三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 給与所得者の特定支出控除

給与所得者の特定支出控除

2013年11月10日  
国税庁ホームページ吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

ちょっと前の日本経済新聞で
記事になっていたとお客様から
質問の電話をいただいたので、
これもいい機会と考えて
このブログでも同じ内容を
採り上げてみたいと思います。

給与所得者、つまりいわゆるサラリーマンの人は、
大抵の場合において所得税の計算は会社が行う
年末調整処理によって全て完了し、
とりたてて自分自身が何らかの手続きを
行うということは無いかと思います。

医療費控除や住宅ローン控除の初回手続きで
確定申告を行う人もいらっしゃるでしょうけれど。

しかし、そういったことに縁のない人であっても
例えばスーツを買ったり、仕事に必要な本を買ったり、
業務上必要となる資格の取得費用だったりを
いわば「サラリーマンの必要経費」として、
その取得費の一部を所得から控除する制度がある、
と聴くと興味を覚えられるのではないでしょうか。

それが、今回のエントリのタイトルにもなっている
「給与所得者の特定支出控除」という制度です。

ただし、この規定の適用を受ける為には
法律で規定された一定の要件を満たす必要があり、
誰でも、何にでも、この控除を使えるわけではありません。

まず、その支出の内容が問われます。

具体的には、以下の6項目のいずれかに該当しなければ、
既定の対象である「特定支出」にはなりません。


1 一般の通勤者として通常必要な通勤費
2 転勤に伴う転居のために通常必要な転居費用
3 職務に直接必要な技術や知識を得る為の研修費
4 職務に直接必要な資格を取得する為の資格取得費
5 単身赴任の場合で勤務地等と自宅との往復の帰宅旅費
6 その他、次に掲げる支出(上限65万円)で、
 職務上必要であるという給与支払者の証明があるもの
 ・職務に関連する図書購入費
 ・制服、事務服、作業服その他の勤務用衣服の購入費
 ・得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する
  接待、供応、贈答その他の交際費の支出


(詳しくは国税庁HPのこのページをご参照ください)



この要件を満たした上で、これ等の支出の合計額が
次の区分に応じ、それぞれ掲げる金額を超える場合には、
その超える部分に相当する金額が控除対象額として
給与所得控除後の金額から差し引くことができるのです。


a. その年の給与等の収入が1,500万円以下
  →その年の給与所得控除額×1/2

b. その年の給与等の収入が1,500万円超
  →125万円



ここで、「給与所得控除額」が幾らになるのかは、
国税庁HPのこのページに計算式が出ています。

例えば年収が400万円の人の場合には
給与所得控除額は134万円になりますので、
前述の1~6に該当する支出の合計額が
134万×1/2=67万円を超える時に
その超える金額を控除することができます。

こうして書き出してみると一目瞭然なのですが、
これ、普通のサラリーマンにとっては、
思ったほどに使えない規定であるように
感じられるのではないでしょうか。

これでも今年の1月から税法が改訂されていて、
特定支出の範囲が広げられた他、
支出合計額の条件も緩められているのですが。

とはいえ、この規定の適用対象者であれば、
確定申告をすることで源泉所得税の
還付を受けることができますので、
もしかしたら、と思われた方は一度
会計事務所や税務署に問い合わせなどを
してみるのもいいかもしれません。



なお、最初に書いたスーツは「衣服の購入費」に相当し、
一般的に給与と同時に通勤交通費として支給される金額は
(もともと所得税が非課税なので)ここで言うところの
「通勤費」には含まれないので、ご注意ください。

カテゴリ : 確定申告
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

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