合計所得金額が500万円以下であり
生計を一にする子がいる人に適用されます。

所得税法はそのような寡婦(夫)に対して
生活を補助する意味で所得の金額から
一定金額の控除を規定しているのですが……

この改正案が現実化すればその範囲が
結婚をしていないシングルマザーや
シングルファーザーにまで広がるのであり、
それは素直にいいことだと思えます。

ネットで検索すると2014年1月16日付で
日本弁護士連合会がこの点の改正を求める
意見書を出しているのが見つかりました。

それに立法側が応じた結果になるのでしょうか。

ただ、ここで気になるのは上記の意見書も
そして今回読んだニュースにおいても
「寡婦」と「寡夫」の間にある格差については
一切言及をしていないというところです。

国税庁ホームページにおける両控除の
説明へのリンクを以下に貼っておきます。

タックスアンサー No.1170 寡婦控除

タックスアンサー No.1172 寡夫控除

雇用格差、給与格差も未だに厳然として
残っているのも確かであることを考えれば
この取扱いの差も分からないではありませんが、
働き方改革や男女共同参画を謳っているならば
こういうところもきっちり改正していかなければ
いけないのではないかと個人的には思います。

親子・家族の在り方、社会の在り方も
昔とすっかり変わっているわけですしね。

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消費税免税事業者からの仕入れ その2

2018年09月13日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

消費税の免税事業者との間で
行われた取引の経理処理に関し
知人から質問を受けたという話の
続きを今回はさせていただきます。

前回は触りの部分を書いただけでしたが、
一番肝心な点は、例えば物品を買った場合に、
その相手が課税事業者か免税事業者かを
確認して処理を変えるというような方法は
あまり現実的ではないということになります。

つまり、例えば近所の店で540円の文具を
事務用品として購入してきたような場合に、
それが税込み価格なのか税抜きなのかを
区別することは通常は行いません。

では、どうするべきなのでしょうか。

端的に言えば、購入した側は消費税の
基本原則に則って処理をすればいいのです。

ケース別に処理を書いたのが、下の仕訳例です。



購入した側の処理は相手が課税でも免税でも
特に扱いは変わらず同一の処理を行います。


ここで、免税事業者からの購入につき、
売却側・購入側がともに法人であり
法人税率が20%であると仮定して、
税金がどうなるのかを考えてみましょう。

売却側は売上が増えた40円分の税金8円を
国に多く納めますが、その一方で購入側は
本来であれば存在しない仮払消費税等40円を
自身が期末に納付する消費税額から差し引くので、
国の税収は差額の32円だけ減少します。

仮に免税事業者が事務用品を500円で
売却していれば売却側に差は出ませんが、
その場合でも購入側がその仕入れを
消費税課税対象外としていない以上、
仮払消費税37円が発生し、その分だけ
期末に購入側が納付する消費税が減ります。

事務用品費も500円から463円になるので
差額分(消費税分)の利益が生じますから、
そこに税が37×20%≒7円課せられますが、
国の税収は差額の30円減少します。

つまり、どちらにしても国が損をして、
売却側もしくは購入側の法人が
得をするという構造になるわけです。


租税法の原則の1つに「課税の衡平」がありますが、
そこから考えてもこれは変な話になりますよね。

しかし、消費税が直接税ではなくて間接税であり、
かつ免税事業者という制度を持つ以上は、
これは避けられない計算構造の欠陥なのです。

これだけパソコンが世の中に普及して、
帳簿・家計簿を楽に作成できるソフトも、
有料・無料含めて様々に存在する今では、
「事務負担の軽減」を理由に免税事業者制度を
設けていることの合理性・妥当性は
ほとんど無くなっているのかもしれませんが……

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消費税免税事業者からの仕入れ その1

2018年08月31日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今から8年近く前の2010年9月
まだ消費税率が5%だった頃ですが、
消費税の、いわゆる「免税点」について
簡単に説明をさせていただきました。

そこについて、先日、知人からちょっとした
質問を受けることがありましたので、
今回はその話をさせていただこくことにします。

消費税は日本国内で行われる消費活動に対し
課せられる税金ですので税額を負担するのは
最終的にその物品を使い、サービスを享受する
個々の消費者ということになります。

ですので、例えば私達がコンビニで買い物をすれば
消費税込みの料金を支払うことになるということから、
その点はご理解していただけることと思います。

そのように私達が店舗に払った消費税については、
ざっくりと説明をするならば個々の店舗が
顧客から預かった形で処理を行っており、
決算期ごとにそれを合計して国に納めています。

このように担税者と納税者が別になる税金を
間接税というのですが、これは余談ですね。

消費税法を読んでみると「日本国内で」
「事業者が事業として」「対価を得て行った」
「資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供」
には消費税が課されるとなっていて、
ここに規定されたような売上のある事業者が
上記のように消費税を納付することになります。

消費税の導入は平成元年ですけれども、
その当時に議論されていたことの1つに
個人商店などの小規模事業者・零細事業者に
消費税の計算と納付を強制するのは
事務負担が増えて大変なのではないか、
という話があって、それへの対策として
設けられた規定が免税事業者でした。

