武蔵野市(三鷹市)吉祥寺、とある税理士事務所職員の日常 会計・経理

期末時価評価と未実現利益

2017年02月20日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

このブログで8月から10月にかけて
3回にわたって会計上の利益が
そのままキャッシュの増減と
一致しないということについての
主だった原因を説明しました。

その最終回の最後にちょっと触れた
有価証券やデリバティブ商品の時価評価に
関する問題を今回は書いてみようと思います。

といっても、全てを書こうとすると長くなるので、
今回は主に資金繰り、キャッシュの面から。

国内の会計基準を国際的なそれに合わせること、
株主や銀行などの利害関係者(ステークホルダー)に
その会社が現在どのような財務状況にあるのか
より的確に判断できるデータを提供すること、
といった目的からいわゆる「時価評価」が
導入されたのは平成12年4月のことでした。

この「期末時価評価」の対象となるのは主に、
売買目的の有価証券と未決済デリバティブ取引。

前者に関しては、会社が保有している有価証券を、
「売買差益を得ることを目的とするもの」と
「配当が目的の株式、子会社など関係会社の株式、
利息目的で償還まで保有する公社債 等」の
2つに大別して、流動性が高くて相場の影響を
大きく受ける前者のみを期末の時価に換算します。

後者は、期末にはまだ決済はされていないけれども、
その時点での(いわゆる)「含み損益」を認識して
同額を帳簿に記載する処理を行います。

なる程、その会社へ投資することが是か非かを
判断するのには、貸借対照表上に記載されている
資産が実際にはどれくらいの価値があるのかを
把握することは大いに重要な指針となるでしょう。

ですので、会計的には「時価会計」も「減損会計」も
どんどん実施すべきであると私も思います。

ただ問題は、税金の計算について。

基本的に法人税は利益課税で、事業活動を通じて
法人が得た「利益」に担税力を求めて
そこに税率を乗じて税額が算出されます。

この場合の利益とは、その物品やサービスが
実際に引き渡されたり実施されたりすることで
その対価の金額と、それを収受することが確定
されている取引から生じるもののことを言います。

では、上記の株式や未決済デリバティブ取引を
この観点から考えてみるとどうでしょうか。

株式は売却を決めたわけではありませんし、
デリバティブ取引はまだ決済されていませんから、
つまり利益は確定したものでは無くて
あくまでその時点での「見込み」に過ぎず、
もちろん、現金化もされていません。

しかし、現行の法人税法ではこれ等の時価評価に
伴って生じた利益や損失はそのまま税法上の
益金または損金として認識することになっています。

つまり、仮に有価証券評価益が1,000万あった場合、
本業では利益が得られずに100万の赤字だとしても
差引900万円の税引前当期利益が生じたとして
法人税や都道府県民税等が課税されるのです。

確定していない、現金化されていない利益に
担税力を求めて課税をしているわけですね。

未実現利益を課税所得に含めて税金を課すのは、
未だ現実のものとしては存在しないところに
担税力を求めていることに等しいわけです。

例えば前述の例であれば、赤字決算となって
資金繰り的にも厳しいところに追い打ちをかけて
(極論をすれば)ありもしないキャッシュから
税金を納めろと言っているわけですよね。

これはその会社のキャッシュフローを悪化させ、
安定性を損なうことになってしまうのではないか。

私は、そのような違和感をずっと感じています。

外部の利害関係者に対する情報提供として
損益を認識することはむしろ推進すべきですが、
それをそのまま益金や損金に算入するのは
ちょっと違うのではないか、ということですね。

売買目的の株式投資は資金に余裕があるから
やっているのだろうし、納税資金が無ければ
その株を売却すればいい、ということなのでしょうか。

仮に、株についてはそれでいいとしても、
デリバティブ取引は即時の現金化が
難しいことが多いですし、特に為替予約は
そこまで資金の余裕が無くても行っている
会社も少なからずあると思われます。

うーん、私見ですが、やはり、これについては
法改正をすべき余地がある様に感じられますね。

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テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

