三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 税金・税法

タワーマンション節税について

2015年11月28日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

今月の頭に、タワーマンションの
購入を使った相続税対策について
法改正が行われるのではないか、
というニュースを目にしました。

今回はそれについて簡単に説明したいと思います。

端的に言えば、これは土地に関する
評価額を算出する規定を
利用した節税策の1つになります。

今回は土地に関する財産評価基本通達の説明は
本題から外れるので割愛させていただきますが、
ひとまずは、その土地に面している道路に対し
設定されている「路線価」と土地の面積や計上を
用いて算出されるのだとご理解ください。

ですので下の図のように、同じ道路に面した
同じ形状と広さの土地であれば、
この2つの評価額は同一のものになります。



その上で、図のように土地が分譲マンションの
敷地になっているような場合には、
そこに住む人がそれぞれの専有面積比に応じて
個々の土地の評価額が決定します。

つまり、A,Bの土地の評価額が1,000万だとして、
Aのマンションだと1室あたりの敷地権は
その 1/10 の 100万円ということになり、
Bのマンションだと 1/5 の200万円となります。

相続税はこうして求められた評価額に対して
課せられるものですので、同じ地域に
建てられている建物であるならば
低層マンションよりも高層マンションの方が
税額が低くなるということが言えます。

この場合、敷地権の評価額はその部屋が
マンションの何階にあるのかに関わらず、
単純に専有面積の比で案分されるので
それが1階でも10階でも金額は変わりません。

しかし、実際の売買価格で考えるならば、
一般にマンションであれば周囲の建物の
影響を受けにくい高層階の方が、
眺望が良くて日当たりも良いなどの理由から
同じ間取りでも値段が高くなるものです。

ですので例えば30階建てマンションの
最上階に部屋を1つ有している場合などに、
時価が3億円程度なのに対して
相続税評価額は6,000万円程度、
などというような差額が非常に大きい事例も
そんなに珍しい話ではありません。

相続税対策としてこれを購入すれば、
現金等で所有している場合には
3億円に税金が課せられたのに比べ、
6,000万円に対する税金で済む。

これは課税の公平という考え方からも
明らかに適正とは言えないのではないか、
というのが、ここで問題視される内容です。


ちなみに、これを利用したスキームのうち
特に相続税の圧縮に特化したものとしては、
例えば、次のようなケースが考えられます。

① 資産家のA氏が末期癌で余命が
  短いことが分かった為、3億円を支払って
  上記のようなタワーマンション物件を購入。

② その後A氏が亡くなり、相続人のB氏が
  マンションを相続して6,000万円の
  課税価格に対応する相続税を納付する。

③ B氏がこのマンションを2億9千万で売却。
  この場合も取得価額は当初購入額の3億円を
  そのまま引き継ぐので差引1,000万円の
  譲渡損失となって所得税は発生しない。



①~③ の流れを読む限りではB氏は
かなりの節税に成功しているように見えますよね。

とはいえ、この事例を始め「租税回避」が目的と
判断できるようなケースについては、
路線価による評価が適切ではない特別な事情が
認められるケースとして納税者が敗れている
判例が既に幾つも確定してもいます。

さらに今後、そもそもタワーマンションの高層階などを
財産評価する際の基本通達そのものが
改正される可能性が高まってきたということで、
ということはつまり相続税の節税目的で
分譲タワーマンションを購入するというスキームは
むしろ利用を回避すべきものになってきたと言えるでしょう。

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消費税のリバースチャージ方式 その2

2015年11月10日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

少々間が空いてしまいましたが、
10月1日より施行されている
「国境を越えた役務の
提供に対する消費税の課税」

についての見直しにつき、
前回の続きを説明させていただきます。

前回は、この改定により実施されることになった
消費税等の「リバースチャージ方式」とはつまり
「消費税額逆算計上方式」というような意味であり、
Google AdWords 等の海外サーバーが提供する
サービスに対して請求された金額を税抜価格とみなし、
そこから逆算によって課税仕入とした場合の
消費税額を算出するというものであると書きました。

