三鷹駅南口 (武蔵野市、吉祥寺)、とある税理士事務所職員の日常 読書

「カムパネルラ」

2017年01月07日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

本屋でその書名を見かけた瞬間に即座に手に取って
購入を決めたのが、今回紹介しようと決めた
山田正紀の長編SF作品である「カムパネルラ」。

「カムパネルラ」というのが何なのか分からない
という人はあまりいないと思います。

改めて言うまでも無く「カムパネルラ」とは
宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」に登場する、
主人公ジョバンニの親友にして彼と一緒に
幻想四次の銀河鉄道に乗る少年の名前です。

本作は、作者が賢治と「銀河鉄道の夜」に題材を得て
架空の日本を舞台にした描いたディストピアSFであり、
もともと幼少の頃から賢治の作品が好きで
ちくま文庫版の全集も所有している私ですので、
SF好きで賢治好きとして読まないわけにはいきません。

この「カムパネルラ」のキモは「銀河鉄道の夜」の
初期稿と一般に知られている第四稿との間に
存在する内容の大きな変化にあります。

そこに、同じく賢治の死後に発表された「風の又三郎」と、
その原型となる作品ではあるものの内容は大きく異なる
「風野又三郎」との相違を絡めてきた本作には、
なる程、あれをこう料理してくるのか、と唸らされたましたし、
非常に面白く、かつ刺激的に読ませてもらいました。

そう考えると本当の意味できっちりと楽しんで読むには
事前学習的にそれらの作品を読んでおく必要がありそうで、
そういうものをいきなり他人に薦めていいものかという
ところには、やはり躊躇を感じないわけではありません。

ですが、面白いものは面白い、という基本的大前提に則り、
そこを敢えて、このブログでも紹介させていただきました。

なお、「銀河鉄道の夜」の第三稿や「風野又三郎」は
ちくま文庫から出ている宮沢賢治全集であれば
今でも簡単に読むことができる、ということを
最後に付記して、今回のエントリを終わります。

 カムパネルラ
 (創元日本SF叢書)

 (2016/10/10)
 山田 正紀
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「宰相の二番目の娘」

2016年12月29日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

アラビアンナイトを底本にした「宰相の二番目の娘」は、
以前に紹介した「たんぽぽ娘」を書いた
ロバート・F・ヤングのライトタッチSFファンタジー。

展示の為のロボットを製作する為に過去に
タイムトラベルして歴史上の重要人物を
一時的に拉致してくる仕事に従事する主人公が、
「千夜一夜物語展」の実施に必要とされた
シェヘラザードではなく、妹のドニヤザードの方を
誤って攫ってしまったことから始まる冒険譚です。

内容的には非常にベタなストーリーで、
こうなればこうなるよね、というオーソドックスさを
しっかりと踏襲した展開となっています。

当然、主人公とドニヤザードの間には恋愛が生じますが、
そこにはそれぞれが生きる時代の違いがあるわけで、
そこがどうなるか、どのように乗り越えていくのか……
というところが1つの大きな読みどころになるわけです。

が、全体的にお約束を外さない流れがあるからか、
全く心配もハラハラもなく最後は大団円となっていました。

そもそも、ラストには様々な描写も最初から薄めだ
というのもあって、盛り上がりという点で言えば
大いに欠けるところがあったのがちょっと残念です。

何だか、取ってつけたようにも見えてしまうんですよね。

が、全般的には「時間モノSFにハズレなし」という言葉が、
今回もまた証明されたかなという印象があります。

ただ、「ハズレ」は無かったかもしれないけれど
「大当たり」でも無かったとも言えそうで、
要するに小ヒットなわけですが……

とはいえ、面白いことは面白いですし、
安心して読める定番的な物語です。

 宰相の二番目の娘
 (創元SF文庫)

 (2014/10/31)
 ロバート・F・ヤング
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「放課後スプリング・トレイン」

2016年12月21日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

「日常の謎」系の青春ミステリー好きの血が騒いで
手に取ったのが、第23回鮎川哲也賞の最終候補で
書下ろし文庫作品として発売されたという
吉野泉の「放課後スプリング・トレイン」です。

ちなみに、これが作者のデビュー作。

福岡の街を舞台に主人公が通う高校や彼女の周囲で
起きる事件をクラスメイトの友人のの彼氏の友人として
知り合った大学院生の力を借りながら解決するという、
全部で4つの物語からなっている短編集になります。

フォーマットとしても、内容としても、ジャンルの王道であり
どこから見てもベタな設定だと言っていいでしょう。

あとは、個々のキャラクターに魅力があるかとか
学生生活をどれだけ生き生きと描けているかとか
細かいエピソードが面白いものになっているか、
といったようなところが重要ポイントになりますけれど、
ちょっと甘めの採点ではあるものの本作は及第点。