7年、そして10年

2016年12月14日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

ちょっと前のことですが、つくばエクスプレス(TX)を
運営している首都圏新都市鉄道株式会社が
法人税法の規程であれば本来7年間は保存すべき
領収証をわずか1年の保管で破棄していた為に
国税から是正指導を受けたというニュースがありました。

帳簿書類等の保存期間に関する法人税の規程を
ここで改めて簡単に説明させていただくと、
請求書、納品書、領収証等の証憑書類と、
総勘定元帳との両方を基本的には決算終了から
7年の間保存しなければならないという旨が
はっきりと法律の中で謳われています。

今回の首都圏新鉄道のケースはこの規定の違反で、
各駅での定期券や切符の領収証が捨てられていたそう。

是正指導も口頭でのものということですし
そもそもこの違反そのものには罰則も無いので
そこまでのおおごとにはなっていませんけれど、
法律違反であることには間違いありませんし
今後のしっかりした対応が求められています。

領収証の保存を怠ったことで会社が被る不利益は
単純に、以前の取引の詳細が確認できなくなる、
ということに尽きると言うことができると思います。

税務調査等があった際に過去の取引実態について
説明・証明をすることができなくなりますし、
消費税の計算における仕入税額控除が
否定されてしまうという可能性も十分にあります。

また、社内で不正行為が行われたことが発覚した際に
その内部調査をする為の材料も無くなってしまいますね。

これは、結構なマイナスですよね。

なお、上では保存期間を「7年」と書きましたが、
これはあくまでも基本的な話であって、
青色欠損金額の繰越控除制度の規定の適用を
受けている法人の場合にはその繰越期間、
最長で9年間の保存が義務付けられるケースも。

さらに、会社法では会計帳簿及び重要な資料と
計算書類及びその附属明細書については
10年間の保存が求められていますし、
許認可の関係で10年分の書類が必要になる
こともありますので、実際のところは
10年間の保存というのが無難だと言えます。

とはいえ、ペーパーの資料を大量に保存するというのは
確かに大いに場所をとって邪魔にもなったりしますし、
できればやりたくないと考えるも分からなくはありません。

それを回避する為の電子帳簿保存という方法もありますが、
これについてはまた別の機会に説明させていただきます。


国税庁タックスアンサー No.5930
「帳簿書類等の保存期間及び保存方法」

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不動産の使用料等の支払調書

2016年11月27日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

年末調整に使う用紙は
もう必要事項の記入を済ませ、
保険料の控除照明などと一緒にして
勤務先へ提出を済ませているでしょうか?

昨年から扶養控除申告書には従業員自身と
その扶養家族のマイナンバーを記入する欄が
追加されているのはご存知だと思います。

これは原則、しっかりと記入するものですが、
いわゆるマイナンバー法よりも上位に位置する
個人情報保護法の規定により本人の意思に反して
個人情報の提出を強要することはできませんので、
実は、本人がどうしても嫌だという場合には、
書面などでその意思表示を明確にすることで
その記入をしないことも可能ではあります。

また、事業者サイドから考える際には、
この、強制はできないということに加えて
その必要も無いのにマイナンバーを
収集してはいけないということも重要です。

毎年1月になると作成しなければならない
報酬や不動産の使用料等などの支払調書も、
その支払先が個人である場合には
その人のマイナンバーを記入しなければ
ならないとされているわけですけれども、
ならば、全ての支払先のマイナンバーを
収集すればいいのかというと、これは間違い。

そもそもそれぞれの支払調書には
年間の支払金額を基準として税務署への
提出の要否が決められています。

例えば「不動産の使用料等の支払調書」は
年間の支払金額が15万円以下である場合、
仮に月額1万円の駐車場を1年借りて、
12万円を支払ったというような場合には、
調書を税務署に提出する必要がありません。

こういうケースでマイナンバーを収集してしまうと
単に無駄なことをしたというだけでなく、
必要のないことで個人情報を聴きだしたということで
違法行為を行ったことになってしまいます。