今回は海外業者に支払う金額を10万円とした
前回の事例を引き継いだ上で、
その具体的な仕訳例を書いてみます。

まず、実際に支払いが行われる10万円ですが、
これについては従来と同じように
(借方)広告宣伝費 100,000円
    /(貸方)現金・普通預金 100,000円

という仕訳を切っていただけば大丈夫です。

では、逆算される消費税等8,000円については
どのような仕訳を切ればいいのでしょうか。

こちらは個別通達により任意とされているので
必ずしも計上しなければならないものではありませんが、
仕訳を切るとしたら、次のようになるでしょう。

借方が「仮払消費税等」になるというのは
すぐに考え付かれるだろうと思いますが、
それに対応する貸方にはどのような
勘定科目を当てはめればいいか。

先程と同様に書き出してみると、こうです。
(借方)仮払消費税等 8,000円
     /(貸方)  ?   8,000円


この取引においては10万円の広告宣伝費意外には
現預金の動きもありませんし費用の減少や収益も無い。

しかし複式簿記では貸借が一致することが大前提なので、
借方に8,000円という金額の記載がある以上は
貸方にもそれと同じ金額を計上しなければなりません。

ここで思い出していただきたいのが、
この制度化においては支払額から
逆算で算出した消費税等の額は事業者が
一時的に預かった形になるということ。

ですので、実際に切られる仕訳はこういうものになります。
(借方)仮払消費税等 8,000円
     /(貸方)仮受消費税等 8,000円


仮払と仮受の双方に同額が計上されますので、
この仕訳からは消費税等の納付税額は
(ひとまずは、ですが)発生しません。

実際の処理としては、当事務所の推奨している
株式会社TKC製の会計ソフトがそうであるように、
取引の都度にこの仕訳を計上するというよりは、
期中に行われた該当取引の金額を別途管理し、
決算時にその合計額から上記の仕訳を
計上するというような形になると思います。

消費税の申告書上はリバースチャージに係る
取引については「特定課税仕入れ」として
通常の課税仕入れとは別行に表示され、
仕訳の貸方である「仮受消費税等」については
この「特定課税仕入れ」と同額(この事例では10万円)の
売上があったものと同じとみなす形で、
消費税の課税標準に別途加算することになります。


当然ですが、これは消費税の税額計算の話なので
そもそも納付義務の生じない個人消費者や
免税事業者には始めから関係が無い
話です。

また、課税仕入れに係る消費税等の内、
課税売上割合を利用して算出される一定の金額しか
売上に係る消費税等から控除できない
「個別対応方式」や「一括比例配分方式」と違い、
仕入れに係る消費税等の全額を
売上に関する消費税等から差し引ける
「全額控除」の適用を受ける課税売上高5億円以下
かつ課税売上割合95%以上の事業者については、
「仮受消費税等」と「仮払消費税」が同額なことから、
「リバースチャージ方式」による申告をしてもしなくても
納付すべき税額が変わらないことになります。

そして、「簡易課税制度」の適用を受る事業者は
税額計算に際し課税売上の金額しか使わないことから、
そもそも「特定課税仕入れ」を認識する意味がありません。

このことから、「リバースチャージ方式」については
その適用について以下のように定められています。

・ 免税事業者と関課税制度適用事業者は対象外
・ 課税売上割合95%以上の事業者は当面は適用除外


その事業年度の課税売上高が5億円超で
「全額控除」の適用が受けられない事業者でも、
課税売上割合が95%以上であれば
適用除外となる
のでご注意ください。


最後に、「リバースチャージ方式」について書かれた
国税庁ホームページにて公開されているリーフレットの
pdf ファイルへのリンクを貼っておきます。

「国境を越えた役務の提供に係る 消費税の
 課税の見直し等について(国内事業者の皆さまへ)」


当事務所の関与先様は不明点などありましたら、
各監査担当に遠慮なくご質問ください。

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消費税のリバースチャージ方式 その1

2015年11月01日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

「国境を越えた役務の
提供に対する消費税の課税」

について抜本的な見直しが
行われてから1ヶ月が経過しました。

これは、インターネット等の電気通信回線を介して
行われる各種役務の提供に関する消費税の取り扱い
を、
国内事業者と海外事業者との間で生じていた
課税の不公平が是正されるような形で変更したもので、
具体的には海外サーバーからの電子書籍、音楽、
広告等の、いわゆるデジタルコンテンツの配信や
ゲームやアプリといったもののダウンロード、
クラウドサービスの利用等が対象となります。

