三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 税金・税法
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消費税法改正について その6

2019年08月13日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

いよいよ目前に迫ってきている
消費税率の10%への改正ですが、
これまではそれに伴って
請求書の書式が変わることや
仕入税額控除についての変更点を
5回に分けて説明してきました。

今回は、少し視点を変えて、改正により
一般消費者の税負担が増加して
消費が冷え込むことへの対策と同時に
キャッシュレス決済を推進せんとする
「消費税還元事業」の話をしたいと思います。

既にご存知の方も多い事と思いますが、
これは、対象となる中小・小規模事業者の
店舗等(ECサイト含む)で買い物をして
キャッシュレスで決済をした消費者には
購入金額の5%(FC等の場合は2%)を
ポイントの形で還元するという制度です。

増税により負担が増えるところを
ポイントを付与することで軽減し、
キャッシュレス決済の普及も
推進しようという狙いがあります。

対象となる中小・小規模事業者は業種により
資本金又は出資金の総額と従業員数で
制限がかかることになっていますけれども、
さらに、課税所得が15億円以下という
こともその要件の1つとなっています。

還元の対象となるキャッシュレス決済は
クレジットカードやQRコード決済、
電子マネーの利用などになります。

一般的なものは対象になっていますけれど、
自分が普段使っているものが対象に
なっているかどうかについて事前に一応
確認しておいた方がいいかもしれませんね。

ポイントの還元は決済事業者が行いますし
決済事業者には国から補助金が出るので、
民間の側には基本的に費用負担はありません。

しかし、中小・小規模事業者がこれを機に
キャッシュレス決済を導入しようとすると
インバウンドの外国人観光客を始めとした
新たな顧客獲得を期待できると同時に、
決済手数料が発生する等のデメリットも
新たに発生することになりますから、
慎重に検討する必要があるでしょう。

一方で、キャッシュレス決済に必要となる
端末を購入する為の費用の援助であったり、
還元期間中の決済手数料の一部免除といった、
導入企業に対する施策も講じられています。

このポイント還元事業へ参加する為の手続や、
ここでは書き切れなかった細かい話については
経済産業省の専用サイトをご覧になったり、
リーフレットを見たり、税理士等の専門家に
ご相談いただくのがいいのではないでしょうか。

カテゴリ : 税金・税法
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

消費税法改正について その5

2019年07月25日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

前回は適格請求書発行事業者
が発行した請求書以外の支出は
消費税等の納付税額の計算上
仕入税額控除に使えなくなる
ということをご説明しました。

このことがどのような影響を及ぼす
ことになっていくのかですけれども、
ここで大きなポイントになるのが、
適格請求書発行事業者になる為の
登録を申請することができるのが
課税事業者だけであるということです。

理屈から考えればむしろこれは当然で、
これまで免税事業者からの購入でも
課税仕入として処理していたことの方が
おかしかったのだと言えるでしょう。

つまり、厳密には払ってもいない消費税を
払ったものとして、売上時に預かった
消費税から差引きを行っていたのですから。

この点に関して国税庁が昨年4月に
作成したリーフレットがこちらです。

「消費税の仕入税額控除の方式として
適格請求書保存方式が導入されます」


この件に関しては異論反論も出ていますが、
現状はこのまま制度が適用されると
考えておいたほうが無難だと思います。

このことから、令和4年10月以降には
同じ仕事をする外注先が2社存在して、
A社は課税事業者でB社は免税事業者
というようなことがあった場合に、
課税仕入にできないB社ではなくて
できるA社ばかりに仕事の発注が
されることになることも考えられます。

もちろん、仕事の発注はそれまでの
取引履歴や実績であったり、相手との
人間関係でなされたりする面もあって、
単純に課税事業者かそうでないかだけで
決まるものではないのでしょうけれど、
可能性としては、在り得ることです。