なお、免税事業者になるかどうかの判定は
年間の売上高がいくらになるかで行います。

消費税法の制定当時は3,000万円でしたが、
平成16年4月1日の改正消費税法施行から
1,000万円に引き下げられて現在に至ります。

言い換えれば、消費税課税の対象となる
課税売上が年間で総額1,000万円を
超えた場合には、その事業者は消費税の
納税義務があるということになるわけです。

この時に事業者が納めることになる税額は
これも税率が5%の時なのが恐縮ですが、
2010年9月2日のエントリーで書いています。

図なども使って分かりやすく説明したつもりなので、
よろしかったらリンク先に移動してご一読ください。

さて、そのように小規模な事業者については
消費税の納税義務が免除されるわけですが、
では、例えば私達が何らかの買い物をする際に
相手が消費税の納税義務者か免税義務者かを
都度確認するようなことをしているでしょうか。

おそらく、そんなことはしていないという人が
ほぼ100%になるのではないかと思います。

いちいちそれを聞くのは煩雑ですし
質問に答えてくれるかも不明であり、
相手に気を悪くされる可能性もあります。

そんな面倒は、わざわざ負いたくないですよね。

なお、私が知人から質問を受けたのは、
課税事業者からの仕入と免税事業者からでは
何らかの方法で処理を変えなければ
いけないのではないかということでした。

今回は基本的な取扱い部分の説明だけで
長くなってしまったのでここまでにしますが、
次回は、より踏み込んだことを書こうと思います。

すぐには無理ですがなるべく早く公開しますので、
それまで、お待ちいただければ幸いです。

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特別受益と特別寄与

2018年07月18日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今回は相続における遺産承継の
財産の相続分を考える際の
ちょっと特殊な事例となるものを2つ、
簡単に説明したいと思います。

まず最初は、「特別受益」。

特別受益とは、相続が発生した場合において
被相続人の生前に特に利益を受けていた
相続人がいるケースで、利益を受けた相続人と
利益を受けていない相続人とが公平になるよう
相続財産の配分を調整する制度をいいます。

2015年5月に「相続税の税額計算」と題した
エントリーで説明させていただいたように、
相続人の相続分は、一旦、相続により取得する
財産の価額を合計し、それを分割して求めます。

この計算において、被相続人の生前において
特定の相続人が被相続人から多額の贈与を
受けていることが分かったとしたならば、
その特別な贈与により取得した財産の価額は
相続税の課税標準の合計額に加算されます。

この、特別な贈与で財産を取得していたことを
相続税法では「特別受益」と呼んでいます。

もともと、相続発生前3年間に発生した贈与は
その贈与財産を相続財産に加算することは
以前のエントリーで説明させていただきました。

特別受益はこの規定とは別枠のものであり、
加算される期間は想像開始前3年間と限らず
5年前、10年前の贈与であったとしても
それが特定受益と認められた場合には
相続財産に加算して総額の計算を行います。

つまり、その分の相続分を相続開始よりも前に
既に受け取っていたという扱いになるわけです。

具体的な計算例を挙げてみます。

相続人が配偶者と長男、次男の3人であり、
相続財産が4,000万円、長男は以前に
事業用資産として1,000万円を贈与された、
というようなケースを想定してみます。

この場合、長男が受け取った1,000万円が
特定受益とされなければ具体的な相続分は
配偶者...4,000×1/2=2,000万円
長男・次男...4,000×1/4=1,000万円

ということになりますが、特定受益とされれば
配偶者...(4,000+1,000)×1/2=2,500万円
長男...(4,000+1,000)×1/4 - 1,000=250万円
次男...(4,000+1,000)×1/4=1,250万円

という計算が行われることになります。

それぞれの金額が大きく変わったことが
お分かりいただけるでしょうか。

特別受益に該当するかしないかというのは
争いのもとにもなる事項だといえますから、
その判定は素人判断で行うのではなく
必ず専門家に相談するようにお願いします。


「特別受益」に続くもう1つが「特別寄与」。

これは、共同相続人の中に、被相続人が
財産を維持・増加させることに対して
特別の貢献をしたと認められる者がいれば、
相続財産の総額からその相当額を控除して
具体的な相続分の計算を行うことになります。

例えば相続人が長男と息子の2人であり、
相続財産が1,000万円だというケースで
長男に特別寄与が500万円あるとします。

この場合の相続分は、兄弟それぞれに
1,000万円の半分の500万円ではなく、
長男...(1,000-500)×1/2+500=750万円
次男...(1,000-500)×1/2=250万円

という計算式が用いられることになるのです。


以上、財産相続分の2つの特殊な計算に
関する簡単な説明をさせていただきました。

特別受益も特別寄与も、ここでご説明したように
規定としては存在しているものなのですけれど、
実際に適用させるには少しハードルが高くて
争いごとになりかねないものであることは、
最後にご承知おきいただきたいと思います。

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