三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 2017年07月08日

「ニルヤの島」

2017年07月08日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

このブログでは紹介していないのですけれども、
以前読んだ「クロニスタ 戦争人類学者」という作品が
かなり面白かったので、これならば同作者の
他の作品も読んでみなければならないかなと、
実在の戦国武将の名をペンネームにした
柴田勝家のデビュー作「ニルヤの島」を購入。

個人の人生の全てをログとして記録し再生できる
生体受像(ビオヴィス)という技術の発明により、
自分という存在が世界から永遠に失われてしまう
「死」というものに対する恐怖が薄れた結果、
死後の世界という概念が否定された未来世界。

円環状の大環橋(グレートサーカム)で繋がれた
諸島国家であるミクロネシア経済連合体。

そこを訪れた文化人類学者イリアス・ノヴァクは、
現地ガイドとして雇用した日系の若者ヒロヤの
祖父である、死出の船を作る老人と出会います。

法王さえも天国の存在を否定した時代において、
死した後に人は「ニルヤの島」に行くと訴える
「世界最後の宗教」統集派が勢力を拡大しつつある
ミクロネシアで行われる、人の生と死、
そしてその魂を導く実験とはいかなるものなのか。

というような話なのですが、改めてこの文を書く為に
ストーリーラインを頭の中で整理してみると、
わりとシンプルな物語であることに気が付きました。

しかし、実際読んでいる時には色々な要素が
錯綜する複雑な話だと感じていたのは、
おそらく、全部で4つのエピソードが
並行的かつ複層的に、時間軸を前後したりしながら
綴られるという構造を、本作が持っているから。

もちろん、そうなっているのにはストーリー的な意味でも
作品のテーマ的な意味でも必然があるのですけれど、
それ故に一読しただけの状態では取っ付きにくい、
ちょっと難しい物語に感じられるのは確かなことでしょう。

「クロニスタ~」もそういうところがあったのですけれど、
人の記憶や意識の外部へのバックアップ、共有化は、
柴田勝家が追いかけている大きなテーマなのかも。

彼が大学院で研究しているという文化人類学的な要素も
色濃く出ていて、独特の雰囲気をもたらしています。

この「ニルヤの島」は、2014年に開催された
第2回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しており、
審査員にかなりの絶賛を受けたそうなのですが、
それもなる程なと納得できる、そんな力作でした。



カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

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