そうして売上先1つを失うくらいであれば、
本来ならば免税事業者になれるところを
敢えて課税事業者になるという選択肢を
選ぶと言うことも無い話ではないでしょう。

つまり、納税地を管轄する税務署に対し
「課税事業所選択届出書」を出すと同時に
適格請求書発行事業者も申請するのです。

現在免税事業者として仕事をしている
小規模な事業者については、これから
令和4年までの間にこの件に関する
対応をどうするかを考える必要があります。

すなわち、課税事業者になることによる
メリットとデメリットをリストアップして
比較検討を行わなければなりません。

これは例えば2~3日くらいであっさりと
考えを決められることではないでしょう。

となれば、今のこの段階からじっくりと
時間をかけて考えていかなければ
ならないのではないかと思えます。

当事務所のような税理士事務所などの
専門家にご相談されることをお勧めします。

今年10月の消費税法改正については
軽減税率の導入ばかりがクローズアップ
されていて、確かにそれは私たち個々人の
生活に直結しても来ることですから
仕方のない事でもあるのでしょうけれども、
実は結構大きな改正事項でもある
適格請求書発行事業者と仕入税額控除の
話はほとんど話題になっていないようです。

そこが少し気になって仕方が無かったので、
こうしてエントリ1回を使って説明しました。

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消費税法改正について その4

2019年07月23日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今回は前回に続いて10月の改正で
記載内容が変更になる請求書、
特に令和5年10月以降に適用となる
「適格請求書」の説明を行います。

まず、適格請求書の例を再掲いたします。

「適格請求書(例)」


前回紹介した「区分記載請求書」から
追加されることになる記載必要事項は、
「適格請求書発行事業者の登録番号」
「税率ごとに合計した対価の額
 (税込又は税抜)及び適用税率」
「税率ごとに合計した消費税額」

の3つの項目ということになります。

この例では税抜金額で記載をしましたが、
これが税込での記載になっても構いません。

つまり、こういう表示です。

「(税込 88,000円 内 消費税 8,000円)
 (税込 43,200円 内 消費税 3,200円)」


また、新たに「適格請求書」から追加された
「適格請求書発行事業者の登録番号」ですが、
これはその名前の通り、消費税の課税事業者で
適格請求書を発行する事業者が取得するものです。

具体的には、令和3年10月1日以降になったら
納税地の所轄税務署に申請をすることになります。

売上相手から預かった消費税の金額と
仕入相手に支払った消費税の金額の
差額を税務署に納めるのが消費税ですが、
この番号の有無が、各事業者が納付すべき
消費税額の計算に大きく影響してきます。

その説明をする前に、各請求書に求められる
記載事項の違いの一覧表を掲載します。



それぞれの項目の基本的な内容については
区分記載請求書であっても適格性給与でも
変わっていないものの、さらく詳しく細かい
記載を求められていることが分かります。

なお、適格請求書への移行までの間は
区分記載請求書を使うようにするというのも
2度手間となりますし、それぞれ専用用紙を
購入したり製作したりするのも無駄ですから、
最初から適格請求書に変えてしまうという
選択肢も存在するかと思います。

実際、当事務所が推奨する㈱TKCを始め、
多くのメーカーがそのようなシステム改訂を
行っているようです(登録番号については
まだ入力はできませんけれども)。

今回の消費税法改正で大きく変わることは、
令和5年10月には適格請求書発行事業者が
発行した適格請求書を保管したもののみが
売上時に預かった消費税額から差引ける
仕入税額控除の対象となるということです。

現在は非課税もしくは不課税とされている
取引をした以外は、相手が課税事業者か
非課税事業者かを問わずに仕入税額控除の
対象として処理することが可能となっています。

それが、適格請求書発行事業者からの
仕入しか対象にすることができなくなる。

これは凄く大きな改正ですよね。

決算をすると共に納めなければいけない
各事業年度における消費税等の額が
大きく変わる可能性が予想されます。

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消費税法改正について その3

2019年07月20日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今回は前回に予告をさせていただいた通り、
10月に予定されている消費税の税率の改正と
軽減税率の導入に伴って、請求書の記載内容も
変わるということを簡単な図を使って説明します。

まず前提として、通常の税率と軽減税率という
2つの税率が併存することとなったことにより、
請求書にはその取引がどちらの税率が
適用されるものであるのかという情報を
記載しなければならなくなったということがあります。

これは、その会社が軽減税率が適用されるような
ものを取り扱ったいない場合であっても変わりません。

売却等をした側と購入した側との双方が明示的に
どの商品にはどちらの税率が適用されるのかを
はっきりと把握し、適切な会計処理を行うことを、
そういう形で担保するのだと考えてもいいでしょう。