これはかなり大きな改正であるにも関わらず
これまでこのブログで紹介していませんでしたので、
遅まきながらまずは今回のエントリーを使って
その概要を説明させていただきたいと思います。

消費税とは国内で行われた消費活動に対して
課せられる税金であるわけですけれども、
今年9月までの規定ではこういった取引が
国内で行われたものかそうではないかにつき、
「役務の提供を行う者の事務所等の所在地」
がどこであるかを、その判定基準としていました。

Yahoo や Google といった検索エンジンの
検索結果画面に自社の広告を掲載してもらうサービスを
申し込んでいる場合には、その支出は当然、
「広告宣伝費」として経費計上されることになります。

この時、従来の判定では Yahooリスティング は
役務の提供をしているサーバーが国内にある為に
消費税の課税対象となって支払額に消費税が課せられますが、
一方の Google はサーバーが海外にあるということで
AdWords のサービスは国外サービスになり
消費税の課税対象外となっていました。

広告宣伝というのは媒体によって得られる効果が違う以上、
これだけを以って有利不利の話をしてしまうのは早計ですが、
少なくとも消費税の負担の有無で言うならば、
Google の方が Yahoo よりもお得です。

どちらも基本的に同じサービスであり受け手が同一である以上、
これは課税の公平や国内産業の保護育成という観点から
明らかに問題がある状態だったと言えるでしょう。

ここを是正する為、消費税法の改正により、
役務の提供に関する内外判定を行う際の基準が
前述した従来のものから「役務の提供を受ける者の住所等」
変更になったのが2015年10月1日でした。

Yahooリスティング も Google AdWords も
国内の事業者がそのサービスを利用している場合には、
改正後の基準による判定で国内取引となって
どちらも課税仕入れとして取り扱うことになる、
つまり、仕入れ税額控除の対象となることになりました。

では、Google からの実際の請求額や支払額が、
これまでのものに消費税8%を上乗せされた
「税込」金額に今後は切り替わっていくのでしょうか。

例えば、Google AdWords に対して
毎月10万円の支払いをしていたようなケースにおいて、
10月以降は請求額に消費税が上乗せされて
10万8千円に変わっていたりするのでしょうか。

実は、そのようなことはありません。

役務の提供者たる国外事業者の側については、
日本の税務署に対して提供したサービス分だけの
消費税の申告と納税をしてもらえばいいわけですが、
役務の提供を受けた側で同額が控除されなければ
それは消費税の2重課税ということになってしまいます。

そこで導入されたのが「リバースチャージ方式」という
消費税等の仕入税額控除の計算方法です。

そう言われてもそれがどういう内容なのか、
どういう方法なのかが英語表記では
良く分からないと思われるかもしれません。

直訳、適語訳ではありませんけれども、
この場合の「リバース」は「逆算」のことを
「チャージ」は「課税」のことを指しているので、
これを日本語に訳すとするならば、
「消費税額逆算計上方式」とでもなるでしょうか。

つまり、前述の例を使うならば Google AdWords に
支払われる10万円を税抜き価格とみなして、
そこから逆算して消費税額の8千円を算出するのです。

ただし、この方式の適用を受けても Google AdWords に
支払うのが税抜の10万のみというのは変わりません。

では、算出された8千円の消費税はどうするのか。

実は、これについては給料の源泉所得税のように
サービスの受け手側がそれを一時的に預かる
という処理をすることになっています。

ここまで書いた内容を読んでいただいた方は
預かった以上は国に納付しなければならないはずだから、
結果的に、10万円しか支払わなくて良かったものが
10万8千円の負担をしなければいけなくなることと
何ら変わらないのではないかと思われることでしょう。

