三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 読書

「夜行」

2017年04月29日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

昨年10月に発売された森見登美彦の「夜行」は
第156回直木賞のノミネート作品になったりもしたので、
「聞いたことがある」という人も多いかもしれません。

十年前の鞍馬の宵祭りの最中に姿を消してしまった
1人の女性の存在を軸に、その時の鞍馬観光に参加した
残りの5名がそれぞれに体験することになる
不思議な体験を綴るという体の、全5章という構成。

そしてこれは、明朗愉快な「腐れ大学生モノ」や
軽妙なユーモアのある典型的なミリも作品では無く、
夜の闇に潜んでいる不思議怪奇を描く物語です。

怪談のテイストが強いと言ってもいいでしょう。

グロテスクやスプラッタ、人死に等は出てこないけれど、
全編を通じて、背筋にぞくっと来るような薄気味悪さ、
生理的なところで神経を逆なでしてくるような
落ち着かなさを読者にもたらしてくるような読み心地。

これは、かなりクセになる味わいですね。

一応、最終章においてそれまでのことに
多少の決着は付けられているのですけれども、
各章におけるゾワッとした読了感はそのままで、
それでこそ怪談、という感じだと言えましょう。

この手が苦手な人にはキツい作品だと思われます。

普段は日常の裏側の闇に静かに潜む非日常が
日常を浸食してくる様を描くことにこそ意味があり、
そこに論理的な解釈や謎解きは必要ではない。

この「夜行」というのは、そういう作品です。



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テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「魔導の系譜」

2017年04月19日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作、
佐藤さくら の「魔導の系譜」を読んでみたのですが、
審査員の1人だったらしい三村美衣の解説文によると、
主に異世界を紙面に幻出させる表現力という点で
ふさわしくないという意見もあったようですが、
そこを全面改稿するという条件付での受賞作とのこと。

そうして応募原稿に手を入れた後に出版されたのが、
つまり本書の内容ということになるわけですが……

もともとの投稿版は当然読むこともできないので
どのように変わったのかは分からないながら、
とりあえず、この発売版ではそこで気になる
というようなことはとりたててありませんでした。

そこは、作家本人と担当の編集者とが
あれこれと頑張った結果ということでしょう。

魔導士が虐げられる国で、絶対的な知識を誇りながらも
根本的な実力不足により三流の烙印を押されて
田舎で私塾を開いている魔導士レオンの元に、
被差別民族の出身で幼い頃に野盗に家族を殺されて
潜在能力は桁違いながらも魔導を学ぶことを
拒み続けてきた少年が預けられることから始まる物語。

いかにも東京創元社から出された作品という感じの
非常に渋い王道ファンタジーだと感じました。

本格的なファンタジーが好きだという人でなければ
手に取りにくいだろう内容の作品とは思いますし、
活字が小さい上に全470ページというボリュームで
腰が引けもするでしょうが、読み応えがあると同時に、
最初から最後まで一気に読ませるだけの魅力もあるので、
そこは安心して手に取ってみてください。

ただ、本作は終わり方にちょっと難ありだということは、
ここで最後にお断りしておかなければなりません。

破綻しているとか、物語としてどうかしているとか、
そういうことではないのですけれども、正直、
「えっ、そこで終わり?」と感じてしまうのは否めません。

幸いにもこの第1作がそれなりに講評だったようで、
シリーズ第2巻が既に発売されていますから、
そちらを読めば、この不満は多少、解消されるのかな?



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テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「コロボックルに出会うまで」

2017年04月09日  
JR中央線三鷹駅、吉祥寺の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

ちょうど2ヶ月前の2月9日に亡くなった 佐藤さとる さん。

個人的には、彼の最高傑作は「わんぱく天国」だと
ずっと思っているのですけれどもやはり世間一般的には
何といってもコロボックルシリーズが有名でしょう。

そんな彼の、工業専門学校を卒業してから、
転職をしつつ童話作家を目指す日々の中で
上記コロボックルシリーズの第1作目である
「だれも知らない小さな国」のアイディアを
思いつくまでを描いた自伝的な小説。

それが、「コロボックルに出会うまで
自伝小説 サットルと「豆の木」」になります。

これを読んだのは彼への追悼の気持ちの現れであり、
小さい頃より作品に親しんでいた彼の訃報には
やはりショックを受けずにはおれなかったものです。

こういう訃報に触れるとしばしば思うことなのですが
私が子供の頃に読んだ作家だったということは、
その私が中年になっている今はおいくつかを考えると
そういうニュースをしばしば目にするようになるのも、
やむを得ない、ある意味では自然ことではあります。