つまり、「10%の商品を10,000円売っただけ」
という場合にも、「10%取引は10,000円」であり
「8%取引は0円」であるということを示すのです。

改正される消費税法が求める請求書の方式を
「適格請求書」といいますが、一般的には
「日本型インボイス」あるいは「インボイス」と
呼ばれていることも多いと思います。

また、「適格請求書」導入に関しては、ただ単に
請求書の書式が変わるというだけではなくて、
仕入税額控除に関する大きな改正が存在します。

詳しくは次回以降に説明しようかと思いますが、
その改正内容までをいきなり10月から
適用させようとするのはさすがに無理なので、
実際には税率等の改正から4年後にあたる
令和5年の10月から「適格請求書保存方式」
への切替が行われるということになっています。

とはいえ、軽減税率自体は導入されますし、
10%取引と8%取引の区分については
行われないと困ってしまいますよね。

そこで、経過措置的な扱いとして「適格請求書」が
義務化される令和5年10月までの間は
「区分記載請求書」という方式によって
各事業者は対応をするということになります。

書式は幾つか例示されているのですが、
代表的と思われるものを以下に示します。

「区分記載請求書(例)」


画像をクリックすると別画面が開いて
拡大表示されますが、こういった形式の
請求書を発行しなければならないのです。

従来の請求書に追加される記載必要事項は
「軽減税率の対象となる売上が
 ある場合はその旨」
「税率ごとの合計額(税込)」

の2点(前者は①と③、後者は②)になります。

他の書式の例などは、当事務所等に
お問い合わせいただいてもいいですし、
国税庁の「手引き」などをご覧いただくのも
いいのではないかと思います。

市販の販売管理ソフト等をご利用の場合は
おそらくメーカーが対応したバージョンアップを
行うのではないかと思われますけれども、
エクセルなどで請求書を作成している場合、
今のうちに、改正に対応した書式の作成を
済ませてしまうことをお勧めいたします。

なお、令和5年10月からの「適格請求書」の
例も下に掲載しておきますが、ぱっと見た
感じでは「区分記載請求書」とそんなに大きく
違うようには感じられないのではないでしょうか。

「適格請求書(例)」


ただ、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、
この「適格請求書」には右下のところに
それまでは存在しなかった「登録番号」という
「T」から始まる番号が記載されています。

実は、これが仕入税額控除の改正に
関係してくる重要な部分になります。

長くなったので、今回はここで分割します。

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消費税法改正について その2

2019年07月13日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

色々とばたばたとしていたとはいえ、
まず、随分と間があいてしまったことを
お詫びしなければなりません。

前回は10月の消費税法改正について
軽減税率制度が導入されることと、
時限立法ではなく恒久的であること、
そして軽減の対象になるものが
「飲食料品」と「新聞」の2つであること
を改めて確認させていただきました。

今回の改正は2つの税率を併用する点で
消費税法誕生以来の大改正と言われますが、
今回、大きく変わるものがもう1つあります。

それが、インボイス制度の導入。

売上と仕入れに2つの税率が混入する場合
その両者が明確に区分されていなければ
正確な税額計算をすることはできません。

それは、売上の側の消費税もそうですし、
税額控除の対象となる仕入もそうです。

そこで、取引の内容を記述した証憑書類に
それが10%の8%の取引のいずれに
該当するか記載されることが求められます。

具体的には請求書の形式の変更です。

もちろん請求書の書式自体は各発行者が
それぞれに自由に決めているわけですが、
必ずこれは記載しなければならないという
必須の事項というのは存在しますよね。

例えばそれは取引の行われた年月日であり、
取引の相手先であり、取引の内容であり、
取引の金額と言ったようなものになります。

そこに、各取引の税率表示等も付け加える、
それも1つの請求書に10%取引と
8%取引をそれぞれ明記するような形に
変えなければいけないというのが、
ざっくりとした改正内容になります。

この、消費税法改正による書式の変更ですが、
従来の「請求書」に対して改正後のものを
「適格請求書」と呼び、これを保存することが
求められる改正消費税法における制度のことを
「適格請求書等保存方式」と呼びます。

この改正後の新しい制度のことを通称して
「インボイス制度」というのですけれども、
ニュースでも多少取り上げられたりはしたので、
聞いたことがあるという人もおられるでしょうか。

