三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 税金・税法

収入印紙の貼り忘れにご注意を!

2017年01月04日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

三が日も終わりましたから、
こちらをお読みの皆様も
そろそろ仕事始めでしょうか。

それはつまり確定申告の季節も
近付いてきたということです。

この時期になると、納税者の申告意識を高める為、
というと聞こえがいいですが、要は脱税をしないよう
脅す意味も込めて、税務調査による摘発のニュースが
幾つかリリースされるというのが毎年のパターンです。

架空の経費計上や売上隠しなどによる脱税行為が
論外であるのは言うまでも無いことですけれど、
適法な会計処理や申告を行っていると思っていても
ひょんなところにうっかりとした見落としがあったりして
結果的にかなりの追徴税額を納付することになる、
というケースもそんなに珍しいことではありません。

その典型の1つが、収入印紙の貼付漏れ。

印紙税法の規定により、一定額以上の領収証や
契約書等には、それぞれ定められた額の
収入印紙を貼付した上で流用ができないように
割り印などを押さなければなりません。

作成した文書が印紙税の課税対象になるかどうかは
その内容により判定されることになりますが、
ちなみに印紙税法に定められた定義は以下の通り。

1. 印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること
2. 当事者の間において課税時効を証明する目的で作成された文書であること
3. 印紙税法第5条(非課税文書)の規程により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと


作成したものが課税文書なのか非課税文書なのか、
前者だとしたら具体的に幾らの印紙を貼付するのか、
そういったことが分からないという場合には税務署や、
当事務所の関与先様であれば各監査担当などに
お気軽にご質問、ご相談をされるのがいいでしょう。

念の為、国税庁の公表している一覧表への
リンクを貼っておくことにいたします。

「印紙税額一覧表」

これを見ただけでは良く分からないという人も
多いのではないかとは思いますけれども、
ひとまずは参考までに、ということで。

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軽減税率、インボイス等への対応について

2016年05月29日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

消費税の増税はどうやら再延期となることが
かなり濃厚となってきたようですけれども、
一方で日常利用している会計ソフト等については、
消費税率の改正と軽減税率の導入、
そしてインボイス制度の導入が行われるものとして、
その準備を考えておく必要があるでしょう。

なお、私の勤務先の宮内会計事務所の推奨する
会計ソフトである㈱TKC製のプログラムについては、
これ等の改正に対する対応はとられています。

実はこの改正に伴う軽減税率の導入と
インボイス方式への切り替えが行われると
従来の消費税についての考え方が
大きく変わることになったりもするのですが……

その辺りは、来年4月の増税があるか無いかが
確定した後か、8月の税理士試験終了後にでも、
改めてこのブログでも書かせていただきます。

ちなみにこの改正内容、注意点等については、
それをごく簡単にまとめた特設ページが
㈱TKCにより公開されていまして、
下記バナーはそのページにリンクしています。

今回の改正の要点について、おおまかなことは
ここを読めば確認していただけるかと思います。


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消費税の軽減税率制度に関するQ&A

2016年04月23日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

熊本の地震などもありますし、あくまで、
予定通りにことが進めばではありますが、
消費税の税率が10%に上がり
合わせて軽減税率が導入される
来年の4月1日まで1年を切っています。

と、言葉で書くのは簡単です。

けれど、実際の仕事や業務において軽減税率を
どのように取り扱って行けばいいのか、
税法上はどのような解釈になるのか等、
なかなか良く分からない部分も多いですよね。

それは国税庁側も分かっているのでしょう、
先日、そのサイトにおいて軽減税率制度についての
2種類のQ&Aが pdfで公開されました。

そこで、取り急ぎこのブログにもそのQ&Aへの
リンクを掲載しておくことにいたしました。

これを読んでも分からないことが
まだまだ残るかもしれませんけれども、
とりあえずの第一歩としてこのQ&Aを
読むことから始めてみるというのも
いいのではないでしょうか。
 
消費税の軽減税率制度に関するQ&A(H28年4月)
[制度概要編]/[個別事例編]


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「輸出物品配売場」について その4

2016年04月11日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

消費税法に規定する「輸出物品販売場」、
いわゆる「免税店」についての説明も
今回が4回目にして最後になります。

前回は申請書の提出先が税務署であり、
それですぐに許可が下りるということではなくて
国税当局が許可を与えるに相応しいか否か
審査するという
過程を経る必要がある
ということを説明いたしました。