本作はあくまで児童小説家として築いてきた
彼のスタイルで書かれているからでしょうか、
ややダイジェスト的というか、覚書的というか、
もうちょっと色々と描写して語ってくれれば
青春小説としてもいい感じになったのにと
思ってしまう部分があったのは、少々残念。

しかしこれはこれで、いかにも 佐藤さとる っぽい、
というようにも思えるものでは、あります。

ちなみに他にも未読の作品は幾つかあるので、
それも、時間をみつけつつ少しずつでいいから
読み進めて行こうかと、そんな風に思っています。



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「となりの革命農家」

2017年03月30日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

それが作家としての1つのテーマなのかもしれませんが、
以前に紹介した「限界集落株式会社」その続編同様に
現代日本の農村(及び農業)の置かれている状況と
その抱えている問題の解決策の模索を題材にしている、
黒野伸一の「となりの革命農家」を読みました。

農薬を使う従来の慣行農法から有機農法への転換と
異業種からの農業法人参入のあるべき姿とは
どういうものなのかが今回のネタというところでしょうか。

その為、Y県大沼市を舞台にした本作の物語は大きく
2つの視点、2人のキャラクターを中心に進んでいきます。

まず、農家の家に生まれてお決まりのように
一度は東京に出たもののそこでの生活に馴染まずに帰郷、
今は道の駅で販売員をしている小原和也。

彼は自分で作った野菜を直売場で売ってくれないかと
持ち込んできた少女と共に有機農法に取り組みます。

続いて、大沼氏に進出した農業生産法人である
アグリコ・ジャパン部長の上田理保子がもう1人の主役で、
親会社である東日本フーズでは大学を卒業してから
わずか3年で役付きになるなど異例の出世をしていたものの、
上司である常務と専務との社内の権力抗争に巻き込まれて
アグリコ・ジャパンに出向することになってしまいます。

やがて大沼市に、Y県の主導で農業用水路の整備と
農道の拡張を行おうではないかという公共事業の話が
持ち上がってくるのですが……というのが、物語の流れです。

水路整備と農道拡張ということは通常でしたらむしろ
農業の効率化や生産量の増加に繋がる話ですから、
もちろん用地買収などで問題が全く無いとは言わないものの、
全体としてはむしろ良い効果が見込まれることなわけです。

しかし、これは物語なので、当然この公共事業の裏側には
表沙汰にできない真の目的や利権や汚職といったものが
色々と絡み合って来て、そこが本作のヤマ場になります。

恋愛要素もありエンタメ小説として押さえるべきところは押さえ、
面白く読ませてもらえる作品になっていると思いますが、
難を言えば、農業法人による大規模農業との比較として
個人農家による有機農法を持ってくるのは分かるのものの、
作品中で、それぞれがそれぞれに別の物語を描いていて
乖離とは言わずとも今一つ合流しない感があるのは、残念です。

それと、同じような題材をあちこちで書いているようだと、
書き手自らの手で自身の持ちネタの価値を下げかねないから、
あまりやらない方がいいのではないかとも思いました。

 となりの革命農家
 (2015/3/4)
 黒野 伸一
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「波の手紙が響くとき」

2017年03月16日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

オーディオルームの設計やメンテナンスを
主要業務とする武佐音響研究所に持ち込まれる
様々な依頼を、天使の声帯を持つ所長の佐敷裕一郎、
口の悪い音響技術者の武藤富士伸、
雑用係の鍋島カリンという3人の所員が
音響的な知識や技術を駆使して解決して行く物語。

それが、オキシタケヒコの「波の手紙が響くとき」です。

本作は、短編・中編合わせて全4章からなっていて、
この内、第1章はSFというよりもミステリーという印象が強く、
なんでこれが「ハヤカワSFシリーズ Jコレクション」から
出ているのかと、正直、首をひねったりもしました。

しかし、その後、物語を読み進めて行くにつれ
分かったのですが、なる程、これが確かにSFです。

登場するキャラクターが多少ステレオタイプに見えるのが
いかにも気になって仕方がないところになりますし、
そのわりに今一つキャラ立てできてない部分もありますが、
概して、いい感じの関係が描かれていたと思います。

私は結構な音楽好きでコレクターですが、それだけに、
音楽が(更に言えば「音」が)人に及ぼす影響は感じてます。

実際、テンションを上げる為にはこういう音楽、
落ち着いた気分で疲れを抜くならこういう音楽といった、
自分にとって定番のミュージシャンや楽曲もあります。

ですので、本作後半に観られる展開は、
明らかなフィクションではありつつも
あながち無茶苦茶な展開でも無いなという、
一定のリアリティーを感じさせるようなものでした。

