三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 読書
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「ヒト夜の永い夢」

2019年08月11日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

あちこちで作者の最高傑作ではないかと言われ、
読んでみて実際その通りだなと私も思ったのが、
今年の4月に出た柴田勝家の「ヒト夜の永い夢」。

彼の著作は単行本・文庫になっているものは
これまでに一通りを読んできているのですが、
ジャンル的に昭和伝奇SFといえる本作は
過去の作品に感じてきた物足りなさもなく、
かなり厚めの文庫を最初から最後まで
一気に読み切らせる面白さがありました。

ちょっと粗筋を紹介してみましょう。

昭和2年。稀代の博物学者である南方熊楠のもとへ、超心理学者の福来友吉が訪れる。福来の誘いで学者たちの秘密団体「昭和考幽学会」へと加わった熊楠は、そこで新天皇即位の記念行事のため思考する自動人形を作ることに。粘菌コンピュータにより完成したその少女は天皇機関と名付けられるが―時代を築いた名士たちの知と因果が二・二六の帝都大混乱へと導かれていく、夢と現実の交わる日本を描いた一大昭和伝奇ロマン。


本作は一部で「昭和やべえ奴大集合」だと
言われたりもしているらしいのですけれど、
登場する実在人物たちのキャラが濃くて、
クラクラしそうになりつつ読了しました。

物語は、大きく2部に分かれてる構成です。

まず第一部は、熊楠が「昭和考幽学会」に
誘われて天皇機関の完成に協力し、
昭和天皇にそれをお披露目しようとするまで。

第二部は、お披露目が意図せぬ結果に
終わってしまった後に、天皇機関を巡って
様々な人々の思惑が錯綜していって
陰謀・野望が渦巻いていく様を描いています。

そして550ページを超える物語のヤマ場は
昭和史に残る一大事件となっています。

最後に熊楠の前に立ちはだかるのは、北一輝。

これをさながら南北対決と評した紹介記事も
あったというのはさすがに余談ですけれども、
天皇機関は、そして熊楠達はどうなってしまうのか、
それは、是非ともこれから本作を読むことで、
ご自身の眼で確認してもらいたいところです。

面白い作品だということは、保証いたします。

こうなると、帝都を舞台にして実在の人物が
活躍する伝奇モノ繋がりということで、
以前から一度読んでみようかと思いつつ
保留にしてきてしまっていた荒俣宏の
「帝都物語」も読まなければなりませんね。



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「三体」

2019年07月29日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

6月の発売以来、静かに流行しているらしい
中国SFの世界的傑作との評価も高い、
劉慈欣の「三体」をようやく読みました。

発売前に重版だとか、発売一週間で10刷超えとか、
各書店においても特設コーナーができているとか、
出版各社の文芸担当がいかにして「三体」ブームに
乗っかろうかとしているとか、色々言われている本作。

バラク・オバマ前アメリカ大統領が絶賛したり、
マーク・ザッカーバーグやジェームズ・キャメロンも
唸ったという「三体」の粗筋は、次のようなものです。

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?


前情報からハードなSF作品であるということで、
ちょっと覚悟をして本作を読み始めたところ、
いきなり文化大革命期の知識人迫害の容赦ない
描写から幕が上がったのでちょっとびっくりしました。

しかし本作においては、この文化大革命において
登場人物の1人が体験することになる出来事が
重要な意味を持つことが後から分かってきます。

今回の「三体」は全3部作の1作目なのですが、
物語としてはまだまだ導入部というところであり、
内容的にもボリューム的にも第2部・第3部と
進むにつれてグレードアップをしていくらしいです。

今回だけでもストーリーはかなり面白いので、
これがここから先にどのようになるのか、
かなり先が楽しみになってくる1刷でした。



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「追憶の杜」

2019年07月18日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

以前に『風牙』を紹介した時に早急に読むとしていた
続編である『追憶の杜』は、前作の4編に対して、
3つの中編が収録されたものになっていました。

人間の記憶をレコーディングし、他人にもわかるよう翻訳する技術を生みだした会社・九龍。創業者の不二が病に倒れてからも事業を拡大し続けていたが、記憶データをめぐって起きたいくつかの事件により、世間から非難と疑いの目が向けられていた。九龍に所属する記憶翻訳者の珊瑚は、恩師の不二と大切な居場所である九龍を守るため、事件の真相を探ろうとするが…。デビュー作『風牙』に連なる中編集。


というのが、その公式の粗筋となります。

主人公である珊瑚個人のことを描写するのが
メインだったという印象のある『風牙』に対し、
この『追憶の杜』では人の記憶のレコーディングと
共通言語化という技術が生み出す問題に
フォーカスしてきたという感じでしょうか。