当然、審査の結果その申請が却下されてしまう
ということになる可能性もあるのです。

審査のポイントとして申請者が満たすべき
要件として公開されているのは、以下の3点。
(観光庁HP「さあ、免税店事業者になろう」より)

[1]次のイ及びロの要件を満たす事業者(消費税の課税事業者に限る。)が経営する販売場であること。
 イ:現に国税の滞納(その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。)がないこと。
 ロ:法第8条第7項《輸出物品販売場の許可の取消し》の規定により輸出物品販売場の許可を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない者でないことその他輸出物品販売場を経営する事業者として特に不適当と認められる事情がないこと。

[2]現に非居住者の利用する場所又は非居住者の利用が見込まれる場所に所在する販売場であること。

[3]免税販売手続に必要な人員を配置し、かつ、免税販売手続を行うための設備を有する販売場であること。


続いて、許可要件についての説明を引用します。

「免税販売手続に必要な人員の配置」とは?

免税販売の際に必要となる手続を非居住者に対して説明できる人員の配置を求めているもの。なお、外国語については、母国語のように流ちょうに話せることまでを必要としているものではなく、パンフレット等の補助材料を活用して、非居住者に手続きを説明できる程度で差し支えない。

「免税販売手続を行うための設備を有する」とは?

非居住者であることの確認や購入記録票の作成など免税販売の際に必要となる手続を行うためのカウンター等の設備があることを求めているものであり、免税販売のための特別なカウンターを設けることまでを求めているものではない。


要するに、税の滞納などをしていない事業者で
観光客の良く訪れる場所である等の
輸出物品販売場を置く意義の高い場所に
店舗を構えていて、かつ免税販売を行う体制が
しっかり整っていることが求められているのです。

事業者はこの要件を満たしていることを
証明する為に、申請書を提出する際には
一定の書類を添付することになっています。

国税庁が作成したチェックリストがありますので、
その pdf へのリンクを以下に貼っておきます。


許可申請添付書類自己チェック表(一般型)
許可申請添付書類自己チェック表(手続委託型)

なお、申請は事業者の納税地で行われますが
その許可は、場所的・物的・人的要件を総合判断し
「特定の場所」に対して許可を行うものですので、
例えば、許可を受けた店舗を移転する場合には改めて
移転先の店舗につき許可を受ける必要がある、
ということは合わせて覚えておいてください。


以上で、はなはだ簡単ではありましたけれども、
これまで4回にわたって行ってきた
輸出物品販売場の許可申請に関する
説明を終わらせていただきます。

許可取得に関するご相談は当事務所でも
対応させていただきますので、
是非、お気軽にご連絡ください。

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「輸出物品配売場」について その3

2016年03月28日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

年間で一番忙しくなる確定申告の
業務に忙殺されていたこともあって
少し遅くなりましたが、前回に続いて、
消費税の輸出物品販売場について
説明をしていきたいと思います。

といっても、その概念や背景にある考え方、
2つある許可の種類などについては
既に前回で説明済みですから、
今回は許可の取り方について書いてみます。


まず「輸出物品販売場許可申請書」の提出先。

輸出物品販売場=免税店 の拡大については
2020年の東京オリンピックもにらんで
国土交通省(観光庁)が積極的に
その許可取得を推進しようとしていますが、
許認可権を持っているのはそこではありません。

前回に書いた「一般型」と「手続委託型」のいずれも
消費税等に関する免税の話になりますので、
その許可申請の提出は当然、税務署です。

ただし、税務署ならどこでもいいわけではなくて、
例えば「一般型」に関する規定を見てみると
その「一般型輸出物品販売場を経営しようとする
事業者の納税地を所轄する税務署」

提出するということが定められています。

法人であれば法人税の決算申告書の、
個人であれば所得税の申告書の、
提出先と同じという様にお考えください。

例えば東京都杉並区に本社事務所を置き
杉並税務署に申告をしている法人が、
渋谷のセンター街に構えている店舗を
免税店にしようと思って申請を出す際は、
店舗の場所を管轄する渋谷税務署ではなく、
杉並税務署に対して提出するのです。


また、申請を出せばすぐに免税店を
名乗ることができるというわけでもありません。

事業者が提出した申請内容については
国税当局が許可を与えるに相応しいか否か、
その内容を審査する
という手順が入るのです。

この審査によって要件を満たすと認められれば、
そこで初めて免税店の許可が下ります。

前述したオリンピックの影響もあるでしょう、
輸出物品販売場の許可申請については
その件数が最近増えているそうです。

その為、どうしても審査に要する時間が
長くなってしまう傾向があるようで、
私が昨年12月に申請書を提出しに
税務署に行った際には受付にて
場合によっては数ヶ月かかってしまう事も
あり得るという説明を受けました。