インボイスという言葉は輸出入取引の時に
通関手続で必要になる取引明細書という
イメージを持つ人も多いかもしれませんね。

実際はインボイス(invoice)という英単語が
そもそも請求書や納品書のことを指すので
輸出入の専門用語や用紙のことをいう
言葉というわけでは無いのです。

ちなみに輸出入で通常必要になるのは
コマーシャル・インボイスと呼ばれる書類。

英語表記なら、Commercial Invoice です。

これは「商業送り状」等と訳されたりしますが、
要するに「商売で使う価格等明細書」といった
意味合いで考えていただけばいいでしょう。

今回の改正で導入されるインボイス制度の
インボイスは輸出入取引におけるそれが
明細書というニュアンスが強いのに対して
請求書の性格が強いわけですけれども、
取引の明細を記載するという点では同じです。

例えばこれまでの請求書と比べた場合に
どのような違いが出てくるのかということは
次回に説明させていただきたいのですが、
イメージとしては「明細書」の要素が強くなる、
つまり消費税率が通常の10%である取引と
軽減課税の8%が適用される取引との
明細を記載しなければならなくなるのです。

ただし、今年の10月になったら即座に
請求書の記載内容を変更しなければ
ならないというわけでもありません。

その辺りのことも含めて、次回はなるべく早く
掲載しますので、少しだけお待ちください。

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定期保険等の税務取扱い 改正

2019年07月08日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

法人が節税を考えた時に選択しうる対策として
非常にメジャーだったのが解約返戻率の高い、
つまり(全額ではなかったりするにせよ)支払った
保険料を損金に算入して利益を圧縮すると同時に
将来の役員退職金などの資金を積み立てるような
定期生命保険を積極的に活用することでした。

しかし、積立効果がある、つまり資産性があるような
保険を損金で処理するというのは法人税本来の
課税所得計算の考え方からいえば変な話であって、
この7月8日についに税務取扱いが改正されました。

これまでの取扱いがどうだったのかということと
比較していくようなことをしてもいいのですけれども、
一部で危惧されていた既存契約への遡及適用は
最終的には行われないこととなっていますので、
この際、大事なのはどこがどう変わったのかよりも、
これからがどういう取扱いになるのかだと思います。

ですので、ここでは改正後の取扱いがどうなのか、
それを紹介するに留めておくことにいたします。

言葉で一つ一つ説明をしていってもいいのですが、
おそらくそれだと、今回の改正内容を理解するのは
かなり難しいので、とりあえず図にしてみました。

クリックしていただければ、別画面が開いて
拡大表示されるようになっています。

「定期保険の税務取扱い改正」


これでも分かりにくいかもしれませんが……

要するに、最大解約返戻率が高い保険、
つまり積立効果の高い保険契約の場合は
一定期間まで損金算入額が抑制され、
その抑制幅は最大解約返戻率が高いほど
大きいものになるということになっています。

細かいことを言うと、これ以外にも色々な
規定があったりもするのですけれども、
まずはこの図レベルでご理解ください。

もっと詳しく知りたいという思われた人は、
税理士もしくは税理士事務所職員か、
生命保険会社の担当営業などに
お問い合わせいただければと思います。

ひとまず、今回はご一報まで。

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消費税法改正について その1

2019年05月23日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

2019年の税制的に最大のトピックスは
何といっても消費税法の大改正、
つまり、10月からの税率の引き上げと
軽減税率の導入になるでしょう。

個人の生活感から言えばこの2つだと
8%から10%へと消費税率が上がる
ということの方がインパクトがあるでしょう。

しかし、税法的な話から言うのであれば、
軽減税率導入の方が大きな変化です。

これは時限立法である租税特別措置法ではなく
消費税法の本法が改正されての制度なので、
10%に増税するにあたって消費者対策として
一時的に導入されたというようなものではなく、
恒久的に2つの税率が併用されるというものです。

つまり、それまでは経過措置の対象として
旧来の税率が適用されている取引を除き
1種類の税率しか存在していなかったものが、
日常的に普通に行っていく取引の中に
改正によって10%のものと8%のものという
2種類の取引が混在するようになったのです。

改正された消費税率が適用される10月までは
昔から継続されているような一部取引を除き
新たに行われた取引は全て8%で処理します。

しかし、10月以降は新規取引については
それが10%の取引か、それとも8%なのかを
確認して個別に会計処理をしていくということが
必要にして欠かせないことになってくるのです。

