三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 海外のダミー会社を使った社保負担逃れ

海外のダミー会社を使った社保負担逃れ

2017年09月28日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

25日付の読売新聞で見たのですが、
都内のタクシー会社が、代表者を
同じくする香港の会社を利用する形で
社会保険の負担額を不当に減少していた
ということが発覚したそうです。

具体的には従業員に支払う毎月の給与を
別々の2つの会社から分割して支給する、
タクシー会社の新入社員を香港の会社に転籍、
そこからタクシー会社に出向しているという扱いで、
歩合給や交通費以外の基本給部分だけを
日本の会社から支払われた給与であるとし、
残りは香港の会社から支給されるという
いわゆる「2ヶ所給与」の形式にしていたのです。

通常、2つの会社から給与をもらっている場合の
社会保険料の計算がどうなるかというと、
まず、それぞれ会社からの支給額を合算して
1ヶ月分の合計給与額を算出します。

それを3ヶ月分計算したら平均月額を求め、
その金額によって社会保険料の月額が決まります。

こうして確定した社会保険料うち本人負担分は
それぞれの会社の上記平均給与の比率で案分され、
毎月の給与から差し引かれるようになるのです。

良く行われていた社会保険料逃れの方策は
国内にある別会社を利用するもので、
片方の会社しか社会保険に加入しない状態で
未加入の会社からの給与額が多くなるように
2ヶ所給与の支給を受けるというもので、
わざと合算などを行わないようにするというもの。

つまり、社会保険に加入している方の会社での
平均給与が低く抑えられることになりますから、
その分だけ、社会保険の会社負担額も
ぐっと低く抑えられるということになるわけですね。

しかし、国内の法人であれば社会保険は
本来強制的に加入しなければならないもので、
当然ですがこれは違法な状態です。

それに対して、今回のタクシー会社の一件は
2つ目の会社が日本国内のものでは無くて
香港法人ということになりますから、
社会保険の強制加入については適用が無い
というところが、今回のこの記事のポイント。

海外法人からの出向社員が国内で働く場合は、
滞在期間やその国との間の条約締結状況などの
諸々の事情によって扱いは異なってきますので
一概には言えませんが、一般論としては
保障がいる場合は国民年金と国民健康保険に
個人で加入することになった……はずです、確か。

が、今回の両社の代表者は同一人物であり、
記事には掲載されてはいませんでしたけれども
おそらくこの2社には資本関係もあったでしょうし、
仕事の内容的には香港は一切関係ないわけで、
これを海外法人からの出向と言い張るのは
さすがに実態を反映しているとは言えません。

どういう処分が下ったか、それとも下らなかったか、
具体的なことは記事では触れていませんが、
「海外企業を利用した保険料逃れ」だと厚生労働省が
認識したということは書かれていましたので、
不納付額と利息相当の請求が行われたであろう
ということは想像することができます。

カテゴリ : 会計・経理
テーマ : 気になったニュース ジャンル : ニュース

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