その辺がSF的であり、本作の面白かったところです。

音楽が人の感情に働きかけるモノが大であるならば、
「いずくんぞ〇〇に対してをや」ということですね。

なお、物語はこの1冊で一応の完結を見ているものの、
佐敷所長の実家関係のアレコレが片付いていない等、
これから先に続けられる要素も幾つかあるので、
まだまだこの設定で様々なエピソードを書いて
続巻も出してほしいなと個人的には感じました。

それが叶うかどうかは分かりませんけれども、
可能性はゼロでは無いと信じたいところです。

 波の手紙が響くとき
 (2015/5/22)
 オキシ タケヒコ
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「十二人の死にたい子どもたち」

2017年03月05日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

第156回直木賞のノミネート作品にもなった
冲方丁の「十二人の死にたい子どもたち」という作品は、
本屋大賞を受賞した「天地明察」等で知られる
著者が初めて手掛けた現代長編ミステリーとのこと。

この作品はそのタイトルを見れば分かる通り
レジナルド・ローズの「十二人の怒れる男」と、
そのオマージュとして製作された
三谷幸喜の「12人の優しい日本人」を踏まえて
書かれたものであることは明白です。

そう言えば以前にどこかのインタビューで
冲方丁が「十二人の怒れる男」のことを
絶賛していたような記憶があります。

特にそれを意識しての事では無いものの
図らずも作家生活20周年記念作品となったと
自身のブログに書かれていたのですけれども、
そこには、本作は発案してから書くまでに12年、
更に雑誌に1年ほど連載するという過程を経て、
ようやく形になったとも書かれていました。

それだけ、大事にしてきた構想ということですね。

そういえば、「天地明察」も彼がまだ学生だった頃から
いつかは書きたいと思い描いていた題材だったはず。

そういう、自分の中で大事なテーマについては
かなり慎重に、長い期間をかけて構想を練る傾向が
冲方丁という作家には、あるのかもしれませんね。

本作は、元になっている作品が作品ですから
閉鎖環境に集まった十二人の子どもたちが
議論を繰り広げて行く物語になっているだろうとは
読み始める前から容易に想像ができていました。

ただし、舞台は法廷ではなくて廃業された病院。

登場する人物達は裁判で呼ばれた陪審員ではなくて
自ら集団安楽死を望んで集まった少年少女。

そこに違いがあっても基本的なラインは変わらないなら
物語の流れもおおよその見当はつけられるので、
そこから逆算して、各キャラクターの言動を
観察するように読み進めていくことになった結果、
ラストの展開や某登場人物の立ち位置も事前に
割と予測できてしまったのは、否めないところ。

もし「十二人の怒れる男」や「12人の優しい日本人」の
内容を事前に知らない状態であったならば、
凄く新鮮な気持ちで読めたかもしれないと思えば
そこはやや残念かもしれないのですけれども、
とはいえ、面白く読ませてもらいましたので
そこもとりたてて大きな問題にはならなかったと言えます。

 十二人の
 死にたい子どもたち

 (2016/10/15)
 冲方 丁
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「深紅の碑文」

2017年02月22日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

地球全土に大氷河期をもたらすと予想される
地球内部の熱循環であるプルームテクトニクスが
引き起こす壊滅的な環境変動 <大異変> が、
早ければ数十年後に現実のものとなることが
科学的に確実となってしまっている世界。

つまり、人類の滅亡が確定している世界で、
それでもわずかなりの希望の為に少しでも
最善の道を辿ろうともがく人々を描く作品です。

世界と人類の終焉が確定というのが大前提なので、
暗く重苦しい内容や語り口は致し方ないことでしょう。

同じ世界、登場人物が出てくるシリーズ前作の
「華龍の宮」ではそれでも、<大異変>後の世界に
人がいかにして生き残るか、という部分にも
多少は焦点が合っていたような印象があるのですが……

本作は、目前にある避けえないカタストロフィーに対し、
陸上民と海上民の、そしてそれぞれの中でも対立する
人々の争いをどうやって終わらせるのか。

そういう、ネゴシエーション的なところが
クローズアップされた物語になっています。

奇跡的な解決策や技術革新ということではなく、
99%以上の確率で負け戦になると分かっていて
それでもなお抗い続ける人の姿を描くことが
この作品のキモになる部分というわけですね。

そこに物語的な意味でのカタルシスは無いのですが、
じわじわと心に迫ってくるもののある作品だと感じました。

 深紅の碑文(下)
 (2016/2/24)
 上田 早夕里
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「凶器は壊れた黒の叫び」