普通に考えても、こういった技術が実用化されれば
道義的・倫理的なことでトラブルが起きかねない
というのは想像がつきますから、そこにどのような
回答を出してくるのかが読みどころの1つでしょう。

『追憶の杜』がその点でどこまで踏み込んだものを
書いてきたかは、残念ながら物足りないというか、
もっと深く切り込んでもいいかなと感じました。

なお、今回2つ目に収録されている「銀糸の先」は
技術の悪用者の存在が描かれたものになっています。

その件は作中ではまだ解決してはいないために、
エピソード単体としてはストーリーはまとめられており、
かつ、読み応えのある面白い話になっているのですが、
根本的なところで大きな問題が残されている形です。

これは、今後もシリーズが続くことになったならば、
この辺りが最終的なヤマ場になるのでしょうか。



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「グランド・ミステリー」

2019年07月05日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

随分前に買っていながら、そのボリューム故に
読み始めるのをついつい後回しにしていたのが、
奥泉光の書いた「グランド・ミステリー」です。

これは作品としては一部ミステリファンには有名な、
名作とか傑作とか言われてもいるものですし、
奥泉光作品を過去に何作か読んでいる経験からも、
こんな感じの作品なんだろうと予想はできました。

逆に言えばそうやって察しがついていただけに、
面白いのだろけれども読むのに時間がかかるし
気合も必要になるというイメージがあったのです。

昭和16年12月8日の真珠湾攻撃に参加した潜水艦での
艦長室にあったはずの金庫の謎めいた盗難事件と、
同じく真珠湾攻撃に参加した空母蒼龍で発生した
着艦したパイロットの操縦席での服毒死という2つの事件。

物語はそれを起点として太平洋戦争戦時下における
独特の空気感の中で上記の他にも様々な謎が錯綜し、
最後は硫黄島守備隊の玉砕で締めくくるという構造で、
ジャンルを分けるのがなかなかに難しいのですが、
一番無難なところで、やはり、タイトルにも入っている
ミステリーであるとしておくのが妥当なのでしょう。

そんな本作では、単なる純ミステリーにとどまらず、
そこにマジックリアリズム、SF、戦記的要素ほかの
様々なものがてんこ盛りの作品でもあります。

そうなると、さながら極彩色の一大絵巻になるところ、
そこはやはり太平洋戦争を題材にしていて、
初戦の奇襲成功から後、ミッドウェーでの大敗を経て
どんどんと追い詰められていく大日本帝国の姿が
描かれるのでそのような豪華絢爛な印象は全く生じず、
むしろ最初から最後まで押さえられた閉塞感の
ようなものが漂っている作品でもありました。

エピローグで描かれた本作のラストシーンは
それを大団円とまで言えるかどうかはともかくとして、
わりと爽やかな読後感をもたらすものでしたし、
なかなかに面白かったといっていいでしょう。

ちょっと、読む人を選ぶような作品ではありますが。



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「ランドスケープと夏の定理」

2019年06月22日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

高島雄哉の「ランドスケープと夏の定理」は、
第5回創元SF短編賞を受賞したという
表題作から始まる全3話の連作ハードSF。

公式の粗筋を引用してみましょう。

地球随一の天才宇宙物理学者である気の強い姉に、なにかにつけて振りまわされるぼく。大学四年生になる夏に日本でおこなわれた「あの実験」から三年、ぼくはまたしても姉に呼び出された。向かった先は宇宙空間―ラグランジュポイントL2に浮かぶ国際研究施設だ。姉はそこで誰にも知られることなく、宇宙論に関するある途轍もない実験を準備していた。第五回創元SF短編賞を受賞した表題作にはじまる全三話。瀬名秀明が「日本SFの歴史を次の五十年に受け渡す傑作」と激賞した、新時代の理論派ハードSF。


実際に読んでみたところ粗筋で謳われているのは
伊達ではなく、これは確かに直球ハードなSFです。

そこで展開されている理論は文系脳である私には
理解できなかったりもするのですけれど、
難しくて本当の意味では理解できないとしても
そのまま読み進めてしまうとことには慣れているので、
その辺りは気にせずに最後まで一気に読み切りました。

ここで描かれる世界観や盛り込まれている設定などは
確かに難しかったりするものの、ドラマの面白さや
キャラクターの魅力がしっかりしていることもあって、
文系な私で楽しみながら読むことができたということです。