ただ、提出不要の支払調書を敢えて提出する、
と言う場合にその調書に記載される人の
マイナンバーを収集することは違法行為ではなく、
むしろ法が定める義務でもありますから、
つまりは、その法定調書を提出するか否かが、
マイナンバーを収集すべきかそうでないかの
基準になると考えていただけばいいでしょう。

詳しくは、国税庁がHP上で公開している
「法定調書に関するFAQ」がなかなか役立つので、
そちらをご覧いただくのもいいかと思います。

いずれにせよ、法定調書に限った話では無く、
マイナンバーの収集と取扱いには
色々と注意すべきことが多いですから、
分からないこと、曖昧なこと等があった場合には
そのまま放置せずにすぐに税務署や
税理士などにご相談ください。

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テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

会計上の利益とキャッシュとの乖離 3

2016年10月21日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

月次の残高試算表や決算表上の
利益の金額とキャッシュの動きが
合わないことの原因についての説明、
第3弾を書かせていただきます。

といっても、第1回目の「売掛金」「買掛金」の話、
第2回目の「減価償却費」と「借入返済」の話で、
どの事業者でも大体の場合に発生するような
主だったものについては説明しましたので、
今回はちょっと特殊なものについて書きます。


まずは、「売買目的有価証券の時価評価」

企業などが保有する有価証券(株式等)には、
会計的には大きく2つの種類があります。

「売買目的有価証券」は文字通り売買差益が目的で
購入したものであり、比較的短期の売買を行って
購入時と売却時の差額で利益を出すのが目的です。

一方、「投資有価証券」には「満期保有の債券」や
「子会社や関係会社の株式」等が計上され、
つまり売買金額の差額をどうこうしようというのではなく、
満期になって償還されるまで保有することで
その間の利金を受け取って利益を得る公社債や、
相手企業への影響力の行使が目的で保有する株券等、
基本的に売却を考えないで保有しているものになります。

会計、税法は原則的に資産は購入価額で評価しますが
上記のうちの「売買目的有価証券」については、
そもそも短期の売買を想定しているものであり
かつ通常は相場があって時価がはっきりしているので、
期末決算時において、その時点での価値がどれくらいなのか、
含み益があるのか、それとも含み損が出てしまっているのかを
明確に示すことが株主や銀行などの利害関係者に対して
会社の状態を適切に示す為に必要になると考えられます。

そこで、こういった有価証券で期末時に保有するものは
その時の時価によって評価をしなければならず、
購入額との差額については評価差損益として
損益計算書(PL)に記載されることとなります。

なお、この差損益については翌期首に再度
購入時の金額に戻す洗替処理を行うのですが、
今回の話とはズレるので、別の機会に説明します。

実際の売買は期末時点ではまだ行われていないので
当然キャッシュの増減も現実には起きておらず、
ここに、会計上の利益(損失)の金額と
実際の現金の動きとの間の差が発生します。


この「売買目的証券の時価評価」と同じような処理を
するものとして「デリバティブ商品の時価評価」があります。

デリバティブ、と言われてもピンと来ないでしょうが、
先物取引などの積極的な投資活動を行っていなくても
例えば「為替予約」等をしているような場合、
これは為替デリバティブ取引に該当しますので、
上記の売買目的有価証券と同じ理由により
これも期末の決算時にその時の価格によって
時価評価をしなければならないということになります。

ただ、有価証券と違って相場があることは少ないので、
為替予約取引の相手である銀行や証券会社から
期末時価評価額の資料をもらうというのが違うところ。

これも、実際の取引がまだ行われていないものなので、
評価損益としてPLに計上した金額の分だけ
実際のキャッシュの動きと利益(損失)の金額が
ズレることになるということはお分かりいただけるでしょう。


以上、3回に渡って「会計上の利益とキャッシュとの乖離」の
主な原因の説明をしてきたわけですが、いかがでしょうか。

今回はできるだけ端的にかつ簡潔に書こうとしたので、
逆に分かりにくくなってしまった可能性もあるのではないかと
不安になっているところもあるのですけれども、
ひとまずこの話題については今回で終わりとさせていただきます。

