三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 所得控除から税額控除・手当への転換 その3

所得控除から税額控除・手当への転換 その3

2010年02月24日  
吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

平成22年度の税制大綱等ではっきりしてきた、
民主党政権の税制改正の方向性について、第4回です。

所得税改正の方向性についての話も、とうとう3回目です。

今度こそ途中で話を切り上げること無く、最後まで書きたいと思うので、
前置き抜きで、いきなり本題から入らせていただきます。
前回前々回のエントリをお読みでの上で、「続きを読む」をクリックしてください。

「所得控除」と「税額控除」については、前回お話しました。

どちらも、いずれの項目であれ、その控除を行ったことによって、
所得金額あるいは所得税額がマイナスになる、
ということはあり得ない、ということは、ご理解いただけたでしょうか。


しかし、今回民主党が方針として掲げた「給付付き税額控除」については、
それとは様相が異なるものとなっています。

例えば、前回の例に出した、サラリーマンのBさん
課税標準100万円なので税額は5万円
住宅借入金等特別控除の可能額50万円という場合でご説明します。

従来の「税額控除」ですと、控除して控除しきれない部分の金額は切り捨てる、
というのがルールですので、Bさんは税額が0円になって計算終了となっていました。

しかしこの「住宅借入金等特別控除」が、
新たにできる予定の「給付付き税額控除」に該当するとしたら、話が変わってきます。
この「給付付き税額控除」では、控除して控除し切れなかった部分について、
切り捨てること無く現金で納税者に支払われる
あるいは年金や健康保険といった社会保険と相殺される、という扱いになるのです。

支払ってもいない税金は還付されるわけが無いのが理屈ですから、
この場合に納税者がもらえる部分は、もちろん還付金ではありません。
では何なのか、ということですが、
つまりここが「給付付き税額控除」の「給付」の部分です。
「税額控除」を満額受けられるほどの収入が無い低所得者へ、
差し引きしきれない部分を手当てのような形で給付して、
以って高所得者と低所得者の実効税率の差を埋めようという話です。

ですから、上記のBさんのケースであれば、
5万円-50万円=△45万円 なので、
この45万円が、現金で戻ってくるか、
今後支払うべき年金や健康保険から減額されることになります。

あくまで仮定上の計算なので、
「住宅借入金等特別控除」が本当に、
「給付付き税額控除」に該当するようになるかどうかは分かりませんが、
でも、これは、嬉しい話ですね。


ただし、これが実行されるには、前提とされている条件が2つあります。
それが、納税者番号の導入と、歳入庁の創設

社会保険料との相殺が謳われているので、
後者についてはすぐに納得してもらえるかと思います。
財務省と厚生労働省という監督省庁の違いを乗り越えることができ、
歳入庁が創設された暁には、国税と社会保険料の徴収を一元的に管理するので、
こういうこともできるようになるというわけです。

そして、こういった改正を実施して行く為には、
納税者の1人1人について、的確に所得補足をできる体制が必要だ、
という考えから、納税者番号導入が改めて提言されました。

その是非はまた別問題として、
民主党政権での政府税調が考えている所得税制改正の方向性では、
所得格差緩和の方策として、こういったものを考えている、ということです。


配偶者控除や扶養控除、基礎控除といった「所得控除」を廃止しても、
その変わりに1人あたり7万円の人的税額控除を導入した場合、
現行方式と比べ、高所得者の税金等負担額は増加し、
低所得者は(給付金額と合わせて)逆に軽減されるという試算も、
研修において提示されました。

所得税については、その他にも生命保険控除の改組とか、
寄付金控除適用下限額の引下げ等の改正が検討されていますが、
一番大きなものは「給付付き税額控除」制度の導入だと思われるので、
3回に分けて、その内容を簡単にご説明してきました。

正確な内容になるように心がけましたが、
仮に記載内容に誤り等があった場合、
その文責は全て私にありますことを、
改めてここでお断りさせていただきます。

次は、法人税について採り上げようかと思っています。

カテゴリ : 政府税調・税制改正
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

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