というのも、ここを間違えると納付するべき
税額が変わってしまうことになるからです。

わずか2%であればそんなに大きな差には
ならないのではないかと思うかもしれませんが、
当然ですが取引が増えて総額が高くなれば
その差はどんどん開いていくことになりますし、
今後、税率が例えば15%、20%という風に
どんどん上がっていくかもしれないとすれば、
8%の軽減税率との差も開いていきますよね。

消費税率がこれ以上は上がらないというのが
一人の消費者としては望むところですけれど、
高齢化が進むと社会保障費も今以上に増え、
その財源として消費税の税率が上がることは
充分考えられることだと言えるのでしょう。

となれば、何が通常税率の適用対象であり
何が軽減税率の適用対象なのかということを
正確に把握しておくことが重要になってきます。

そんなことは改めて書かずとも知っていると
言われてしまうかもしれないのですけれども、
今回の消費税改正に関する説明の最初には
やはりこれを書いておかなければなりません。

軽減税率(8%)の適用対象となるのは、
「飲食料品」と「新聞」の2つとなっています。

ここで、「飲食料品」についてはその範囲が
「食品表示法で規定されて「いる食品」であると
定められています(ただし酒類は除く)ので、
一見「飲食料品」と思えるものであったとしても
食品表示法上の食品に指定されていなければ
軽減税率の対象とはならないことになります。

よく話題に挙げられるところを例として言うならば
清涼飲料に分類されるオロナインCは8%で、
医薬部外品に分類されるリポビタンDは10%と、
大塚製薬㈱と大正製薬㈱とで同じような飲料でも
軽減税率の扱いが全く違っていたりします。

また「新聞」についても何でもいいのではなく、
「定期購読された物であること」という要件と
「週に2回以上発行されること」という要件の
2つを満たした物のみが軽減対象となります。

つまり、駅の売店やコンビニで買った新聞や
発行頻度の少ない業界紙などである場合は
軽減税率の対象とはならないのです。

10月の消費税法改正の基本的な知識として、
まずはこの点を覚えるようにしてください。

以上、長くなりましたので、今回はここまで。

次回以降は、軽減税率の導入に伴って新たに
導入されることになるインボイス制度について
説明を始めて行きたいと思っています。

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源泉税の徴収と「租税条約」 その2

2019年04月28日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

前回は、国境をまたいで行われる
著作権などの使用や人的役務の提供で
その取引から生じる利益に対する課税権が
どちらの国にあるのかということに関する
原則的なルールについて書きました。

その時に最後にちょっとだけ触れたように、
原則はもちろん原則としつつ、国と国とで、
お互いの間で行われるこういう取引については
特別な取扱いを取り決めることがあります。

それが、いわゆる「租税条約」です。

例えば相手国が保有する特許などの権利を
国内で使用する、その使用料の支払をする場合は
使用地が日本ということになりますから、
国内企業は支払額から20.42%の源泉税を
徴収してこれを税務署に納付しなければなりません。

しかし、例えば相手国がアメリカの場合であれば、
租税条約の適用を受けることでこれが0%に、
中国の場合であれば10%に減額されます。

ただ、何もしないでそのまま放っていたら自動的に
租税条約が適用されるというわけではありません。

租税条約の規定を利用しようとするのであれば、
「租税条約に関する届出書」という書類を
提出しなければいけないことになっています。

この届出について注意しなければならないのが、
これを提出するのは源泉徴収をする側、
つまり使用料などを支払う側ではなくて、
その支払を受けることによって利益をうける
相手国側の取引相手だということです。

実務的には新規の取引を始めるにあたって
その国と日本とが租税条約を交わしているか否か、
そしてその内容がどういうものかを確認し、
もしも適用を受けることが有利と判断したら
相手国の取引先に「租税条約に関する届出書」と
必要な添付書類を用意してもらった上で
それを税務署に提出するという流れになるかと。

そういっても、租税条約の締結状況なんて
どうやって調べたらいいのか分からないし、
条約の文章を読んでも内容が難しくて
はたして自分達が行おうとしている取引が
適用対象なのかどうかも分からない。