なお、今回説明した有価証券やデリバディブ商品の
時価評価については大きな問題もあるのですが、
それは、また別の機会にこのブログで書こうと思います。

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会計上の利益とキャッシュとの乖離 2

2016年09月27日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

月次の残高試算表や決算表に
記載されている利益の金額と
実際のキャッシュの動きが
違っていることの主な原因について、
その第2弾を今回は書きたいと思います。

前回 は「売上」と「仕入」の計上時期と
実際の入金・支払タイミングとの違いから、
上記のズレが生じることを説明しました。


今回は、まず「減価償却」について書いてみましょう。

2010年末から翌年にかけて3回に分けて
「減価償却」の考え方や会計処理を
説明していますので、「減価償却」について
分からないという人は下記をご覧ください。
(減価償却とは その1その2その3

少し前の記述ではありますが、リンク先にあるように
「減価償却」とは資産の購入に要した費用を
購入した事業年度から数年かけて
段階的に損金としていく処理になります。

例えば、100万円で購入した備品を
10万円ずつ10年かけて経費にしていく、
というようなイメージを浮かべてみてください。

この場合キャッシュはローン等を組んでいない限り
購入初年度に全額支払いがなされていますので、
初年度はキャッシュが利益よりも90万少なく、
2~10年目は逆に10万多いという差が生まれます。

上記の例で、100万円の代金を5年ローンにして
毎年20万ずつ支払っているのだとすれば、
話は更に複雑になるのですが、基本は同じこと。

もちろん一概に言い切れない部分もあるのですが、
「減価償却」とキャッシュの関係は基本的には
金額の高い資産をたくさん保有している事業者程、
利益とキャッシュのギャップは大きくなる、
と思っていただいてもいいのではないでしょうか。


続いて、「借入の発生と返済」について。

これは、借入の発生が利益(益金)になるか、
そして返済は経費(損金)になるか、ということを
考えていただけばお分かりいただけると思います。

もちろん返済に伴って発生する利息については
支払った額が費用となって計上されますが、
例えば銀行からの借入とその毎月の返済の元本は
あくまで事業主と銀行の間で現金が移動したに過ぎず、
そこにとりたてて利益や費用は生じません。

しかしキャッシュにはしっかりとプラスとマイナスが
あるわけで、ここに利益とキャッシュの差が生じ、
借入金額が多い程、あるいはその返済月額が多い程、
この差は大きくなることになります。


少し文章が長くなってきたので今回はこれまでにし、
第3回はちょっと利益とキャッシュの乖離について
これまでとは少し目先の違うものを採り上げてみます。

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テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

会計上の利益とキャッシュとの乖離 1

2016年08月29日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

月次監査や決算時の打合せ等の際に
しばしば聞かれることがある事項の1つに、
損益計算書では利益が出ているのに
手元に現金が残っているという感じがしないのは
何故なのかということがあります。

その理由は幾つかあるのですが、
まず今回は主だった物の説明を
簡単に書いてみたいと思います。

実際の数字や資料を示しながらではなく、
文章だけでの説明になるので
少々分かりずらいかもしれませんけれども、
そこはお許し願えれば幸いです。


まず、会計上の「売上」や「仕入」の計上時期が
かならずしもキャッシュの動きと同じではない、
ということが挙げられるでしょう。

例えば、「売上」については「引渡し基準」、
つまり扱っている商品(もしくはサービス等)が
相手先に渡された時点を以って売上を認識し、
会計上も計上を行うということになっています。

ここで言う「引渡し」の時期は具体的にはいくつかあって、
例えば「出荷」の時点だったり「納品」の時点だったり
建築物や工場用の大規模機械の場合には
相手方による出来上がった商品のチェックが終わった
「検収時」を「引渡し」の時期と考えたりします。

この内のどれを選ぶかは会社それぞれですが、
その事業内容や取扱商品から考えて
最も適当であると考えられるものを選択します。

さて、そうして計上される売上ですが
小売店での現金売りや代引き通販等でなければ、
その代金が即座に手元に入金されるわけではなく、
継続的な取引を行っている得意先に対しては
月単位で請求書を発行して翌月や翌々月に
その記載額を支払ってもらうという
「掛取引」を行うのが一般的な商習慣です。