「ウチも免税店になろうかな」ということを
漠然と考えている事業者様におかれては、
タイミングによっては想定しているよりも
はるかに遅くなってから許可が下りることも
考えられるということを踏まえれば、
改めて許可申請について真剣にご検討し
なるべく早めの申請書提出をした方が、
もしかしたら、いいのかもしれません。


長くなりましたので、今回はこの辺で。

次回は許可申請後の審査について、
具体的にどのようなことが確認されるのか、
その辺りを説明しようと思っています。

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「輸出物品配売場」について その2

2016年02月13日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

先月半ばに公開した前回のエントリでは
「輸出物品販売場」いわゆる「免税店」の
概要をごく簡単に説明しました。

そこで今回はそれの続きとして、
「輸出物品販売場」の2つの形態である
「一般型」「手続委託型」について
それぞれ特徴を書いてみたいと思います。

まず「一般型」ですが、免税販売の許可を取る、
といってイメージしやすいのはこちらかもしれません。

これは「一般」と名付けられているくらいですので
非常にオーソドックスな方式となっており、
要するに1つの店舗が単独で許可を取って
自身の販売したものについては自身が
店舗内で免税関係の手続きを行うものです。

つまり、1つの事業者の中で完結するパターン。

「手続委託型」はこれとは違い、
例えば大規模ショッピングモール等を
連想してもらえば分かりやすいかと思いますが、
テナント単体では無く、施設全体で一括して
「輸出物品販売場」の許可を取る形になります。

出店している各テナントのショップ内ではなくて
施設内にある「免税カウンター」において、
手続き業務を代行する「承認免税手続事業者」
外国人観光客等の購入した物品に関する
消費税の免税手続きなどをまとめて行うので、
ショップ側の視点から見るとしたならば
「手続」を「委託」しているということになるわけ。

「手続委託型」ではショッピングモールだけでなく、
特定の商店街がこのパターンで申請して
「輸出物品販売場」の許可を得たケースもあります。

いずれにせよ、1つの事業者だけでは完結しません。

「一般型」「手続委託型」それぞれにそれぞれの
メリットとデメリットがあるのですが、
その違いをまとめた表を以下に掲載してみます。

表にカーソルを合わせてクリックすると
別画面で拡大版が表示されます。

参考資料としてご覧ください。


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「輸出物品配売場」について その1

2016年01月15日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

だいぶ前のエントリにおいて
簡単にその理屈的なバックボーンを
紹介したのが「輸出物品販売場」

いわゆる「免税店」のことなのですが、
私の担当している顧問先でこの許可の取得を
考えているという会社様がいらっしゃったので、
必要な提出物などを調べて準備し、
昨年末に税務署に提出をしてきました。

そこでこれをいい機会として数回に分けて、
「輸出物品販売場」についての話を
させていただきたいなと思います。

まず「免税店」とはどういう店のことをいうのか。

字面からはその店で購入する物品に対して課せられる
税金が免除される店であると読めるわけですが、
顧客である消費者が購入時に負担している
税金といえば、そう、消費税(及び地方消費税)です。

この免税サービスを受けることができるのは
主に日本を訪問している外国人旅行客。

その辺りの理屈を書いたのが、前回のエントリでした。

ここでも一応ざっくりと説明させていただくならば、
つまり観光客が国外に持ち帰って消費するものは
そもそも日本国内で消費が行われないので
日本の消費税を課すことはしない
、ということです。

なお、成田空港等で出国手続き後のエリアにある
「Duty Free」は関税が免税されることを意味します。

今回採り上げている「輸出物品配売場」は
「Tax Free」という表記が行われるものであり、
条件を満たす場合にはここで購入した品物は
消費税が免税されることになります。

ちなみに、前者は出国手続き後の保税地域での
買い物になりますのでこれも以前に説明した
消費税の4要件のうちの最初の1つ、
「国内において」を満たしませんから
そもそも最初から課税対象外ということになり、
消費税は発生しないことも覚えておいてください。

「Duty Free」も「Tax Free」も、どちらも消費税が
課せられないという点は同じなのですけれども、
その理論的な裏付けが大きく違っているのです。

ちなみに、最近は大手資本により普通の市中に
ブランドモノなどを購入することができる
前者の「Duty Free」なタイプの免税店を
開くという動きも出だしているようです。