実際には預かった消費税等と同じだけの
控除税額も発生することになるのですが、
既に今回のエントリーもかなり長くなっているので
この辺りは近日、仕訳例を挙げながら
改めて説明させていただきます。

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マイナンバーを悪用した詐欺

2015年10月08日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

ニュースで報じられていたので
それをご覧になった人も
いらっしゃることと思いますが、
「マイナンバー」に係る
詐欺事件が早速発生したそうです。

被害者は70代の女性で手口としては、
まず公的相談窓口を騙る者から電話があって
ニセのマイナンバーを通知されたそう。

その後、別の者から「公的機関に寄付するのに
マイナンバーを貸してくれ」という電話があり、
疑わずに素直に教えてしまったところ、
その機関を名乗る電話があって
マイナンバーを他人に使わせたことは犯罪であり
その記録を消す為に料金の支払いが必要だとして
現金の要求を受けたということでした。

一見して色々と突っ込みどころのある手口ですが、
それでもこの女性が2回の支払をしてしまったと
報じられていることから分かるのは、
説得力のある話し方をされたならば
そういうものかと騙されることもあるということ。

マイナンバーは通知カードが書留で郵送されてくるので
決して電話で番号が告知されることは無いということ、
公的機関等からマイナンバーを電話で
聞かれることは無いというということの2点くらいは
知っておいてほしかった項目ですけれども、
結局のところこれは政府サイドのミス、
周知不足による被害発生ですよね。

とはいえ、この女性に対して何らかの
補償がされたりはしないでしょうが……

マイナンバー通知カードの発送も
そろそろ開始されようかというところですし、
皆様も、ご自身のマイナンバーの管理には
くれぐれもご注意ください。



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4,000円?

2015年09月10日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

飲食料品への軽減税率適用をやめ、
8%から10%に増税する差額の
2%分を還付する方法を
政府が検討していることを、
7日のエントリーで書きました。

今回はその続報なのですが、
政府案として新聞等に報じられた
還付を受ける為の方法について、
簡単に書かせていただきます。

来年1月から運用が開始されることになっている
マイナンバー制度で発行を受けられる
個人番号カードを持っていることが前提で、
飲食料品(酒類を除く)を購入するごとに
その2%相当の「軽減ポイント」をカード内の
ICチップに記録していくというのがその仕組み。

一定量ポイントが溜まったところで
本人名義の銀行口座を指定すると、
そこに還付が入金されるそうなのですが、
これは例えば商店街の八百屋や魚屋、
売上をつるしたザルに入れているような店にも
「個人情報カード」の書き込みができる端末の
購入を迫る政策であるとも言えます。

ただでさえ経営の厳しい個人商店主に
余計な出費を強いることになるのだとしたら、
それはどうなんだ、という話しですよね。

そもそも「個人情報カード」は現時点では
任意取得ということになっていたはずで、
そこにきてこの方針というのは
ちょっとおかしいのではないかと思われます。

また、この還付についても、その金額に
1人あたり年間最大4,000円という
上限を設けるというのですが……、
これを目にした時には月額4,000円か、
もしくは桁の間違いではないかと思いました。

これを購入費の税抜金額に換算すると
年間20万円ということになるので、
つまり毎月約16,600円ですね。

ここで言うところの「1人あたり」というのが、
「個人情報カード1枚につき」ということなのか
「その世帯を構成する1人ごとに」なのかで
この限度額の意味合いも変わってきますが、
その食材購入が、自分1人が食べる為のものか
家族全員で食べる為のものなのかなんてことは
いちいち確認することもできないだろうと考えれば、
これは前者であると考えるのが正解でしょうか。

家族が多ければ、複数の「個人情報カード」を使って
還付を少しでも多く受けるという対策も取れるので、
結果的に後者になる可能性もありますけれども、
誰のカードでその時点でいくら買っているのかを
まめにチェックする必要が生じるでしょうし、
(家族とはいえ)他人の「個人情報カード」を
持ち歩くようになることは、明らかに問題アリですよね。