扱っているテーマは意外と古典的(つまりSFとして王道)で、
馴染みがあったのも、そこには作用しているかもしれません。

今後の活動が楽しみなSF作家がまた1人出てきました。


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「零號琴」

2019年06月09日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

以前から読みたかった飛浩隆の「零號琴」を読了。

昨年秋に発売されてからあちこちで話題になっており
どこかで読まなければなるまいと感じていたのですが、
実際に読んでみると、確かに凄いですね、これは。

人物名やガジェット名等の独特の命名センスが
作品に浮世離れしたような酩酊感を生んでおり、
頭がクラクラくるような、めくるめくイメージの奔流に
満ち満ちている本作は、ひとたび、それに呑まれ
流されるままにページをめくりだすと止まれません。

まさしく、読み進めることを止められなくなる、
そんな麻薬的な力も有している作品と言えます。

それは全て、飛浩隆という一個人の脳から生じた
イマジネーションの為したことになるわけですが、
何をどうすればこのような物語が思い浮かぶのか、
率直に申し上げて、驚愕するしかありません。

奔放なイメージを物語に投入してみせるだけなら
実はそこまで難しくないかもしれませんけれど、
異質で異様な要素を無意味に放り込んで
物語をカオスに堕としこむのではなくてきちんと
整合性や必然性を持ってまとめるのは難しいでしょう。

この奔流に流される楽しさを存分に味わえるのは、
本作が小説という媒体を採っているからでしょう。

これがマンガであったり、実写などであったり、
とにかく何らかの「映像」を伴う媒体だったならば
半ば強制的に与えられてしまう「画」によって
受け手側の自由な想像を巡らせることが
阻害されてしまっていただろうと思います。

もちろん、作者側と読者側でのイメージの共有を
ヴィジュアルで成すことにも意味はあるでしょう。

ただ本作の場合、それはむしろ逆に働きそうです。

「零號琴」は独特な言語感覚で綴られる文字を
読むことから浮かび上がってくるイメージを、
自分の脳内で自由に膨らませるところにこそ、
読書の快感があると思える作品ではないでしょうか。




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「赤いオーロラの街で」

2019年05月28日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

2017年12月、ちょうど1年半くらい前に刊行され、
第5回ハヤカワSFコンテストの最終選考作品という
伊藤瑞彦の「赤いオーロラの街で」を購入。

裏表紙に記載された粗筋に曰く。

東京で仕事に倦んだプログラマー香山秀行は、テレワークの体験で北海道・知床の斜里町を訪れる。その夜、空一面に赤いオーロラが発生。街中で停電に見舞われた。それは超巨大な太陽フレアによるもので、全世界の通信・交通網もすべてストップ。完全な復旧には少なくとも数年かかるという―親切にしてくれた北海道の人々のために、自分に何ができるのか?世界停電という現実に起こりうる危機をめぐる、人と社会の物語。


これを観て私は災害パニック小説のようなものを
少しばかり期待しながら読み始めたわけです。

しかし実際に読んでみて気が付いたのですが、
これは、そういうものとは違うタイプの作品、
大規模太陽フレアが現代社会に与える影響を考察し、
それに対しどのように人々が対処すべきかを書いた
シミュレート小説と呼ぶべき作品だと言えます。

ただ、物語の舞台となっているのが日本、
それも大都市圏では無くて北海道なので、
内容的に緊迫度に欠ける部分が多々あるのも
微妙と言えば微妙なところとも言えます。

つまり、こんなに上手く行くかどうか分からない、
これは理想論に過ぎないのではないか、
というようなことを思ってしまうわけですね。

本作はむしろ、全世界停電が発生すれば
色々なことが起きると想定されるものの、
それへの対処が上手く行ったならば、
パニックも起きずに社会の平穏は守られる
ということ、敢えて理想的な展開を描くことを
心掛けた作品なのだと考えるべきなのでしょう。

全編通して淡々としているという印象があり
大きな盛り上がりがないままに終わることと、
できればこの2倍くらいの文量が欲しかった
というような不満点はありましたけれが……

なかなか面白い作品だったと思います。



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「風牙」

2019年05月16日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今回紹介させていただく門田充宏の「風牙」は、
全部で4つの短編……正確に言うのであれば
3つの中編と1つのサブエピソードかもしれませんが
ともあれ、それ等が収録された1冊になります。