市中のショップで商品の実物を確認し
購入の申し込みと支払を済ませた後に、
出国時の空港などで受取を行うというのが
一般的なモデルらしいので大筋で言うならば
これはイメージとしてはカタログショッピングを
連想してもらえばいいのかなと思っています。

「Tax Free」の方の「輸出物品配売場」については
2020年の東京オリンピックに向けて
観光庁が熱心に対象店舗の拡大を
アピールしている
のはご存知でしょうか。

今回の申請もその流れに乗ったものですし、
小売店舗を経営されている事業者様は
今後の経営計画を考えていく際に、
「輸出物品販売場」の許可を取得する
ことを
真剣に検討してみるのもいいかと思います。

概要はこれくらいにしておきましょう。

次回以降は、実際の制度やその申請について
より具体的なところを書いて行きたいと思います。

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タワーマンション節税について

2015年11月28日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今月の頭に、タワーマンションの
購入を使った相続税対策について
法改正が行われるのではないか、
というニュースを目にしました。

今回はそれについて簡単に説明したいと思います。

端的に言えば、これは土地に関する
評価額を算出する規定を
利用した節税策の1つになります。

今回は土地に関する財産評価基本通達の説明は
本題から外れるので割愛させていただきますが、
ひとまずは、その土地に面している道路に対し
設定されている「路線価」と土地の面積や計上を
用いて算出されるのだとご理解ください。

ですので下の図のように、同じ道路に面した
同じ形状と広さの土地であれば、
この2つの評価額は同一のものになります。



その上で、図のように土地が分譲マンションの
敷地になっているような場合には、
そこに住む人がそれぞれの専有面積比に応じて
個々の土地の評価額が決定します。

つまり、A,Bの土地の評価額が1,000万だとして、
Aのマンションだと1室あたりの敷地権は
その 1/10 の 100万円ということになり、
Bのマンションだと 1/5 の200万円となります。

相続税はこうして求められた評価額に対して
課せられるものですので、同じ地域に
建てられている建物であるならば
低層マンションよりも高層マンションの方が
税額が低くなるということが言えます。

この場合、敷地権の評価額はその部屋が
マンションの何階にあるのかに関わらず、
単純に専有面積の比で案分されるので
それが1階でも10階でも金額は変わりません。

しかし、実際の売買価格で考えるならば、
一般にマンションであれば周囲の建物の
影響を受けにくい高層階の方が、
眺望が良くて日当たりも良いなどの理由から
同じ間取りでも値段が高くなるものです。

ですので例えば30階建てマンションの
最上階に部屋を1つ有している場合などに、
時価が3億円程度なのに対して
相続税評価額は6,000万円程度、
などというような差額が非常に大きい事例も
そんなに珍しい話ではありません。

相続税対策としてこれを購入すれば、
現金等で所有している場合には
3億円に税金が課せられたのに比べ、
6,000万円に対する税金で済む。

これは課税の公平という考え方からも
明らかに適正とは言えないのではないか、
というのが、ここで問題視される内容です。


ちなみに、これを利用したスキームのうち
特に相続税の圧縮に特化したものとしては、
例えば、次のようなケースが考えられます。

① 資産家のA氏が末期癌で余命が
  短いことが分かった為、3億円を支払って
  上記のようなタワーマンション物件を購入。

② その後A氏が亡くなり、相続人のB氏が
  マンションを相続して6,000万円の
  課税価格に対応する相続税を納付する。

③ B氏がこのマンションを2億9千万で売却。
  この場合も取得価額は当初購入額の3億円を
  そのまま引き継ぐので差引1,000万円の
  譲渡損失となって所得税は発生しない。



①~③ の流れを読む限りではB氏は
かなりの節税に成功しているように見えますよね。

とはいえ、この事例を始め「租税回避」が目的と
判断できるようなケースについては、
路線価による評価が適切ではない特別な事情が
認められるケースとして納税者が敗れている
判例が既に幾つも確定してもいます。

さらに今後、そもそもタワーマンションの高層階などを
財産評価する際の基本通達そのものが
改正される可能性が高まってきたということで、
ということはつまり相続税の節税目的で
分譲タワーマンションを購入するというスキームは
むしろ利用を回避すべきものになってきたと言えるでしょう。