マイナンバーで家族構成も管理しようと思えば
できるはずなので、それと紐づけるという手も、
やれなくはないのでしょうけれど。

個人的にはこの政府案に対しては
全くリアリティーが感じられません。

これが現実化した場合、私が「個人情報カード」を
持ち歩いてレジでの精算ごとに提示して行くか、
と問われると、うーん、それこそ「面倒くさい」から
還付を受けないことを選択してしまいそうです。

マイナンバー情報漏えいを防ぐ意味でも、
その方が少しでも安心できますし。

これは即ち、軽減税率の導入もしなければ
還付も行わないという、財務省にとっては
一番おいしい結果になるということですけど、
この際、それも止むを得ないかと。

いっそ、飲食料品については消費税を
免税にしてしまうということも、
真剣に検討してみてもいいのではないか。

そんなことも考えてしまいます。

一度、個人的にシミュレーションしてみようかな。

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軽減税率の行方は?

2015年09月07日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

麻生財務大臣が外遊先のトルコで、
消費税率の10%に引き上げに合わせ
導入が検討されている軽減税率について、
「面倒くさい」から見送る意向だ
ということを記者団に示したとか。

言いたいことは分からなくもないけれど、
その表現は、どうなんだろうというところですね。

ではその代わりにどういう対策をするのか。

そもそも軽減税率は、消費税というのが
低所得者であるほど収入に対する負担率が
高くなる性格を持つ税金であることから、
増税によってさらに低所得者の生活を
圧迫するのを避けるべく食料品などには
通常よりも低い税率を適用しよう、
ということで導入が検討されるものでしたよね。

報道によると、財務省としては消費者が
飲食料品について支出したであろう消費税の内の、
税率2%分に相当する金額を後程
給付するという形での対応を検討しているそう。

しかし、その方法をとるのであれば、
誰がどれくらい飲食料品購入費を支払ったか、
それをどう把握するのかが問題になりますよね。

領収書などの提出を求めるなんていうのは、
全くもって現実的ではありませんし。

そこで、所得と世帯人数に応じて
こういう収入でこういう家族構成だったら
食費はこれくらいかかるだろうというのを推定し、
その2%相当額を還付するというのが
現時点での財務省案である模様。

税法というのは、極力、恣意性の介在を
排除する方向で作られているはずなのですが、
「推定」という行為には恣意性が入り込む隙が
いくらでもありそうなようにも思えます。

どうやって給付をするのかということも含め、
あちこちに曖昧さが残っているように思えて
そこがいかにも気になってしまうところです。

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マイナンバーと預金口座

2015年08月29日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

ニュースや新聞等でも報じられているので
既にご存知であるという方も
おそらく多くいらっしゃるでしょうが、
マイナンバー制度の利用範囲を
拡大する為の修正案が、
来週には国会を通過しそうだとのこと。

これは、各人が金融機関に開設している預金口座につき
名義人のマイナンバーと紐付けしようというもの。

目的としてはそれぞれの個人資産を把握することで、
それを税金や年金保険料の徴収に役立てて、
不納付や未納を減らしていこうということがあります。

なお、マイナンバーは年金の管理についても
使っていこうと当初から考えられていました。

年金といえば大規模な情報流出も記憶に新しいところ。

流出の経緯が明らかになるにつれて、
素人でも「それはおかしいだろう」と分かるような
緊張感や責任感がかけらも感じられない
年金事務所の個人情報管理体制が
白日の下にさらされることになったわけですが、
ああいう姿を見させられてしまうと、
ここにマイナンバーを扱わせて本当に大丈夫かと
すごく心配な気持ちが湧き上がってきてしまいますよね。

それもあって、今回の修正案において
基礎年金番号とマイナンバーの紐付きが
ひとまず延期されることとなるとのこと。

それはそれで判断として間違っているとは思いませんが、
ただ、マイナンバー導入で得られるものの1つである
年金未納および不正受給の解消という目的からは、
大きく後退することになってしまうことも確かでしょう。