そう感じられる人もいらっしゃるでしょう。

そういう場合には、お近くの税理士などに
お問い合わせ、ご質問いただくのが
安全で確実なのではないかと思います。

特に国際租税、租税条約関係はかなり
ややこしい話にもなったりしますので、
事前にプロにご相談していただくのが、
のちのちに無駄なトラブルが生じたり
税務調査での指摘を受けたりすることを
避けるためには有効なのではないでしょうか。

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源泉税の徴収と「租税条約」 その1

2019年04月18日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

例えば日本とアメリカとの間で
著作権などの使用であったり
人的役務の提供などが行われる
取引を考えてみましょう。

二国間の取引において課税上問題になるのは
その収益がどちらの国に帰属するのかです。

つまり、俗な言い方をしてしまうのであれば、
その取引の結果として生じる金銭に対して
どちらの国が税金を得るのかといことですね。

アメリカの著作権を日本で使うケースだと
その使用料から利益を手にするのは米国人、
しかしながらその著作権が使われた場所
すなわち利益が生じた場所は日本です。

そういった点を踏まえて考えてみると、
どちらの国にもこの所得に対して課税する
もっともな理屈がつくことが分かります。

ここで双方の主張が対立してしまって
お互いに一歩も引かないようになっては、
議論が感情的になってしまう恐れもあり
どちらにとっても良いことはありません。

その利害調整を行う必要があります。

とはいえこれは国家間の問題ですから
一方の国家が一方的に課税を決めたら
それこそ大変な事態になりかねません。

そこでルールとして決められたのが
「使用地主義」という原則的な取扱いで、
これにより二国間取引においては
権利などの使用地の属する国が
その対価から源泉所得税という形で
一定の税金を得ることになります。

日本における源泉徴収税率は20%で、
復興特別所得税を含めれば20.42%。

相手国、つまり支払を受ける者の属する
国は利益や売上に対して税額を算出し、
そこから使用地国で徴収された税金を
例えば「外国税額控除」のような形で
減額するという流れとなるわけです。

さて、原則はそのような形であるとしても、
それと違う取扱いを望む国もあるわけで、
当然そのような場合には原則と異なる
個別の取扱いを定める必要がでてきます。

そこで、両者によって協議が行われます。

つまり、国と国との正式な取り決めである
二国間条約が締結されることになるわけです。

税金に関する条約ですので「租税条約」、
正式には「所得に対する租税に関する
二重課税の回避及び脱税の防止のために
締結される条約」という名前になります。

その結果、例えばどういったことになるのかは、
また次回にご説明させていただきます。

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源泉税納付書の書き方

2019年04月11日  
国税庁ホームページJR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

いよいよ来月から元号が変わり、
新しい令和元年が始まりますが、
今回の改元を受けて税務では、
例えば源泉所得税の納付書について
どのように和暦を書くのかという話が
色々と言われていたりしました。

この件は、国税庁が既にホームページで
どのような取扱い・書き方にするべきかを
公開していますので、ここでも紹介します。

まずは、下の表をごらんください。



基本的に5月1日以降は「平成31年」ではなくて
「令和1年」という扱いになるのですけれども、
「年度」に関してだけは来年3月31日になるまで
「平成31年度」になるというようになっています。

ただ、これだけではピンと来ないでしょうから、
国税庁作成のリーフレットについても
以下にリンクを設定させていただきます。



画像をクリックしていただければPDF版の
リーフレットが別画面で立ち上がりますが、
こちらだと具体的な画像で説明されており、
かなり分かりやすいのではないかと思います。

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税務行政に関する企画・立案。国税局・税務署の指導監督省庁です。


国税庁タックスアンサー

各種税金の仕組みや届出書、様式の説明、用語解説や各地の税務相談室の案内を記した国税庁サイト内のコーナーです。キーワード検索もできます。


内閣府

Topページの下部に、政府税制調査会のページへのリンクがあります。そこに掲載されている議事録などから、今後の税制改正の動向を知ることができます。


国税不服審判所

国税に関する法律に基づく処分に係る審査請求について裁決を行い、納税者の正当な権利利益の救済を図る機関です。ネット上で判例集が利用できます。



宮内会計事務所

吉祥寺にある税理士事務所。私の勤務先です。

(別サイト)

上記勤務先の、新規起業者向けの特別サイトです。



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