人間は忘れる生き物だ。だからこそ、残っている記憶には意味がある。記憶翻訳者とは、依頼人の心から抽出した記憶データに潜行し、他者に理解可能な映像として再構築する技能者である。珊瑚はトップ・インタープリタとして期待され、さまざまな背景を持つ依頼人の記憶翻訳を手がけていた。しかし彼女にとって人の記憶と深く関わることは、自分自身のなかにある埋められない欠落と向き合うことでもあった―第五回創元SF短編賞を受賞した表題作にはじまる連作短編集。この記憶は、あなたにとってどんな意味があるんだろう


というのが公式の粗筋となっています。

人の記憶にダイブし記憶データを抽出するとか、
他人に移植するとか、都合よく改ざんするとか、
そういうのはSFとしてはわりとよくあるネタです。

しかしそこは料理次第でありきたりにもなれば
新鮮さを感じるものにもなり得るものであろうと
考えることも可能であり実際に読まなければ
判定のできないところでもありますよね。

本作の収録作品のなかでは、「閉鎖回廊」そして
「みなもとに還る」という2つの作品が私としては
大いに面白くて気に入ったものとなりました。

人の記憶を翻訳する技術や過剰共感能力という、
主人公である珊瑚が持つ能力の設定と
それを取り巻く環境を題材にしたこれ等の2編は、
非常に興味深く内容的に優れていると感じました。

なかなかに優れた短編集で、お勧めできます。

とりあえず私は先日発売されたシリーズ第2作も
できるだけ近日中に、取り掛かろうと思っています。


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「星を墜とすボクに降る、ましろの雨」

2019年05月03日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

いわゆる「泣ける」恋愛系のSFなんだろうなという
予測の下、何だかそういうものを読みたいような
気分になっていたのもあって読み始めたのが、
藍内友紀の「星を墜とすボクに降る、ましろの雨」。

裏表紙に印刷された粗筋は、こんな感じです。

「ボクたちは、星を墜とす機械だ。人間にはなりたくない。でも…」人造の眼球と巨砲“トニトゥルス”で、地球圏に迫る星々を軌道庭園から撃ち墜とす役目を担う、造られた子どもたちが居た。その一人である霧原は、寡黙な担当整備工の神条に心惹かれる。しかし、彼の元妻を名乗るハヤトが突然現れ、空前の規模の流星群が飛来する中で、彼女は自身の無慈悲な宿命を知る―。強く儚い防人の少女がそれでも抗い叫ぶ、小さな恋の唄


内容的にはこれを読んで想定していた通りの
ベタな内容にベタな展開だったのですけれども、
この「恋」が何が対象でどういうベクトルなのか、
というところが本作の一番のミソでしょう。

とはいえ、それがどのようにミソになっているのかは
ネタバレになるのでここに書くことはいたしません。

いかにもなベタさ故に凡庸なメロドラマになって
お涙頂戴に終わってしまいそうな物語が、
それでもグッと踏みとどまることに成功しているのは、
おそらく全編に満ちるストイックさがあるからでしょう。

一方で、文体にまで溢れているこのストイックさが、
文章に読みにくさや生硬さをもたらしていたのも事実。

それはそれで作品の雰囲気に合っていたので
基本的に問題になる様なものではないでしょうが、
もうちょっとスムースに読み進められるようでないと、
ファンとなる読者の獲得という点で、苦労するかも。

まあ、そんなことを書いていながら、実は個人的には
結構好きだったりするのですけれど、こういう文体。



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「夏の王国で目覚めない」

2019年04月21日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

彩坂美月の「夏の王国で目覚めない」を買ったのは
去年くらいから気になりだした作家だからですが、
本作の文庫が出た昨年8月に買っていながらも、
実際に読むまでに半年以上放置してしまいました。

そんな状態なのに「気になっている作家だ」などと
どの面を下げての事だと言われても仕方ありません。

ちなみに本作は2011年8月に叢書レーベルの
「ハヤカワ・ミステリワールド」から出た第3長編で、
つまりは2009年にプロデビューして2年後という
かなりの初期に書かれた作品ということになります。

これで彩坂作品を読むのは3作品目ですが
青春小説、ジュヴナイル小説的な読み味が
おそらく作風であり、持ち味になるのでしょう。

青春のちょっとしたほろ苦さを味わえるような小説や
少年少女の成長物語というようなジャンルが好きで、
丁寧に描かれているややライトミステリーが
読みたいなと思われるような人であるならば、
この作品とそれ以外の彩坂美月作品も含めて、
肌に合うのではないだろうかと思われます。

本作については、キャラクター設定や物語の展開に
少々強引さがあるのは欠点かもしれないのですが、
今回も面白く読みましたし、こういう作風は好みです。

とりあえず、現時点で未読の作品についても、
少しずつ手を出していこうかなと考えています。



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