年金事務所からデータを盗んだ犯人はそれが目的だった、
そんなことも考えたくもなってしまうところなのですが、
さすがにいくらなんでも邪推が過ぎますね。



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移転価格税制とは

2015年08月24日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

およそ1か月くらい前のことで
あるのに加え、どこでその記事を
読んだか失念してしまったのですが、
確か日経新聞だったかと思うのですけれど、
「移転価格税制」に関する税務当局からの
追徴課税の案件が大企業から中小企業に
広がってきているという記事がありました。

これは1~2年前から言われていた話であり、
それが改めて新聞に載った、ということで、
だからでしょうか、記事のスペースも
ごく小さなものとなっていました。

つまり「移転価格税制」での税務調査はそこまで
目新しい話題ではないということになりますが、
しかし「移転価格税制」と言われても
それが具体的にどういうものかをご存知の
中小企業経営者は少ないだろうと思います。

簡潔に説明するならば、「移転価格税制」とは
「海外の関連企業との間の取引価格の
操作を通じて所得の海外移転をすることを
防止するための税制」
ということができます。

例えば、日本よりも法人税等の税率の低い国にある
子会社に対して国内の親会社が商品を売る際に、
通常の相場金額よりもずっと低い金額で取引をする
といったようなケースを考えてみればいいのですが、
この場合は親会社の計上する利益の金額は
第3者に同商品を同量販売した時のそれよりも
ぐっと少なくなるということが分かると思います。

つまり、税率の高い日本での利益を少なく計上し、
その分だけ税率の低い外国に利益を持って行くわけで、
これは相互取引の価格を自由にかつ恣意的に決め得る
関連企業間の取引の特徴を使った課税逃れに
あたるのではないかと言われる余地が確かにあります。

そのような考えから、こういったケースでの取引が
グループ外の第3者との取引価格で行われたものとして、
売上金額や利益の金額を計算しなおすことで
適正な税額を企業が納めるようにすること。

それが、「移転価格税制」なのです。

なお、上記の「第3者との取引価格」として適正であると
考えられる価格のことを「独立企業間価格」と呼びますが、
しばしばここは税務当局と企業の間で見解が分かれ、
実際、裁判で国が敗訴するケースもあります。

大企業もこの点についてはしっかりと対応して
税務当局とも十分戦えるだけの材料を
揃えるようになってきているようにも思えます。

だから、というわけでもないのでしょうが、
これまで大企業中心に行われてきた
「移転価格税制」に関する税務調査を
中小企業にまで拡大するという動きが
税務当局に見られるようになっているのは、
中小企業を関与先に持つ税理士事務所の
職員としてはちょっと気になるところです。

まあ、この対象となるような取引をしている
関与先様もそうは無いのですけれども。

なお、「移転価格税制」については
「移転価格税制に関する事前確認の申し出」
という制度も存在してはいるのですが、
中小企業には使い勝手が悪い、かな?

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相続の放棄

2015年08月05日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

このブログでは昨年の末からずっと、
今年から大きな改正のあった
相続税に関して書いてきました。

随分と時間をかけてしまいましたが、
相続税計算の基本的な考え方については
簡単ではありますが一通り終えたので、
今回はそれとはちょっと視点を変えて、
「相続の放棄」ということについて
ごく簡単ではありますが説明したいと思います。