ここに、会計上の利益と実際のキャッシュの
動きがずれることになる原因があるのです。


一方の「仕入」ですが、これは「売上」の裏返し、
こちらが商品を受け取る側であると考えれば
ほぼ同じことになりますので説明は割愛します。

一般に、決算書の貸借対照表に記載された
「売掛金」の金額が大きい程キャッシュはマイナスに、
「買掛金」の金額が大きい程プラスになります。

もちろん、これだけが利益とキャッシュの
ずれを生み出すわけではありません。

次回は、今回の「売上」「仕入」とは
別の要因について簡単ではありますが
説明して行こうと思っています。

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移転価格税制のローカルファイル

2016年07月29日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

あくまでも私見ではありますが、
ここのところ国税当局は企業の行う
各種の取引の中でも国境を越えて
行われるものに対して特に注目を
しているのではないかという印象があります。

それは具体的な物品の移動のみならず
金銭の移動についても同様であり、
海外へ行った送金の内容だとか
その為替変動リスクへのヘッジである
為替予約といったデリバティブ取引の
会計処理がどうなっているか等も含みます。

一般論として税務署等が気にするのは、
不正送金の有無もありますけれども、
そこに租税回避行為があるかどうかでしょう。

パナマ文書に関するニュース等の報道で
いわゆるタックスヘイヴンを利用した
租税回避行為については広く知られるように
なったかなという気がしますが、
ここで私が採り上げるのはそれではなくて
いわゆる「移転価格税制」の話です。

これについては去年の8月にこのブログで
既に簡単な説明をしていますので、
概要はそちらをご覧いただければと思います。

海外の関連企業との間で行われる取引を
一般的な市場価格で行っている場合には
特に問題も無い話ではありますけれども、
資本関係のある会社、例えば親子会社間で
行われる商品仕入、材料仕入などの場合は
それと異なる価格が用いられることもあるでしょう。

問題は、それが不当に高かったり安かったりして、
本来であれば国内の所得として課税されるはずの
利益が海外に移転されてしまっていないか。

その辺りをクリアにするという意味もあるのでしょう、
今年の4月1日以降に開始する事業年度から
国外関連取引を行った法人に対しては
一定の書類の作成が義務付けられることに
なったのを受けた事務運営指針等が
国税庁により先月末に発表されました。

移転価格税制に係る
 文書化制度に関する改正のあらまし


独立企業間価格を算定するために
 必要と認められる書類(ローカルファイル)
 作成に当たっての例示集


中小企業でこの規定の対象となるような会社は
あまり無いのではないかと思いますが、
読み物として参考までにご紹介します。

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研修を受けてきました

2016年06月25日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

以前にもこのブログで紹介したことのある
㈱TKCのFinTechサービスについて、
その操作方法などの研修に行きました。

機能としての限界も幾つか見られましたけれども、
なる程、これはなかなかに使えそうなものです。

ここのところ他社が提供している同様のサービス等も
ニュース等で幾つか見ることが多くありましたが、
会計基準や税法などに完全を遵守していること等、
㈱TKCならではのところは、さすがですね。

仕訳パターンを記憶させていく過程があるので
導入後もしばらくの間はそれなりに手がかかりますが、
ある程度使い続けて行けばかなり便利そう。

興味があるという方は下のバナーをクリックして
そのリンク先(当事務所HP内の特集ページ)を
ご覧になっていただく他、関与先様であれば
各監査担当職員などにお気軽にお尋ねください。

無条件に導入できるわけではありませんけれど、
特に多くの銀行口座を有して月の取引量が
多いというような事業主様などにとっては、
会計処理の効率化と時間の有効活用に貢献し
経理担当者の負担軽減に大いに役立ちそうです。




カテゴリ : 会計・経理
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TKC の FinTech サービス