あとがきで作者は「初めて書いた物語の舞台が
福岡であったのは、ホームシックになっていたから」
と書いていますが、掲載されているプロフィールによると
どうやら福岡生まれの九州大卒のようです。

また、自分の良く知る場所を題材にして作品を書くのは
持ち込みだったり賞への投稿だったりという場合には
物語にリアリティーを出す手堅いやり方でもあるでしょうから、
それはむしろ鮎川哲也賞の選考過程において
プラス方向に働いていたのかもしれません。

とりあえず、本作の出来は悪くなかったので、
これの続編か、あるいはまったく別の作品か、
どちらにしても次回作も読んでみようかなと
そんなことを感じた1冊となりました。

 放課後
 スプリング・トレイン
 (創元推理文庫)

 (2016/2/27)
 吉野 泉
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「セルフ・クラフト・ワールド」第3巻

2016年12月11日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

全3巻で予定通りにシリーズの完結となった
芝村裕吏の「セルフ・クラフト・ワールド」は、
MMORGP(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)
の<セルフ・クラフト>を題材にして描かれた
近未来SF小説になります。

<セルフ・クラフト>のシステムや世界観、
内部に形成された特異な生態系等を描いた1冊目。

一転して現実世界から<セルフ・クラフト>で
得られる利権をめぐる各国のパワーゲーム等と
その結果、世界に訪れる「その時」を描いた2冊目。

それ等に続き、今回は「その時」の後の人類と
<セルフ・クラフト>がどうなっていくかが描かれます。

出だしから、かなり厳しい展開となっていますが、
しかしまあ、ここに至る状況を考えれば
当然そうもなるだろうという納得の範囲内。

問題は、そこからどのように展開させて、
どのようなラストに持っていくか、です。

この辺を詳しく書くとネタバレになるので止めますが、
なる程、ここでそう来るのかという感じで
ちょっとビターな結末はSF的にはしかし
大団円のハッピーエンドと言っていいでしょう。

どこが大団円だ、バッドエンドじゃないのか
と思う人も多そうな気がしますけれども、
個人的には、これは(条件付きの)ハッピーエンド。

100点満点中の90点くらいは付けられます。

 セルフ・クラフト
 ・ワールド 3
 (ハヤカワ文庫JA)

 (2016/9/21)
 芝村 裕吏
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「鉢町あかねは壁がある カメラ小僧と暗室探偵」

2016年11月30日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

ちょっと前に紹介した「演奏しない軽音部と4枚のCD」
が中々面白い小説だったという記憶があるので、
書店で文庫の棚を眺めていて目に入ってきた
高木敦史のこの作品を購入してみました。

とある高校の幽霊部員の多い写真部の、
その部員の中でほぼ唯一と言っていいくらいに
熱心な活動をしている有我遼平が、
その学生生活の中で出くわす様々な事件を、
彼の幼馴染にして今は疎遠になっている
鉢町丹子が持ち前の人並み外れた洞察力で
相手が自分だと有我に気づかれないようにして
彼の手助けをして解決して行くといった内容です。

いわゆる「日常の謎」の青春ミステリーに
分類されるような作品なのですが、
本作の大きな特徴となっているのが、
出てくるキャラクターのほとんどが、
かなりクセが強いということでしょうか。

結構利己的でエゴの強さが前面に押し出されるので、
「青春」は「青春」でも爽やかさとか健やかさ
というものは正直言ってあまり感じられません。

が、考えようによってはそれが却って本作に
リアルな高校生感を出したとも言えそうです。

悪人、とまで断定していいかどうかはともかくとして
結構タチの悪いことをしている登場人物が
最後まで悪びれる振りも見せなかったりするのも、
実際はそんなもんだろうなと思わされます。

あまり露骨な描写こそ避けられていますが
わりとエグいところもあったりしますから、
そこは読み手の好みの分かれる部分でしょう。

私はそれなりに面白く読ませてもらったので、
彼の他の作品にもちょっと興味が出てきました。

 鉢町あかねは壁がある
 カメラ小僧と暗室探偵
 (角川文庫)

 (2016/6/18)
 高木 敦史
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「誘拐サーカス 大神兄弟探偵社」

2016年11月21日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

発売から随分時間がたっている本で恐縮ですが、
以前に紹介したシリーズの第3作目である里見蘭の
「誘拐サーカス 大神兄弟探偵社」を読みました。

冒険小説や探偵小説の復権、とまで書くと
さすがに少し言いすぎかもしれません。

が、少なくとも作者としては自分がかつて好み
親しんできたそういったジャンルの作品を、
自らの手で著して世に問うてみようという
狙いがあって書き始めた作品らしいので、
それが順調に巻を重ねてきたというのは
やはり嬉しいことなのだろうと思います。