被相続人が亡くなった際において
遺言書等で遺志を示していない場合は、
ここでも書いたように被相続人の相続人が
その財産を引き継ぐことになります。

ここで気を付けていただきたいのは、
相続人が被相続人から引き継ぐものは
プラスの財産だけでは無いということ。

相続人は法律上の地位を承継する、
というのが法律の規定なのですが、
これは債権だけを指しているのでは無くて
債務をも含んでいるのです。

相続人は亡くなった人の
一切の権利義務を承継する。

これが、原則です。

つまり、不動産や有価証券、預貯金といった
プラスの財産を相続する際には、
借入金や未払金といった債務の承継も
セットでついてくるということです。

プラスの財産だけもらいたいというのが
人情というものでしょうけれども、
さすがにそんな甘い話はありません。

マイナスの財産がプラスよりも多い、
あるいは、事情により相続を受けるつもりが無い、
というような場合には相続人としての地位を
放棄するということも可能です。

これが、「相続の放棄」です。

放棄をしたい場合には被相続人の住所地を
管轄する家庭裁判所への申請が必要で、
「相続開始を知った日から3ヶ月以内」
というのが提出期限となっています。

この、「知った日」というのがポイントで、
「相続の開始した日」=「被相続人が亡くなった日」
ではないということは覚えておいてください。

なお、相続人が自分しかいない状態で
相続の放棄をした場合には、
後順位の相続人が被相続人の財産債務を
承継するということになります。

被相続人が多大な借金を残して
亡くなってしまったというケースでは、
被相続人が相続の放棄をすることが、
意図せずして他の者に借金などの債務を
押し付けることにもなりかねません。

ですので、あらかじめそういった親戚関係にも
自分が相続の放棄をすることと、
その人も放棄をした方がいいのではないか
ということを伝えておいた方が
人間関係が不穏になることを防ぐ意味でも
いいのではないかと思われます。

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延納・物納・連帯納付

2015年06月21日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

相続税につき、前回はその税額が
どのように計算されるのかを、
言葉だけで分かりにくかったかも
しれませんけれど説明させていただきました。

今回は、申告には付き物である納税義務者の行為、
税金の納付についてざっと書いてみようと思います。

まず基本的な話として、相続税にしろ贈与税にしろ、
その税額については申告書の提出期限まで
あるいは納付すべき日に金銭で一括納付する、
というのが納付の大前提となっています。

しかし相続財産や贈与財産には
不動産や経営権を引き継いだ事業資産などの、
納税資金のために換金するのに時間がかかる、
あるいは家業を継続する為に必要なものがあり、
手持ちの現金が無い場合にはこれをどうにかして
現金化させて納付しなければいけないとするのは、
現実味も薄く、また酷な話でもあります。

そこで、金銭一時納付が困難であると認められる
納税者に対しては一定の条件の下で、
相続税法では2種類の特例を規定しています。


それが、「延納」であり、「物納」です。

内容的には名前の通りの物ではあるのですが、
それぞれ簡単に説明しておくとしましょう。


相続税と贈与税の両方に適用がある「延納」
金銭により一時に納付することが
困難であると認められる税額について
一定の年額による分割払いするという制度で、
その年数および各回の納付額については
算出方法が厳密に規定されています。

なお、納税義務者の申請を受けて
税務署長が延納の許可をする場合には、
一定の場合を除きその延納税額に相当する担保を
納税義務者から徴することとされています。


もう1つの「物納」は相続税にのみ適用がある手続きで、
「延納」によっても金銭一時納付が困難である場合に
「延納」同様に納税義務者が申請をすることで
金銭に代わって相続税の課税財産(一定のものは除く)を
税務署に納めるというものになります。

とはいえ、何でも物納に回すことができるわけでは無く、
その種類と優先順位については法律の中で
はっきりと規定されていることも覚えておいてください。


また、「延納」や「物納」とはちょっと異なる話ですが
同一の被相続人から財産を取得した者に関しては、
例えばその内の1人が納税を行わないという場合に
その取得した財産の額を限度として
その者の代わりにその者の税額を納めなければいけない、
「連帯納税制度」というものも存在しています。

本来であれば当然納められるべきである
相続税や贈与税が納められないということに対しては、
税務署によりかなり厳しい対応が行われます。

親族関係に迷惑をかけない為にも、
金銭でそれを期限に納付することが難しければ、
状況に応じて「延納」や「物納」制度の活用を
検討してみなければいけないと思います。

カテゴリ : 税金・税法
テーマ : 税金 ジャンル : 政治・経済

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