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消費税のリバースチャージ方式 その2

2015年11月10日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

少々間が空いてしまいましたが、
10月1日より施行されている
「国境を越えた役務の
提供に対する消費税の課税」

についての見直しにつき、
前回の続きを説明させていただきます。

前回は、この改定により実施されることになった
消費税等の「リバースチャージ方式」とはつまり
「消費税額逆算計上方式」というような意味であり、
Google AdWords 等の海外サーバーが提供する
サービスに対して請求された金額を税抜価格とみなし、
そこから逆算によって課税仕入とした場合の
消費税額を算出するというものであると書きました。

今回は海外業者に支払う金額を10万円とした
前回の事例を引き継いだ上で、
その具体的な仕訳例を書いてみます。

まず、実際に支払いが行われる10万円ですが、
これについては従来と同じように
(借方)広告宣伝費 100,000円
    /(貸方)現金・普通預金 100,000円

という仕訳を切っていただけば大丈夫です。

では、逆算される消費税等8,000円については
どのような仕訳を切ればいいのでしょうか。

こちらは個別通達により任意とされているので
必ずしも計上しなければならないものではありませんが、
仕訳を切るとしたら、次のようになるでしょう。

借方が「仮払消費税等」になるというのは
すぐに考え付かれるだろうと思いますが、
それに対応する貸方にはどのような
勘定科目を当てはめればいいか。

先程と同様に書き出してみると、こうです。
(借方)仮払消費税等 8,000円
     /(貸方)  ?   8,000円


この取引においては10万円の広告宣伝費意外には
現預金の動きもありませんし費用の減少や収益も無い。

しかし複式簿記では貸借が一致することが大前提なので、
借方に8,000円という金額の記載がある以上は
貸方にもそれと同じ金額を計上しなければなりません。

ここで思い出していただきたいのが、
この制度化においては支払額から
逆算で算出した消費税等の額は事業者が
一時的に預かった形になるということ。

ですので、実際に切られる仕訳はこういうものになります。
(借方)仮払消費税等 8,000円
     /(貸方)仮受消費税等 8,000円


仮払と仮受の双方に同額が計上されますので、
この仕訳からは消費税等の納付税額は
(ひとまずは、ですが)発生しません。

実際の処理としては、当事務所の推奨している
株式会社TKC製の会計ソフトがそうであるように、
取引の都度にこの仕訳を計上するというよりは、
期中に行われた該当取引の金額を別途管理し、
決算時にその合計額から上記の仕訳を
計上するというような形になると思います。

消費税の申告書上はリバースチャージに係る
取引については「特定課税仕入れ」として
通常の課税仕入れとは別行に表示され、
仕訳の貸方である「仮受消費税等」については
この「特定課税仕入れ」と同額(この事例では10万円)の
売上があったものと同じとみなす形で、
消費税の課税標準に別途加算することになります。


当然ですが、これは消費税の税額計算の話なので
そもそも納付義務の生じない個人消費者や
免税事業者には始めから関係が無い
話です。

また、課税仕入れに係る消費税等の内、
課税売上割合を利用して算出される一定の金額しか
売上に係る消費税等から控除できない
「個別対応方式」や「一括比例配分方式」と違い、
仕入れに係る消費税等の全額を
売上に関する消費税等から差し引ける
「全額控除」の適用を受ける課税売上高5億円以下
かつ課税売上割合95%以上の事業者については、
「仮受消費税等」と「仮払消費税」が同額なことから、
「リバースチャージ方式」による申告をしてもしなくても
納付すべき税額が変わらないことになります。

そして、「簡易課税制度」の適用を受る事業者は
税額計算に際し課税売上の金額しか使わないことから、
そもそも「特定課税仕入れ」を認識する意味がありません。

このことから、「リバースチャージ方式」については
その適用について以下のように定められています。

・ 免税事業者と関課税制度適用事業者は対象外
・ 課税売上割合95%以上の事業者は当面は適用除外


その事業年度の課税売上高が5億円超で
「全額控除」の適用が受けられない事業者でも、
課税売上割合が95%以上であれば
適用除外となる
のでご注意ください。


最後に、「リバースチャージ方式」について書かれた
国税庁ホームページにて公開されているリーフレットの
pdf ファイルへのリンクを貼っておきます。

「国境を越えた役務の提供に係る 消費税の
 課税の見直し等について(国内事業者の皆さまへ)」


当事務所の関与先様は不明点などありましたら、
各監査担当に遠慮なくご質問ください。

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消費税のリバースチャージ方式 その1

2015年11月01日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

「国境を越えた役務の
提供に対する消費税の課税」

について抜本的な見直しが
行われてから1ヶ月が経過しました。

これは、インターネット等の電気通信回線を介して
行われる各種役務の提供に関する消費税の取り扱い
を、
国内事業者と海外事業者との間で生じていた
課税の不公平が是正されるような形で変更したもので、
具体的には海外サーバーからの電子書籍、音楽、
広告等の、いわゆるデジタルコンテンツの配信や
ゲームやアプリといったもののダウンロード、
クラウドサービスの利用等が対象となります。

