三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 消費税の仕組み(その2)

消費税の仕組み(その2)

2010年09月02日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

前回は消費者と販売事業者との関係で消費税を考えましたが、
「消費税の仕組み」の第2回目となる今回は、
「メーカー」、「卸売業者」、「小売店」、「消費者」という
4者間の取引が行われているモデルを使って、
同じように消費税の納税を考えてみたいと思います。

消費税は、販売者が購入者から預かって代理で納付するものだと、
前回の(その1)では書きました。

例えば町の文具店であれば年間の文具売上高の分だけ、
鉛筆や消しゴム、ノート等を買っていったお客さんから
消費税を預かっているはずですので、
法人税あるいは所得税の申告時に、
合わせて消費税も申告して、
預かった分の税金を納めるというシステムになっているのだ、と。

そしてまた、この購入者と販売者の関係は、
そのまま「小売店」と「卸売業者」の関係、
そして「卸売業者」と「メーカー」の関係に
置き換えることができます。

下の(図3)をご覧ください。

消費税の仕組み(図3)
   (図3)

これは、(その1)でご説明した内容をそのまま拡大し、
販売代金1,050円(税込)の内、
消費者から預かった消費税50円部分を小売店が税務署に納め、
同様に小売店から預かった525円(税込)の内の
消費税25円部分を卸売業者が税務署に納め、
卸売業者から預かった105円(税込)の内の
消費税5円をメーカーが税務署に納めるというモデルです。


この場合、大きな問題が生じることがお分かりいただけたでしょうか。


消費税を実際に負担するのは国内において
その商品について消費活動を行った者、すなわち消費者です。

つまり、この例において国に納められるべき消費税は、
消費者の購入価格1,000円に対して課せられた50円のみ。

しかし、(図3)にも書いた通り、
このモデルでは、
実際に3者から国に納められた税金の合計額が
50+25+5=80円になってしまっています。

この、税務署に対して30円多く納めすぎている状況は、
当然、解消されなければなりません。

その為には(図3)のモデルをどのように修正するべきなのでしょう。


税金を負担するのは消費者ですから、
例えば、消費税相当額を預かるのも消費者からだけにするという
パターンも考えられるでしょう。
こうすれば税務署に納付するのは消費者から預かった50円だけになり、
一見良さそうに思えるのですが、しかしここにも問題があります。

(その1)と同様に消しゴムを使って考えてみましょう。
このような事務用品は卸売業者にとっても小売業者にとっても、
商品であると同時に、自分たちも仕事をしていく上で使う消耗品です。

商品用の消しゴムは商品として仕入れを行い、
消耗品の消しゴムはよその小売店で購入してきて
それぞれ別個に管理するというのは、
さすがにちょっと現実味がない話ですよね。

このことから分かるのは、
メーカーは卸売業者が自分のところから買った品物を
商品として小売業者に販売しているのか、
それとも自社内で消費使用してしまっているのか把握できず、
卸売業者は小売業者が自分のところから買った品物について、
商品として消費者に販売しているのか、
自社内で消費使用しているのかを把握できないということ。

販売先が消費使用した分だけの消費税を預かればいい、
というモデルは、ここで破たんします。


それでは、実際に運用されている消費税のモデルを、
下の(図4)で簡略的に示してみましょう。

消費税の仕組み(図4)
   (図4)

「メーカー」「卸売業者」「小売店」のそれぞれが、
自分が預かった消費税と、
自分が預けた消費税との差額を計算して、
それを税務署に納めるという方法です。

メーカーが納めるのは卸売業者から預かった5円。

卸売業者が納めるのは、小売店から預かった25円と
メーカーに預けた5円の差額、20円。

小売店が納めるのは、消費者から預かった50円と
卸売業者に預けた25円の差額、25円。

結果、税務署に納められた消費税は5+20+25=50円となり、
消費者が国内で行った消費に係る消費税50円と、
金額が一致します。

こうすれば、問題は解消されますよね。


次回はこのモデルについて、
もう少しだけ詳しく説明したいと思います。


(その1)を読む<   >(その3)を読む

カテゴリ : 税金・税法
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

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