2016年05月27日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

私の勤務先である宮内会計事務所の推奨する
会計ソフトである㈱TKC製のプログラムは、
平成28年6月1日の改訂により新たに
FinTech(フィンテック)サービスが開始されます。

急にそのように言われても「FinTech」というのが
果たしてどういうものなのかよく分からない
という人も、多いのではないかと思います。

今回、㈱TKCが提供を開始するのは端的に言えば、
「ネットバンキング契約のある銀行の入出金明細や
クレジットカードや電子マネーの支払明細
といった取引データを、会計ソフトに仕訳データとし
て読み込めるようになるサービス」です。

従来は、通帳やレシート、カード利用明細などから
個別に手で会計ソフトに入力していたものが、
TKCのデータセンター(TISC)を利用した
クラウドサービス「FinTechサービス」を経由することで
自動的に会計ソフトに読み込まれることになり、
毎月の取引仕訳において大きな割合を占めていた
預金仕訳に係る経理事務の省力化が達成されます。

これまで仕訳入力に要していた時間を
大幅に短縮することも可能というわけです。

下のバナーをクリックしていただけば、
このサービスの内容を解説する特設ページが
別ウィンドウで開きますので、よろしければ、
そちらも是非、ご覧いただければと思います。

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有給休暇の上限などについて

2016年05月09日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

GWも終わりましたね。

今年の4月から初めて社会人になった
人達も多少は新しい生活に慣れたか、
朝晩の通勤電車の中での姿や
街中で見かける姿にも少しは落ち着きや
余裕のようなものが見受けられるかな、
というような感じになってきましたね。

しっかり働いて給与を得つつ余暇を活用しよう
というようなことを考えている人にとっては、
「有給休暇」への関心も大きいかもしれません。

有給休暇は労働者に与えられた権利であり
雇用者にとっては義務であるわけですけれども、
その付与方法は各事業者がそれぞれ
規程を作って定めていたりします。

が、これは好き勝手に決めていいのではなくて、
労働基準法により、これだけの期間勤めていたら
これだけの有給休暇を付与しなければならない、
という最低基準が定められていますので、
事業者は、その基準以上の有給休暇を
付与する内容の規程を作らなければいけません。

参考までに、厚生労働省が公表している
パンフレット「有給休暇ハンドブック」へのリンクを
下に貼っておきますのでご参照ください。


 「有給休暇ハンドブック」

勤め始めて半年で5日、最大で年に20日、
有給休暇は与えられることが分かります。

なお、その年内に消化しきれなかった有給休暇は
翌年に持ち越されることになるわけですが、
そこでも消化できなかった場合にどうなるかというと、
これは、切り捨てられてしまうことになります。

つまり、年間の有給残日数は、最大で40日なのです。

これは、同じく労働基準法において退職手当を除いて
賃金その他の請求権は2年の時効で消滅する、
と定められていることによるもので合法的なことです。

この時によく言われることに、どうせ取得できずに
消えてしまう有給休暇であるならばいっそのこと
買い取ってもらうということはできないのか、
という話があるのですけれども、
雇用者側に、これに応じる義務はありません。

そもそ労働基準法ではあらかじめ有給を買い取る
という行為そのものを法に反するとしています。

ただし、消滅してしまう有給休暇に相当する金銭を
会社が労働者に支払うことは違法ではないので、
労使間の協定でその旨が定められているような場合は
時効により消滅する有給を買い取ってもらうことも
法的に問題なく可能となっています。

有給休暇を最大限有効活用しようと思うのであれば、
実際に有給を取得するということの他に
自分の勤め先の規程の確認をするということも、
大事になってくると言うことができるでしょうか。

そうは言っても有給が取りにくい空気があるんだよ、
という人もいるでしょうし、いくら労働者の権利とはいえ
無理やりに有給を取得することは門がたちます。

そんな風潮を反映して法改正を行って、
雇用者が従業員に時期を指定して最低年間5日の
有給休暇を取らせることを義務化するという
動きもあるにはあるのですけれども、
これがどうなるのかも注目すべき点でしょう。

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