2017年02月13日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

各所で高い評価を得ているシリーズの最新作は、
どうしても刊行前から高い期待を寄せられる
宿命を背負ってしまうものですよね。

そのような作品の場合には、読者からのその期待、
課せられたハードルに応えられているのかどうか、
また、陳腐でありふれた展開に堕ち込むことなく
物語に新鮮さを提供し続けていられるかどうか、
そこが大きな鍵になってくると私は思います。

いわゆる、「予想は裏切り、期待は裏切らない」という
しばしば言われる目標を達成できているかどうかです。

それを踏まえつつ、読んでみた本作。

話はかなり動いて、これまで描かれた人間関係に
大きな変化が訪れそうな予兆が描かれました。

不安定で不条理で優しい場所である階段島が
これからどういうふうになっていってしまうのか、
そこで暮らす「自分に捨てられた」人達がどうなるのか、
物語はどんどんと加速度を増しつつあります。

期待値に比して100点満点とは行きませんでしたが、
まずまず、いい感じの1冊となっていました。

作者インタビュー等によればどうやら「階段島シリーズ」は
その構成的に折り返し地点を過ぎているらしいのですが、
おそらく、起承転結で言えば「転」の序盤くらいには
なっているのではないかと思われますので、
この感じだと全6巻か7巻くらいになるのでしょうか。

 凶器は壊れた黒の叫び
 (新潮文庫nex)

 (2016/10/28)
 河野 裕
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「魔術師のおい ナルニア国物語 1」

2017年02月05日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

岩波書房から瀬田貞二さんの翻訳で出ていた
ナルニア国物語のシリーズが光文社から
新訳で出はじめたのは、昨年の9月のこと。

岩波版が出版順にナンバリングされるのに対し
こちらは作中の時間軸に沿った順番という違いがあり、
岩波版で1冊目になっていた『ライオンと魔女』は
こちらでは『ライオンと魔女と衣装だんす』として
シリーズ2冊目として刊行されています。

幼少時から瀬田訳に馴染みきっている身としては
新訳といわれて、まず不安を覚えてしまうのですが、
実際に実物を読んでみた限りでは、まずまずという感じ。

岩波版が今では絶版になったわけでもないのに
別の出版社から新訳版が出ることになったのは、
C・S・ルイスの著作権が切れてフリーになったのかと
思って調べたところ彼の没年は1093年11月22日。

日本において法律で保障される著作権は没後50年です。

ルイスが亡くなったのは第二次大戦が終わって
サンフランシスコ講和条約が交わされた後ですから、
約10年半(ルイスの母国イギリスの場合で3,794日)の
戦時加算も無い為、単純計算で2013年末までですね。

やはり、今はもう著作権がフリーになっています。

翻訳者の違いというのは結構大きな要素ですが
そこまで違和感を覚えずに済んでいますから、
これなら光文社版で買い揃えるというのもありかも。

 魔術師のおい
 ナルニア国物語 1
 (古典新訳文庫)

 (2016/9/8)
 C・S・ルイス
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「泣くなブタカン! ~池谷美咲の演劇部日誌~」

2017年01月25日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

「泣くなブタカン! ~池谷美咲の演劇部日誌~」は
これまでここで紹介してきた第1作および第2作
続く、このシリーズ3冊目にして、最終巻となる作品。

前2作品で強烈な個性を放っていた先輩たちが卒業し
3年生になった主人公の演劇部生活を描く本作。

今回は帯にも背表紙のあらすじ紹介にも
「青春ミステリ」の文字が無かったのですが、
全4章がそれぞれ軽く謎解形式にはなっていて、
一応「日常の謎」系と言えなくもないう感じ。

青春部活モノとしてはきっちりと楽しませてくれましたし、
個人的にはもともと第1作目の時点から、
これをミステリーと称することには疑問を持っていた
というのもあるのですが、ストーリーを楽しませる、
という点ではしっかりしているので、問題無しです。

高校生活と、そこで力を入れていた部活道との結末を、
よくあるような美辞麗句的なものに終わらせずに
一定のリアリティーを持ち込んできたのが、いいですね。

具体的に書くのはネタバレにもなってしまいますが、
そこを敢えてちょっと触れるとするならば、
例えば大学受験と部活動のどちらを優先すべきかとか、
高校卒業後も演劇を続けようと考える人が
どれくらいいるのだろうかとか、そういった話です。

もともと出だしからして、いくら高校演劇とはいえ、
経験の全く無かった人間が突然舞台監督なんて
重要な仕事をこなせるものだろうか、
というリアリティー欠如に関する疑問を
内包して始まっているシリーズでしたけれども、
それも、このラストで差引プラスになった、かな?

 泣くなブタカン!
 ~池谷美咲の演劇部日誌~

 (2016/11/28)
 青柳 碧人
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