前作「暗殺者ソラ」がスケールの大きい話だったので
それに続く第3巻については一体どうするのか、
このまま各エピソードの扱う事件やアクションの
規模ばかりが大きくなるインフレーションになるのは
いかがなものだろうかと思っていたこのシリーズ。

そういう側面が無きにしも非ずではあったものの、
むやみやたらなことにはならずに済んでいたのは
シリーズの読者としては、ほっとしたところでした。

主人公達の探偵事務所に今回依頼されたのは
アイドルオーディションに絡む女子高生誘拐事件の解決。

犯人と交渉しつつその正体や所在をさぐろうと動く中で、
今度は別の誘拐事件が絡んできて……という
どんどんと事件が輻輳して行くようなストーリーです。

例えば事件に政治を絡めるとか軍事を絡めるとか、
そういう方向でスケールアップするのではなくて
こういう、別のアプローチでトラブルに複雑さを増して
物語の重層感を出していくというのは、
少年誌のバトルマンガでよくある「強さのインフレ」的な
ことを危惧していた私にとっては、嬉しいことでした。

こういう構造、いいですね。

これまでのシリーズ3作の中では、
これが一番好きなエピソードかもしれません。

 誘拐サーカス
 大神兄弟探偵社
 (新潮文庫nex)

 (2015/12/23)
 里見 蘭
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「小説の神様」

2016年11月13日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

十代で学生作家としてデビューしたものの
ネットレビューで酷評され売り上げも振るわず、
創作への情熱や自分が小説家に目指した動機等を
見失いかけている主人公の男子高校生が、
担当編集者からの提案でお嬢様学校から同じクラスに
転校してきた人気作家と合作をすることになることから
始まる物語が、相沢沙呼の「小説の神様」。

高校を舞台にして男女が一緒に小説を作っていく、
というシチュエーションは小説に限らなくても
青春モノにはそんなに珍しくないネタであり、
そういう意味では本作もありふれた作品だと言えます。

しかし、この作品が他と差別化に成功している点として、
この主人公に作者である相沢沙呼本人がかなり色濃く
投影されていると思われるところが挙げられるでしょう。

相沢沙呼と言う人は自作に対する世間の評価、
ネット上の評価というものに非常に敏感で、
いわゆるエゴサーチなどもしばしばやっては
落ち込んだり悶えたりしているのですけれども、
その性格はまさしく本作の主人公そのもの。

主人公がシリーズ化を構想していた作品が
あえなく打ち切りになってしまうところも、
おそらくはちょうど本作を執筆している頃の
相沢沙呼の実体験に基づいているのでしょう。

具体的には以前紹介した「緑陽のクエスタ・リリカ」
シリーズ化を断念せざるを得なくなったそうで、
古き良きラノベファンタジー路線だった同作は、
私を含めてそういうジャンルが好きで読んだ人には
高評価を得たものの、セールスは振るわなかったよう。

そういう、作者の心中で渦巻く諸々の感情が
ダイレクトに反映されている(と思われる)本作は、
それ故にちょっと生々しさが漂っています。

要は誰が読んでも面白い明朗快活な作品ではなくて
鬱屈したものを、それもまた良しとしていける人向けだ、
と言えるのかもしれないのですけれども、
そこまで屈折しまくった作品と言うわけでも無いので
誰であっても普通に読めるとは思います。

ちなみに私は、非常に面白く読ませてもらいました。

 小説の神様
 (2016/6/21)
 相沢 沙呼
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「アンダーグラウンド・マーケット」

2016年11月03日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

以前に読んだ「オービタル・クラウド」が面白かったので
これは著者の他作品も読んで行かなければなるまいと、
「アンダーグラウンド・マーケット」を読了。

2020年の東京オリンピック誘致活動の過程において
日本政府がTPPの労働力流動化条項を呑んだことで、
日本人と同等の扱いと成功を夢見た移民が流入し、
移民人口が1,000万人を超えたという
架空の2018年東京が舞台の作品です。

作中、少なからぬ移民が安価な労働力として、
消費されることを嫌って持ち前のITスキルを活用して
同じ境遇の移民相手のビジネスを起業しています。

少ない利益の中から「公平な税制」の美辞麗句の元に
一律設定されるようになっている法人税や消費税、
そして所得税を納めることが難しいと感じた彼等は、
出身国への送金に用いていた仮想通貨を
取引の決済手段としても使い始めます。

その経済活動を日本円を媒体とした「表の経済」から
国税庁などが実体を把握することが困難である
デジタルな「地下経済」へと移行させる、というわけです。

主人公は企業に就職して表の経済の一員となることに失敗し
地下経済の中で生きる道を選んだ若きITエンジニアで、
中小企業の商売を仮想通貨であるN円を使った
無税取引に改造する仕事を請け負って報酬を得ています。