これはかなり大きな改正であるにも関わらず
これまでこのブログで紹介していませんでしたので、
遅まきながらまずは今回のエントリーを使って
その概要を説明させていただきたいと思います。

消費税とは国内で行われた消費活動に対して
課せられる税金であるわけですけれども、
今年9月までの規定ではこういった取引が
国内で行われたものかそうではないかにつき、
「役務の提供を行う者の事務所等の所在地」
がどこであるかを、その判定基準としていました。

Yahoo や Google といった検索エンジンの
検索結果画面に自社の広告を掲載してもらうサービスを
申し込んでいる場合には、その支出は当然、
「広告宣伝費」として経費計上されることになります。

この時、従来の判定では Yahooリスティング は
役務の提供をしているサーバーが国内にある為に
消費税の課税対象となって支払額に消費税が課せられますが、
一方の Google はサーバーが海外にあるということで
AdWords のサービスは国外サービスになり
消費税の課税対象外となっていました。

広告宣伝というのは媒体によって得られる効果が違う以上、
これだけを以って有利不利の話をしてしまうのは早計ですが、
少なくとも消費税の負担の有無で言うならば、
Google の方が Yahoo よりもお得です。

どちらも基本的に同じサービスであり受け手が同一である以上、
これは課税の公平や国内産業の保護育成という観点から
明らかに問題がある状態だったと言えるでしょう。

ここを是正する為、消費税法の改正により、
役務の提供に関する内外判定を行う際の基準が
前述した従来のものから「役務の提供を受ける者の住所等」
変更になったのが2015年10月1日でした。

Yahooリスティング も Google AdWords も
国内の事業者がそのサービスを利用している場合には、
改正後の基準による判定で国内取引となって
どちらも課税仕入れとして取り扱うことになる、
つまり、仕入れ税額控除の対象となることになりました。

では、Google からの実際の請求額や支払額が、
これまでのものに消費税8%を上乗せされた
「税込」金額に今後は切り替わっていくのでしょうか。

例えば、Google AdWords に対して
毎月10万円の支払いをしていたようなケースにおいて、
10月以降は請求額に消費税が上乗せされて
10万8千円に変わっていたりするのでしょうか。

実は、そのようなことはありません。

役務の提供者たる国外事業者の側については、
日本の税務署に対して提供したサービス分だけの
消費税の申告と納税をしてもらえばいいわけですが、
役務の提供を受けた側で同額が控除されなければ
それは消費税の2重課税ということになってしまいます。

そこで導入されたのが「リバースチャージ方式」という
消費税等の仕入税額控除の計算方法です。

そう言われてもそれがどういう内容なのか、
どういう方法なのかが英語表記では
良く分からないと思われるかもしれません。

直訳、適語訳ではありませんけれども、
この場合の「リバース」は「逆算」のことを
「チャージ」は「課税」のことを指しているので、
これを日本語に訳すとするならば、
「消費税額逆算計上方式」とでもなるでしょうか。

つまり、前述の例を使うならば Google AdWords に
支払われる10万円を税抜き価格とみなして、
そこから逆算して消費税額の8千円を算出するのです。

ただし、この方式の適用を受けても Google AdWords に
支払うのが税抜の10万のみというのは変わりません。

では、算出された8千円の消費税はどうするのか。

実は、これについては給料の源泉所得税のように
サービスの受け手側がそれを一時的に預かる
という処理をすることになっています。

ここまで書いた内容を読んでいただいた方は
預かった以上は国に納付しなければならないはずだから、
結果的に、10万円しか支払わなくて良かったものが
10万8千円の負担をしなければいけなくなることと
何ら変わらないのではないかと思われることでしょう。

実際には預かった消費税等と同じだけの
控除税額も発生することになるのですが、
既に今回のエントリーもかなり長くなっているので
この辺りは近日、仕訳例を挙げながら
改めて説明させていただきます。

カテゴリ : 税金・税法
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

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