そんな彼が相棒と共に請け負ったWebサイト改造の仕事で、
決済システムを巡る問題が発生して……という展開から
物語はN円を巡っての大きなトラブルへと発展して行きます。

手に汗握る展開で、楽しく読ませてもらいました。

なお、本作の要となるN円の設定などを見ていて、
ビットコインのことを連想せずにはおれませんでした。

2014年2月のマウントゴックス社の経営破綻をきっかけに
名前を聞くことも少なくなってきていたビットコインですが、
そのまま立ち消えになってしまったかと思いきや、
ちょっと気になったのでネット等で調べてみたら、
ここのところまた脚光を浴びつつあるようです。

今回の本題では無いので触れずに済ませますが、
N円の発想のベースになったであろうビットコインと
作中のN円との違い等を比べてみるのも、
もしかしたら、ちょっと楽しいかもしれませんね。

 アンダーグラウンド
 ・マーケット
 (朝日文庫)

 (2016/7/7)
 藤井 太洋
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「スティグマータ」

2016年10月25日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

そろそろこれも読んでおかなければなるまいと
近藤史恵の自転車ロードレース小説の
第5弾である「スティグマータ」を読了しました。

2007年発表のシリーズ第1弾の「サクリファイス」は
日本における実業団の戦いを描いており、
ツール・ド・フランスとドーピング問題を扱った「エデン」、
読み切り短編など6編を収録した「サヴァイヴ」、
大学の自転車部を描いた「キアズマ」につづく本作は
再び舞台をツール・ド・フランスに戻した一作。

5年前に発覚したドーピングスキャンダルで
過去のグラン・ツール優勝実績を全て剥奪され、
2年間の出場停止処分後も表舞台から姿を消した
過去の英雄が突然の復帰出場をするという導入から、
何故彼が今になってレースへの復帰を決めたのか、
そしてシリーズにおけるメインキャラである
白石誓は何を思い願ってツールを走っているのか、
といったようなことが本作では描かれています。

さらに、シリーズをずっと読んできた人には
それだけではない楽しみもあって、
大いに楽しく読ませてもらいました。

この作品のような一般向けのミステリー風娯楽小説、
自転車ロードレースを題材にしてしっかりとした
人間ドラマを描いてくれている作品の存在は、
私の好きな自転車ロードレースという競技を
2020年の東京オリンピックに向けてどんどん
盛り上げるのに大いに貢献してくれるでしょう。

実際、非常に面白い作品となっていますし、
読んで損をした、ということにはならないと思います。

シリーズ過去作は文庫化もされていますから、
まだ読んだことが無いという人には是非とも
ちょっと手にとって読んでみてほしいですし、
更なるシリーズ続編も、期待したいところです。

 スティグマータ
 (2016/6/22)
 近藤 史恵
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

「トワイライト・テールズ」

2016年10月14日  
吉祥寺(武蔵野市、三鷹市)の税理士事務所、
宮内会計事務所に勤める税理士の卵です。

以前に紹介した山本弘の「MM9」シリーズは
全3冊でそのストーリーがひと段落となりましたが、
それとは出版社とレーベルを変えて出版された
同一世界を舞台にする短編集が本作です。

シリーズの主役であった気象庁特異生物対策部
通称「気特対」の面々が出るエピソードもあるので、
むしろスピンオフ作品だとしてもいいかもしれません。

……出版元は、違いますけれどね。

この「トワイライト・テール」に収録された4編の、
舞台となっている場所はそれぞれに
日本、アメリカ、タイ、コンゴ共和国と大きく異なり、
その時代もまちまちとなっています。

ですが、基本的なシチュエーションは
「怪獣と人間」との関係性を描く
というところに徹している印象があります。

主流からは外れているような社会的弱者や
虐げられた者のところに、人には抗えない
圧倒的暴力を携えて怪獣が現れたことで
生まれる物語は時にやるせなさや切なさを漂わせ、
読み手の心にグッとくるものとなっていました。

「MM9 -destruction-」に掲載されていた
この作品世界の年表には、まだ小説として
描かれていない事件もありますし、
これからもまだ色々と続けようと思えば
続けられる作品でもあるわけですが……

その辺り、山本弘としてはどうなのでしょう。

まあ作者の意向がどうであれ、
出版社サイドがそれに同意しなければ
新作の出版は無いわけですが。

 トワイライト・テールズ
 夏と少女と怪獣と
 (角川文庫)

 (2015/11/25)
 山本 弘
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カテゴリ : 読書
テーマ : 読んだ本の感想等 ジャンル : 小説・文学

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